体重増加とその対処法

読み始める前に】

現代の日本は「飽食(ほうしょく)の時代」と言われるように、日本中どこに行っても食べ物が手に入り、食べたいものを食べたい時に好きなだけ食べられる時代になりました。

「一汁一菜」「粗食」という日本人ならではのつつましい食生活は遠い過去の話となり、戦後から日本の食生活は大きく変わって欧米化がすすんでいます。

その結果、日本人の栄養状態は見違えるように良くなりました。

しかし困ったことに「普通に」食べているつもりでも、栄養の摂りすぎとなってしまうという新たな問題もでてきました。

体重の増加はやがて肥満となり、そして将来「メタボリックシンドローム」「生活習慣病」などの病気につながる可能性もあります。

ですが、これらは予防できる病気でもあるのです。

もし、今の生活習慣に改善の余地があると感じるのであれば、将来の自分のためにできそうなことからチャレンジしてみませんか?

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体重増加とは

さて突然ですが、ここで簡単なクイズです。

Q 「体重増加」とはいったい、体の中の何の重さが増えているのでしょうか。

①筋肉
②脂肪
③水分

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答えは、実は ①②③どれも正解 なのです。

これら3つともが同時に同じように増えるかというと、そういうわけではないのですが、3つはいずれも、体重増加の原因になりうるものです。

それでは、解説です。

①筋肉が増える

普段、筋力トレーニングをしていたり体を鍛えていたりする人はよくご存知だと思いますが、筋肉を鍛えた分だけ体重も増えていきますよね。
これは、筋トレを繰り返すにつれて筋肉量も多くなり、さらに筋肉は重いので、必然的に体重も増えるというものです。
筋肉を鍛えたことによる体重増加は、肥満とはまた別のものとして考えられています。

②脂肪が増える

体重増加=脂肪というイメージから、と回答した人が多いのではないでしょうか。
それもそのはず、体重増加のうち最も多いのはこの脂肪による体重増加なのです。
脂肪が増えたことによる体重増加は「肥満」と呼ばれます。
さらに肥満が原因で健康を害している、または将来そのような可能性が高く、医学的にみて減量が必要な肥満「肥満症」といい、これは一つの疾患名でもあります。
この肥満については、次の項目でお話したいと思います。

③水分が増える

人の体の6割が水分でできているという話はよく聞きますが、これは私たちの体にとって一番健康的でバランスの取れた水分量なのです。
しかし何らかの原因で必要以上の水分が体に溜まってしまうことがあり、これをむくみ(浮腫)といい、その程度が強ければ強いほど体重も増えます。

肥満(脂肪による体重増加)のメカニズム

それでは、先ほど答えていただいた ②脂肪による体重増加 について詳しく考えていきたいと思います。

体重が多いだけではなく、体脂肪が過剰に蓄積した状態を「肥満」といい、将来の生活習慣病につながる可能性がありますので、予防や対策が重要とされています。

肥満の原因には、遺伝によるもの、食事摂取量が多い、エネルギーの消費が少ない、精神・心理的な問題、脳の視床下部や内分泌系の異常などが挙げられます。

ところで、肥満の原因になる食べ物について、皆さんはどのようなものを思い浮かべるでしょうか。

「甘いもの」「脂っこいもの」「こってり系」「炭水化物」「アルコール」
このようなものが、体の脂肪のもとになるということは、世間でもずいぶん浸透しています。

どれも美味しいものばかりで普段からよく食べている、という人も多いのではないかと思いますが、このような美味しい食べ物が一体どのようにして脂肪に代わるのでしょうか。

体の中では、次のような流れが起きているのです。

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上の図のように、摂取した栄養は肝臓に集められ、そこから体の各部分で効率よく利用できるような形に変えられて必要なところに送り届けられます。

体を作るもとになったり、エネルギーとして利用されたり、脂肪やたんぱく質などの必要な蓄えとなったりします。

栄養にならないものは老廃物として排泄されます。

しかし、栄養として使えるにもかかわらず消費しきれずに余ってしまった分は、体から排出されるわけではなく、脂肪などとして体にどんどん蓄えられていくのです。

そうして、過剰な量の脂肪が蓄積され「肥満」になってしまうわけなのです。

肥満度と標準体重

皆さんは、自分自身の肥満度を調べたことはありますか?

