【薬剤師から透析の基本を教えます】〜透析の必要性と生活基準〜

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現在透析を受けている方が非常に多くなっています。透析という治療は昔からありましたが、認知され始めたのはここ数年前からと言っても過言ではないでしょう。

一般の方からすれば透析という言葉は何となく知ってる、しんどいことは分かるという方がいますが、どんなものかまでは知らない人ばかりかもしれません。

今回は透析治療について知らない方のために、どんな治療か、何故か透析を受けないといけないのかなどをお伝えさせて頂きます。

もくじ

◯透析とは?

透析とは簡単に言うと、血液中の毒素をろ過する機械と思ってください。通常おしっこで体の毒素は排出されるのですが、透析を受けている人は腎臓が機能していないため、体に毒素が残ってしまっている状態です。そのため定期的に透析を受けなければいけません。

・透析は1日何時間?

重症度、普段の生活習慣が改善されているかにもよりますが、透析時間は3~5時間となります。血圧の状態によって透析は左右されるため、体に負担をかけないように最初に何時間に設定されるか決まっているのです。比較的若い方や健康状態が改善されている方であれば3~4時間程度の方が多いのですが、年配者や生活習慣が改善されていない方は5時間かかる人もいます。

◯透析を受けないといけない人

そもそも透析は何故受けないといけないのか?透析を受けている人は腎不全です。腎臓が全く機能していないと病院で診断され、透析施設へと紹介されます。透析を受けている人は別名贅沢病という風に比喩されていますが、腎不全を含め透析を受けないといけない人についてご紹介しましょう。

・腎不全

腎臓が全く機能していない人を指しますが、暴飲暴食や塩辛いものなどを好み、生活習慣病が悪化すると腎不全になってしまいます。贅沢病と言われるのはそういう意味です。

・糖尿病

贅沢病の1つに当てはまるのが糖尿病です。透析を受けている人が全員糖尿病という訳ではなく、何名かが糖尿病のせいで腎不全になってしまったとうケースが相次いでいます。この場合は元々腎不全だったという訳ではないので、糖尿病が悪化してしまうと透析を受けなければいけません。

・遺伝

遺伝によって生まれつき腎臓が弱い人もおり、そういう方は透析を受けるように言われる人もいるのです。糖尿病などにはかかっていないため、持病は少ない方とも言えます。

◯透析を必要とする生活

透析は死ぬまで行わなければいけません。透析は体に負担がかかるため、透析後嘔吐したりふらふらになる方もいます。若い方であればそこまで酷くはないのですが、年配者になると透析後歩行困難になる人も少なくないです。透析は死ぬまで行わないといけないとは言いましたが、毎日ではありません。しかし定期的に受けないといけないため、生活に支障が出てしまうでしょう。

・透析は週に何回行わなければいけない?

透析は週に3回行わなければいけません。月・水・金という風に決められています。たまに患者の都合によって日にちが変更する場合もあるのですが、医師が判断すれば特に支障はありません。何があっても透析を受けなければいけないため、本当に雨が降っても槍が降っても行かないとだめと思ってください。透析施設から家が近所の方は良いのですが、送迎ありや電車などを利用される方は大変な思いをして透析を受けています。

・透析と旅行

透析の方は旅行にいけないのでは?と思うかもしれませんが、滞在場所に透析施設のある病院があれば旅行にも行けます。その場合病院側が滞在先の病院と連絡をして患者のデータを送る必要があります。滞在場所に透析施設があれば問題ありませんが、場所にもよるでしょう。

◯水分制限

透析を受けるにあたり、一番大変なのは水分制限です。透析というのは体重管理が厳重にされているため、気軽に水分を摂取することが出来ません。冬場はともかく夏場脱水症状を起こさないように注意する必要があります。

・透析の薬

透析を受けている人は色んな合併症を持っています。糖尿病や甲状腺機能亢進症、高血圧など色んな症状を持っているのです。どのくらいの量かと言いますと、大体10種類前後だと思ってください。基本的に薬というのは水で流し込む形ですが、透析を受けている方は水分量が制限されるため、口の中で溶けるOD錠の処方をされることが多いです。

・飲み物の種類

水分制限はありますが、時々の楽しみとして甘いドリンクをたまに飲むのは許されています。ただし医師に相談してからでないと甘いドリンクを飲めるかどうか判断がつかないので、透析患者誰もが飲めるという訳ではないです。普段から自己管理や節制出来ているのみ甘いドリンクやお酒を飲むことが出来ます。会社勤めしている透析患者もおり、付き合いでお酒を飲まないといけないこともあるため、そういう場合体重が普段よりも増えてしまうのです。

◯体重管理

透析で一番重要なのが体重です。何故体重の管理が必要なのかというと、透析をすると体重が1~3kg一気に落ちてしまうので、体調にも支障が出てしまいます。体重が一気に落ちる理由として、余分な水分を除去していると考えてください。多重管理は患者だけではなく、医療施設側も気を配っています。

・DW(ドライウェイト)

DWというのは透析後の基準体重であり、DWを目標に透析中に体重をおとしています。DWは毎月行われる心臓のレントゲンの結果を見て医師がDWを設定するのです。DWは心胸比、むくみや血圧などで判断されますが、患者の負担にならない体重であると考えてください。

・食事制限

透析患者は水分、食事制限が義務付けられます。何を食べても良いという訳ではなく、カリウムやカルシウムの多いものは控えなければいけません。本来カリウムやリンは健康に良いものではあるのですが、透析患者の場合は腎臓が機能していないため、不整脈や心臓が止まるケースもあります。

◯まとめ

透析の基本的な部分はお伝えさせていただきましたが、透析を受けている方にとっては苦痛でしかないとも言えます。

透析中に突然倒れてしまう人もおり、また先端恐怖症や血を見るのが苦手という方にとっては苦痛で仕方がないでしょう。

それでも透析を受けないと死んでしまうので、頑張って受けているのです。

2017年では透析を受けている人の数が32万人に増加しています。

本当に大変な治療なので、贅沢病さえ改善出来れば透析を受ける必要はありません。



カテゴリー:透析, 薬剤師【透析】

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