【薬剤師が教える】脂質が高い人へ:脂質異常症の運動療法について

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病院での検査や、会社の定期検診でコレステロール値が高い、中性脂肪が高いと指摘された経験のある方は多くいらっしゃると思います。生活習慣病の1つである脂質異常症の改善方法について、今回は「運動」をテーマとして挙げたいと思います。

【目次】

・脂質異常症は意外と気づきにくい

・改善させるためには?

・オススメの運動方法

・まとめ

脂質異常症は意外と気づきにくい

日本生活習慣病予防協会によると、2017年の調査では脂質異常症と診断され、治療を行なっている患者数は約220万人に及ぶと統計が出ています。3年に1度調査が行われ、今年2020年の調査ではさらに人数が増えていることが予想されます。

心当たりのある方は1度病院で検査を受けてみてはいかがでしょうか。

検査の項目としては「HDL-コレステロール」「LDL-コレステロール」「中性脂肪」に着目してみてください。HDL-コレステロールの横に「」もしくはLDL-コレステロール、中性脂肪の横に「H」の文字があれば脂質異常症と診断される可能性があります。

①HDL-コレステロール値:40mg/dL未満

②LDL-コレステロール値:140mg/dL以上

③中性脂肪値:150mg/dL以上

これらが診断基準なのですが、他の生活習慣病の患者数と比較してみると、高血圧(約1000万人)、糖尿病(約330万人)であり脂質異常症が1番患者数が少ないとされています。理由としては「自覚症状が少なく自分自身で気がつきにくい」ことが挙げられます。

高血圧に関しては何らかのタイミングで血圧を測定すれば数値として把握できますし、血圧が高いと頭痛・めまい・肩こりなどの自覚症状が伴います。糖尿病に関しても血糖値が高いと喉が乾きやすいなど特徴的な自覚症状があります。

ですが脂質異常症に関しては病院で血液検査をして医師に指摘されない限りは気づくことは難しいです。こういった症状による違いによって患者数にも差が出ているのではないかと思います。

どの症状にしても、生活習慣病を改善・予防することは心筋梗塞、脳梗塞などの重篤な疾患の発生リスクを低下させることができるので日頃から意識づけすることが重要になります。

改善させるためには?

脂質異常症を改善させるためには「血中の脂質、コレステロールを減少させる」ことです。「動脈硬化性疾患予防のための脂質異常症診療ガイドライン」によると体重の管理(減少)や運動、身体の活動量を上げることが強く推奨されています。

具体的には1日30分以上の有酸素運動(ウォーキング・スイミング・ジョギング・自転車こぎなど)です。可能であれば毎日継続することが重要ですが、難しいと言う方は週に3回以上を目指しましょう。時間も1回に30分連続で運動してもいいですし、10分ずつの運動を3回行なっても問題ありません。重要なことは運動を習慣化させ継続させることです。

オススメの運動方法について

1日30分の運動が脂質異常症の予防に大きな効果があることは説明しました。では実際にどのような運動をどのくらいやれば効果的なのでしょうか。

①ウォーキング

有酸素運動の代表的な方法の1つです。走るのが苦手な方や水泳が不得意な方、自転車に乗れない方でも誰でも手軽に行えるウォーキングはガイドラインでも強く推奨されています。体に負荷がかかりにくく、脂肪をエネルギー源として使用するためダイエットにも有効です。家から1駅分歩くなど、日常生活の中で最も取り入れやすい方法です。心拍数が100〜120くらいになるように調節して30分以上行うと効果的です。

天気が悪く外へ行けない場合は踏み台や階段を利用したステップ運動の繰り返しでも同様な効果が得られます。ぜひ参考にしてみてください。

②スイミング

ウォーキングよりも大きなエネルギーを使うのがスイミングです。水中での運動が適度に筋肉に負荷をかけより多くのカロリーを消費することができます。泳ぐのが苦手な方は水中でのウォーキングでも十分な効果を得ることができるのでオススメです。

③ジョギング

上の2つ同様、LDL-コレステロール、中性脂肪の低下、HDL-コレステロールの上昇に効果があることがわかっているジョギングも有酸素運動としては代表的な方法の1つです。ただしウォーキングに比べ心肺機能や関節に負荷がかかるため、自身にとって無理なく取り組める方法を選択することが重要です。

まとめ

脂質異常症を改善するための運動にはウォーキングやスイミングなどの「有酸素運動」が効果的であり、30分以上の時間をかけて行う必要がありますが、それぞれ年齢や体力、運動できる時間には差があるのでまずは自分のライフスタイルに合わせた運動法を見つけましょう。

健康のために無理をして健康を害してしまうのは本末転倒です。前提として無理なく継続できるレベルでの運動を意識してください。今回の内容が皆さんの健康維持の足がかりとなれば幸いです。



カテゴリー:薬剤師【高脂質血症】, 高脂質血症

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