薬剤師仲間が教える【熱中症・脱水症状】暑い夏を乗る切れるよう運動時に気をつけるべきこと

この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。

夏場にさしかかり、日差しも強く気温も上昇がみられるようになってきました。健康を維持するためには「食事」「睡眠」に加えて「運動」も重要なテーマとなってきます。しかし、この時期の運動には注意が必要です。涼しい時期に比べると体内から水分が失われるスピードが早く、気づかずに放っておくと脱水症状に陥り、「熱中症」を引き起こす可能性がありますので十分な対策をとることが重要です。今回は夏場の運動時に注意すべき点について説明したいと思います。

【目次】

・夏場の運動時の注意点

・まとめ

もくじ

夏場の運動時の注意点

1、その日の気温など環境について把握しておく

同じ運動量でも気温が高く日が照っている場合と、雨が降ったり涼しい場合ではエネルギーの消費量や疲労感も異なります。その分水分の失わ方にも差があるため運動前には運動する環境について把握しておくことが重要になります。

月別に見ると7月下旬から8月上旬にかけてが熱中症の発症数が多いというデータがあり、夏場に差し掛かるタイミングで注意が必要であることは明らかですが、発症している気温に関しては幅があります。20℃前半の気温としてはそれほど高くない日でも発症してしまうことの背景には「湿度」が関係しています。湿度が高ければ気温がそれほど高くなくても、例え室内での運動でも熱中症を発症してしまうリスクは高くなってしまいます。

2、適度な水分の摂取

熱中症は体温が上がることによって体内の水分やミネラル分が失われ、体温の調節が難しくなりめまいや痙攣、吐き気、頭痛、意識が朦朧とするなどの症状が現れてくることを言います。人間の体温調節機能に重要なのがナトリウムやカリウムなどのミネラルと呼ばれる栄養素であり、運動時には汗とともに体外へ出て行きます。失われた水分や栄養素を補ってあげることが運動時には何よりも重要なのです。

気温などにもよりますが、運動する際は汗もかき水分が体内から失われていくために、こまめな水分補給が不可欠です。目安としては30分〜1時間に少なくとも1度は水分補給をするタイミングを設けましょう運動前と運動後において、体重の減少がほとんどない状態が理想的な水分補給状況と言われています。かいた汗と同程度の量の水分補給をするイメージを持っておいてください。

摂取する水分の種類については水やお茶でもいいですが運動時はミネラルや糖分を失っているため、スポーツドリンクの方が効率よく不足した栄養分を補うことができます。また、水分の温度によっても吸収するまでの時間の差が生まれてきます。体内で1番早く吸収できる温度は5℃〜15℃と言われていますので、日光が当たってぬるくなってしまったドリンクでも、キンキンに凍らせたドリンクでもなく、氷が入ってヒンヤリしているくらいのものを選ぶと効率がいいので是非参考にしてみてください。

3、運動時の服装にも注意する

運動する際の服用は通気性がよく、吸収性がいいもの、また乾燥しやすいナイロンやポリエステル素材のウェアを着ることがオススメです。また色にも注意しましょう。黒やネイビーなど色の暗いものは光を吸収しやすいため熱をためやすくなります。白や淡い色のウェアを選ぶようにしてください。帽子に関しても同様の素材、色を意識して選びましょう。頭部への直射日光を避けるため、帽子は極力かぶりましょう。

ウェアを着る際に1枚で着る方も多いと思います。実は1枚で着るよりも中にインナーを1枚着た方が汗を吸収してくれて体温を下げてくれる働きがあります。運動する際は服装にも意識しましょう。

4、体調の管理

当たり前のことではありますが、運動時の自分の体調も確認する必要があります。睡眠不足であったり、風邪気味な状態だと熱中症のリスクも必然的に高まってしまうため、しっかりと睡眠をとりバランスのとれた食事をとることで丈夫な体を作る必要があります。

また何らかの疾患を持っていて、日常的に薬を服用している方の中で、利尿作用のある薬を飲んでいたりや糖尿病の治療を行なっている方では一部水分を失いやすくなる傾向があります。気になる方はかかりつけの医師や薬局に自分の薬について確認しておきましょう。

自身の体調面について把握はしておき、体調が優れないと感じた場合は無理な運動は避けるようにしましょう。

まとめ

これからの時期必ず問題となってくるであろう熱中症について、運動時の注意点について説明しました。今の時期は気温が上がっているものの、真夏日ではないためエアコンをつけるのを躊躇ってしまったり節電を意識する方もいるかもしれません。しかしそういった少しの我慢が熱中症のリスクを高めてしまうことも知っておきましょう。「温度」と「湿度」が高くならないよう策をとり、日常的に予防の意識をもってください。

さらに今年の夏はマスクとも付き合っていかなければなりません。人の少ないところで外して新鮮な空気を取り込むなど工夫が必要ですが、そんな状況を少しでも楽にするツール(マスクの内側に爽快感を出す等)も発売されていますのでみなさんで助け合い、一緒に乗り越えて行きましょう。



カテゴリー:その他・予防法, 熱中症, 薬剤師【熱中症】, 薬剤師【予防】

タグ:,

0 0 votes
Article Rating

コメントをして情報共有しませんか?

0 Comments
Inline Feedbacks
View all comments
0
Would love your thoughts, please comment.x
()
x
%d人のブロガーが「いいね」をつけました。