肥満度を調べる方法はいくつかありますが、そのうち最も一般的に使われている方法が「BMI」肥満度分類(日本肥満学会)です。

あくまで、身長と体重から割り出した数値で判定するものですので、脂肪が少ない筋肉質の人でも「肥満」に当てはまったり、逆に脂肪が多くて筋肉の少ない隠れ肥満が「標準」と判定されたりもしますので、必ずしも正しく当てはまるというものでもありません。

BMI(ビーエムアイ)

体重(kg)÷身長(m)÷身長(m) で数値を割り出します。

(例)体重80kg 身長172cm の場合

80÷1.72÷1.72 の式で求め、BMIが27.0 となります。

そして下記に当てはめます

18.5未満  低体重
18.5~24.9 普通体重
25.0~29.9 肥満(1度)
30.0~34.9 肥満(2度)
35.0~39.9 肥満(3度)高度肥満
40.0以上  肥満(4度)高度肥満

この区分によって、27.0は肥満(1度)と判定されます。

また、標準体重は、BMI 22.0にあたります。

これはもっとも健康的で疾患が少ない体重とされ、
身長(m)×身長(m)×22 で割り出すことができます。

(例)身長172cm の場合

1.72×1.72×22 の式で求め、標準体重は 65.08kgとなります。

ちなみにこのBMIは、25以上(肥満に当てはまる)の人の割合が一番多いのは40~50代の男性で、この世代の男性の4割近くが肥満に当てはまります。

これは、仕事のストレス解消や仕事上の付き合いで食べたり飲んだりする機会が多い、忙しくて運動する体力がない、時間が取れない、などといった働き盛り世代ならではの理由や、若いころと同じようついつい食べ過ぎてしまう習慣が抜けない、晩酌が欠かせないなどといった長年の習慣によるものなどが背景にあるのかもしれません。

人は、加齢とともに代謝(食べたものをエネルギーに変える力)が落ちていきます。

それに合わせて摂取するエネルギーも減らしていくなどうまく調整できることが理想です。

さらに、筋力をつけておくことによって、その分代謝が良くなるだけでなく、高齢になった時に足腰の弱りを予防するのにも役立ちます

肥満のタイプについて

脂肪が体のどのあたりについているかによって、洋ナシ形リンゴ型とタイプが分けられます。

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これは体形を果物の形に例えたもので、

上半身(お腹まわり)を中心に脂肪がついているタイプをリンゴ型
下半身(腰回り~太ももにかけて)を中心に脂肪がついているタイプを洋ナシ型

といい、見た目だけではなく、さらに次のような特徴にも違いがあります。

リンゴ型肥満
内臓脂肪タイプ
男性に多い
お腹が出ているのが特徴的 
糖尿病、高血圧、脂質(中性脂肪やコレステロール)異常の危険性が高いと言われています。

洋ナシ型肥満
皮下脂肪タイプ
女性に多い
お尻や太ももにつきやすい
リンゴ型に比べて疾患にかかるリスクは少ないものの、皮下脂肪は内臓脂肪に比べて落ちにくいため、肥満がなかなか解消できず長期化しやすくなります。
そうすると、体重を支え続けている膝や足首に負担がかかり、関節をいためてしまう原因にもなります

脂肪が消費されるメカニズム

さて、脂肪が体に蓄えられるメカニズムについて学びましたが、今度は「どのようにすれば蓄積した脂肪が消費できるのか」について考えていきたいと思います。

これも皆さんがよくご存じのとおり、「食べる量を減らす」「脂っこいものや甘いものを減らす」「野菜を多めに食べる」「運動する」「寝る前に食べない」といったことが脂肪の消費に役立ちます。

先ほど学んだ「脂肪を蓄積させる方法」の逆をいけば、脂肪は消費されていくのですね。

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消費する量よりもたくさん食べてしまうと、消費しきれなかった分が蓄積されてしまいますので、食べる量よりも消費する量を増やせば、その分脂肪は少しずつ減っていきます。

そして一番効率のよいエネルギーの消費の方法は「有酸素運動」です。

運動を始めてから20分ほどを過ぎると、体を動かすための燃料として体に蓄えられている脂肪が使われ始めます。

そのため、この有酸素運動を続けた分、体に蓄えられている脂肪は減少していくのです。

そして、体に蓄えられている脂肪にも消費される順番があり、まず一番初めに内臓脂肪から消費されていきます。

皮下脂肪がなかなか落ちないのは、このためです。

また、せっかくの運動が無駄にならないように、脂っこい物や甘い物は摂りすぎないように食事制限と運動を並行して行うことが理想的です。

どうしてもお腹いっぱい食べたい時には、野菜やタンパク質を中心のメニューにするなどの工夫が必要です。

おわりに

人生80年と言われるこの時代、寿命を延ばすことよりもいかに健康に長生きするかということに関心が高まっている一方で、生活習慣病の若年化も深刻な問題となっています。

いつまでも若々しく元気に過ごしたいと思っていてもやはり加齢には勝てませんので、年齢とともに健康を保つコツが必要になってきます。

減量するためには、今までの習慣を変えたり、新しいことを始めたり、時には苦痛を伴うことだってあるかも知れません。

しかし、体重を適正に保つことは生涯の健康維持に役立ちます

早く始めて損をすることはありません。

長期戦になりますので、数ヶ月、数年単位で結果を出せるよう焦らずに続けられるといいですね。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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