【薬剤師から骨粗鬆症の方へ】骨粗しょう症の方の健康な骨を作る食事をまとめました。

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年齢が上がるにつれて、自分の周りに骨折した人が多くなったと感じたり、ご自身の骨密度が低いと言われたという方が増えているのではないでしょうか?

昔は周りにいる同年代の人で骨折をしている人なんてほとんどいなかったと思います。骨折のリスクは年齢が上がるにつれて高くなっていきます。

一番の原因は骨密度が下がっていくことによる骨粗しょう症です。

今回は骨粗しょう症を予防したい方、食事で骨を元気にしたい方の為の記事を書いてみようと思います。

骨はたくさんありどれも体を支える重要なもの。栄養が不足すると細く脆くなる。

もくじ

なぜ骨は加齢と共に弱くなっていくのか。

骨密度という言葉はきいたことがあるでしょうか?

骨の中に含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分がどのくらい詰まっているのかを示す数値です。

骨は体の中で絶えず作ることと壊すことを繰り返しています。作ることを骨形成、壊すことを骨吸収と言います。

この二つのバランスが崩れて骨吸収の働きが骨形成の働きを上回ると骨密度は下がっていきます。

骨密度は20代でピークを迎えてその後徐々に下がっていきます。特に女性は閉経を迎える50代から急激に骨密度が減少していきます。

女性ホルモンには骨を壊す動き(骨吸収)を抑える作用があります。閉経すると女性ホルモンの量が減るので骨密度は下がりやすくなるのです。

女性の方は特に早い段階から骨密度を低下させないために食事などに気を使っていく事をおすすめします。

カルシウムを摂るだけでは骨は強くなりづらい?

骨に良いものと言えば、大体の方がカルシウムと答えると思います。

骨の構成成分の約7割はカルシウムなので、カルシウムは骨にとって重要な栄養であることは間違いありません。

では骨を強くするためにはカルシウムを摂れば大丈夫かというと実はそうではありません。

カルシウムの吸収はとても悪いので摂取した分がすべて骨になるわけではないのです。

骨を丈夫にする為には、カルシウムを摂ることはもちろん大事ですが、カルシウムの吸収を助けてくれるものを摂取したり、カルシウムの吸収を悪くするものを摂らないようにしたりすることも重要になってきます。

その他にも骨を作る成分になるものも摂ると骨は健康になっていきます。

骨密度を上げるために大切な栄養。

カルシウム

カルシウムは骨を作る為の材料になります。

またカルシウムの摂取が不足すると骨から血中にカルシウムが溶け出してしまいます。

乳製品はカルシウムを含む食品の中で吸収率が高いですが、たくさん摂取するとおなかの調子を悪くすることがあるので注意が必要です。

牛乳やヨーグルトやチーズに多く含まれています。

その他にはイワシや豆腐、野菜だと小松菜などにもカルシウムは多く含まれています。

マグネシウム

マグネシウムも骨を作る成分のひとつです。

長期的に不足すると骨粗しょう症になる確率が上がるといわれています。玄米やアーモンドなどに多く含まれています。

ビタミンD

ビタミンDは体に入ったカルシウムの吸収を助ける働きがあります。

吸収が悪いカルシウムを骨に効率的に届けてくれるビタミンです。

しいたけ、いわし、さんま、鮭などに多く含まれています。

食事以外にも適度な日光浴をすることで体内のビタミンDを増やすことができます。

ビタミンK

ビタミンKはカルシウムが骨になるのを助ける働きがあります。

その他にもカルシウムが尿と一緒に体の外にでていくのを抑えてくれる働きがあります。

納豆や緑黄色野菜に多く含まれています。

タンパク質

骨にはコラーゲンというものが含まれていて、これはたんぱく質の一種です。

なのでたんぱく質も骨を作る為に必要な栄養素になります。

タンパク質は卵、大豆製品、肉、魚などいろいろなものから良質なたんぱく質を摂取することが大切です。

イソフラボン

イソフラボンとは、大豆製品に含まれる栄養素です。

なぜ骨密度を上げる働きがあるかというと、女性ホルモンと似た構造をもっていて効果は女性ホルモンより弱いけれども、骨吸収を抑える作用があると確認されています。

豆腐やなっとうなどにも含まれるので積極的に食べるようにしてみてください。

骨密度を下げてしまう食材

加工食品、インスタント食品、スナック菓子

加工食品、インスタント食品、スナック菓子などには保存料が入っています。

保存料にはリン酸塩が含まれていることが多いです。

体内にリンが入るとカルシウムとくっついてしまい、吸収されにくくなって骨まで届きにくくなってしまいます。

塩分の多い食材

塩分が多い食材を摂ると、せっかく体に入ったカルシウムを尿と一緒に外に出してしまうので吸収を邪魔してしまいます。

アルコールやコーヒーの多飲

アルコールやコーヒーには尿を出しやすくする作用があります。

カルシウムは尿と一緒に体の外に出て行ってしまうので飲みすぎには注意が必要です。

まとめ

骨粗しょう症は、予防をすることがとても重要です。

骨に良い食事を心がけることは、バランスの良い食事をとるという事になります。

カルシウムは乳製品からとることが一番効率の良い方法なので、おすすめです。

そして、カルシウムがしっかり骨に届くようにするために、ビタミンD、ビタミンK、たんぱく質、イソフラボンなどをバランスよく摂取することで骨粗しょう症を予防する為の食事を選ぶことができます。

骨密度が下がってからの骨折は治りも悪くなるのでとても辛いです。

骨密度を測ったことがない人は自分の年齢よりもはるかに骨が弱っていて驚く方も多いので、バランスのとれた食事をとれていない方が多いということだと思います。

意識してみると食事の内容に気を付けることができるかもしれません。

もう骨粗しょう症の治療をしている方は、骨折のリスクを減らすために食事にはより気を付けるべきです。

ちょっと転んだだけで骨折することもありますので食事で強い骨を作ることを目指しましょう。

骨密度が低いといわれた方は骨折をしないためにもまずは骨に良い食事から始めてみてはいかがでしょうか?



カテゴリー:薬剤師【骨粗しょう症】, 骨粗しょう症

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