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尿酸値は内臓脂肪の量に比例して上がっていくといわれているので、高尿酸血症の方は肥満傾向の方が多いです。
生活習慣病といわれる糖尿病や高血圧を合併している方も多くいらっしゃると思います。
高尿酸血症も他の生活習慣病と同じように、食事療法、運動療法が推奨されています。

「尿酸値が高いといわれた」「他の生活習慣病の事も気になる」「尿酸値が高い人は運動をすると痛風になると聞いた」このような方に向けてどのような運動を行う事が必要なのか書いてみようと思います。
もくじ
目次
・最初から運動を頑張ってみたり、食事を我慢するのは危険。
・運動療法は継続することが大切。
・有酸素運動の無理のない取り入れ方
・最初から運動を頑張ってみたり、食事を我慢するのは危険。
健康診断で尿酸値、血糖値、血圧などが高いと指摘されると、きっと最初は食事に気を付けてプリン体を含むものを減らしてみたり、カロリー制限をしてみたり、飲酒制限をしたりして節制して、ランニングシューズを買って一時間ジョギングをするなどしてみたことがあるのではないでしょうか?
健康意識を持つことはとても良いことですが、一気に改善を目指すことはあまりお勧めしません。
なぜなら、こういった方は数値を下げるという事に必死になってしまって無理をしてしまったり、食事を我慢した反動で食べ過ぎたり飲みすぎたりしてしまうことがあるからです。
また、尿酸値が高い状態でもあまり体には異常がないから大丈夫と誤解してしまうことがあります。
尿酸値は高い状態が続くと痛風発作の危険が上がります。取り返しのつかない腎障害が起こることもあります。
数値を改善する上で大事なことは、尿酸値が高いと良くないことを自分で理解して自発的に食事療法や運動療法を行っていくことです。

・運動療法は継続することが大切。
尿酸値を下げる為に運動をすることは大切ですが、やり方を間違えると痛風発作を起こすことがあります。
痛風発作を起こす危険がある運動は、過度な運動や無酸素運動です。理由は体の中でエネルギーを作る為に代謝が上がってプリン体を作り出してしまいます。
結果血中の尿酸値を上げてしまい痛風発作を発症する引き金になることがあります。
尿酸値が高い方は無酸素運動を避けたほうが良いです。最初から張り切ってジョギングをして膝を痛めてしまったり、急に筋トレをして腰を痛めたりしては運動をする意味がなくなってしまいます。
まずは自分が辛いと感じないくらいの運動から始めることが重要です。
運動の量はかかりつけの医師と相談してから決めてもよいと思います。
有酸素運動の際に使われるエネルギーは主に体脂肪から使われます。
適度な有酸素運動では尿酸値の急な上昇は起こりにくいです。
また、体脂肪がエネルギーとして消費されて減れば、尿酸値も比例して下がっていきます。
有酸素運動は、激しい筋肉痛になるほど行う必要はないです。
自分に合った運動を週に2、3回、一日のうち合計で20分以上を目安に行えば尿酸値を下げる為には十分といわれています。
運動を継続するために大切なことは、無理なく継続できること、経済的負担が少ないこと、そして天候に左右されないことです。
そのような場合、「今日は予定があるので、運動をするのは明日にしよう」と予定を変えることもできます。
雨が降ったら外に出てウォーキングをしなくても、空いた時間に家の中で行う事ができる体操や簡単な有酸素運動で必要な運動量をこなすこともできます。
継続は力なりと言う言葉がありますが、無理に頑張らなくても適度に頑張れば大丈夫と思えば運動を継続することも辛くなくなるのではないでしょうか?
・おすすめの有酸素運動の取り入れ方

有酸素運動は長い時間行わないと脂肪が燃焼されないと思われがちですが、運動した分の脂肪はしっかり消費されます。
最近では一日のうちにこまめに運動を行っても、体脂肪はしっかり減るという風に言われています。
一度に時間がとれない方は分割してこまめに有酸素運動を行う事がおすすめです。
日常生活の中に取り入れられる運動が多いので実践してみてください。
・朝と夜に分割してのウォーキング
ウォーキングは一番取り組みやすい有酸素運動だと思います。
仕事に向かう際電車やバスを使う方は一つ前で降りて歩いてみるなどしてみてはいかかですか?
朝は時間がないので少しだけ歩いて夜は時間があるから長めに歩くようにしても良いですね。
歩くときにはただダラダラあるくのではなく、足の動き、手の振り、姿勢など全身を動かしているという意識をもって行う事でより効果的な運動になります。
・家の中でできる有酸素運動
家の中でできる有酸素運動は雨が降っているときでも行えますし、ジムに通わなくても家でできるなら続けるのも面倒ではないと思います。
具体的には、階段や踏み台を使って上り下りを繰り返す運動や、太ももを交互に高く上げるもも上げ運動などがあります。
これらの運動はテレビを見ながら行ったりできるので、運動を習慣にしたい方や外を歩いたり走ったりすることが苦手な方におすすめです。
その他にもラジオ体操も有酸素運動になるので、家の中で行う事ができます。
有酸素運動を行う事で血行が改善されて、足の冷えの改善にもつながります。
痛風が起きやすい足の付け根は冷えていると炎症の原因になる物質が溜まりやすくなります。
有酸素運動による冷えの改善は痛風発作の予防にもなっています。
まとめ

高尿酸血症は食事と運動に気を付けることが大切です。
一度数値を頑張って下げたとしても、長年持続して尿酸値が高かった方は原因になる物質が関節などに蓄積しており痛風発作を再発する可能性が高いです。
なので長い間不摂生を行っていると痛風発作を起こしやすい体になってしまうといえます。
尿酸値は適切にコントロールできていれば痛風発作を起こす可能性が低くなるので、自分で長い間尿酸値が高いままという自覚がある方は特に運動を継続して行くことが大切です。
今回は運動の重要性について書きましたが、食事療法と薬物療法も大切です。
つらい症状を繰り返したくない、健康のために運動は必要だと思う、そうゆう方はぜひ実践してみてください。
カテゴリー:薬剤師【高尿酸血症】, 高尿酸血症
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