【栄養士が監修】食が細い方へ:胃下垂が考えられるかも?

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<はじめに>

胃下垂は、現在日本人の約30%に見られると言われています。

胃下垂と聞くと「食べても太らない、痩せている!」というイメージが強く、ダイエットをしている人達にとって羨ましい体質だと思われがちです。しかし胃下垂の人は、胃腸の機能が低下し、便秘・下痢・低栄養など、私たちの健康を脅かすことになりかねません。生まれながらの体質ではなく、これまでの生活習慣が影響して起こると言われています。そのため、普段の生活習慣や食生活を見直していけば改善されると言われています。

<胃下垂とは!?>

胃下垂は、脂肪や筋肉量が少なくて内臓が支えきれず、重力に負けて胃が正常よりも下がった状態のことを言います。

胃の蠕動運動(食べた内容物を腸に移行させる臓器運動)は健康の人に比べて1/3に低下しているため、消化不良や胃もたれ、食後のむかつき、食欲不振、体重減少などの消化器症状が起こりやすくなります。さらに、肩こりや頭痛、めまい、肌荒れなど、多くの症状を併発することがあります。

<胃下垂の原因>

・食生活の乱れと栄養不足

暴飲暴食を繰り返す、脂っこい食事や刺激物を好んで食べる、早食い、食事時間が不規則など、胃に負担をかける食生活は「胃下垂」を引き起こしてしまいます。さらに、このような食事は、身体を構成しているたんぱく質やビタミン・ミネラルが不足してしまうため、栄養不足が生じ、胃の機能を低下させてしまいます。

・猫背や筋肉不足

猫背の姿勢を続けていると、骨格の歪みや開き、さらに腹筋の低下が生じて、内臓を支えることができなくなります。特に、お腹のインナーマッスルが不足すると、胃や内臓を保持することが出来なくなるので、内臓が下に下がってしまいます。

<胃下垂の治療方法>

食事療法

・頻回食にする

栄養を摂ろうと思って一回に食べるようを多くしてしまうと、消しきれず、胃もたれや、食後のむかつきの原因になりかねません。そのため、食事は栄養価の高い物を数回(5~6回)に分けて食べることをオススメします。

例えば、朝食+おやつ+昼食+おやつ+夕食+おやつ

というように、食事と食事との間におやつを取り入れてみて下さい。

おやつと言っても、ここでのおやつは「お菓子」ではありません。身体の栄養源となる「たんぱく質・ビタミン・ミネラル」が多い食品を取り入れましょう。

☆良い間食☆

ヨーグルト、チーズ、おにぎり、果物、ゆで卵、

☆悪い間食☆

スナック菓子、まんじゅう、ケーキ、クッキー、菓子パン、惣菜パン、かりんとう等・・・

・よく噛んで食べる

よく噛んで食べることにより、唾液が多く分泌され、お口の中で食べ物がある程度消化されます。そのため、胃腸にかかる負担が少なく済みます。1口たべたら20回以上は噛むように心がけてみて下さい。簡単そうに見えますが、早食い癖がある人は、しっかり意識をして食べないと意外と難しいと思います。これをきに、毎食の食事をしっかり噛みしめ、味わって食べる習慣を身につけましょう。

・たんぱく質中心の食事に!

身体の構成は(紙・爪・皮膚・内臓、筋肉など)全てたんぱく質から出来ています。胃下垂に効くトレーニングをしていても、栄養がしっかり摂れていなければ筋肉や内臓が作れません。毎食、たんぱく質を多く含む肉・魚・大豆製品・卵など偏り無く取り入れてみてください。たんぱく質を多く摂れない方は、プロテインを取り入れてみるのも良いでしょう。現在、プロテインと言っても沢山の種類が店頭に並んでいます。味や溶け具合も様々なのでご自分好みのプロテインを探してみてください。

運動療法

・下腹部を鍛える

腹部を鍛えることにより、下に下がった胃を持ち上げて元の位置に戻してくれます。特に腹筋の発達を促す運動(水泳・腹筋など)が効果的だと考えられます。

腹式呼吸を意識的に行うのも、お腹の筋力アップに繋がります。方法は、鼻から大きく吸って(20秒間)口からゆっくり吐く(20秒間)。吐くときはお腹の空気を全て吐き切りましょう。たったこれだけで、腹筋が鍛えられるンなんて簡単ですよね。寝る前や隙間時間に行うことができます。

・姿勢を良くする

歩くとき、座るときにお腹に力を入れて良い姿勢を心がけるようにしましょう。背筋を伸ばすことにより、自然と姿勢も良くなりますし、上半身全体に筋力もつきますので一石二鳥です。

<胃下垂が改善した症例>

S様は、長年、食後の腹部膨満感、胃痛、下っ腹出るなどの症状に悩んでいました。それだけではなく、偏頭痛や肩こりもありました。内科に受診し精密検査を受けたとこと「胃下垂」と診断され特に治療方法を説明されたわけでもなく、胃の症状を緩和する漢方を処方されるのみでした。漢方を飲んで数ヶ月が経っても症状は緩和されず、あいかわらず食後にぽっこりしたお腹をさする仕草をよく見かけていました。

西洋医学では、胃下垂は重度な病気と診断されにくく、病名を付けて終わりになってしまうケースが多いのです。S様の場合も、とくにこれと言った対処療法はされてこなかったと思います。

そこでアドバイスとして、

・毎日の食事を頻回食にすること

・プロテインを活用すること

・ゆっくり食べること

・腹式呼吸を1日数回取り入れること

以上4点をアドバイスしました。

すると、数年はかかりましたが、徐々に胃下垂は改善され3年後には肩こりや頭痛はもちろん、下っ腹のぽっこりや胃痛などのほとんど無いと言うことでした。

数年と聞くと、遠い道のりと思われがちですが、薬を使わない体質改善は通常1年以上はかかります。S様も、地道に努力の甲斐あっての胃下垂改善だったので、とても喜ばしい報告だったのを今でも覚えています。



カテゴリー:胃腸関係, 栄養士【胃腸】

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