「看護師から、一般の方に伝えたい家庭でできる看護学」

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【看護学とは】

「看護学」とはいったいどういうものか皆様はご存じでしょうか。

今回はこの「看護学」についてお話してみたいと思います。

」という字の語源は、手をかざして見ることから〈よくみる〉〈いつくしみみる〉〈世話をする〉ことを意味します。

」は〈まもる〉を意味することから〈看護〉とは〈いつくしみの心をもって見守ること〉という意味になります。

看護とは,人が生まれ,その生を閉じるまでに経験されるすべての健康現象において,個人および家族地域社会に関与することによって,個人の生命力ないし生活力を十分に発揮できるように援助することを意図した働きとのことです。

*ブリタニカ国際大百科事典 第二版「看護」より引用

また看護学とは「人をケアする」ことの全てについて、「科学的に」研究する学問のことをいいます。英語ではnursing scienceと言い、看護学を自然科学の一分野であると考え看護科学と称されることもあります。

*看護・保健学・学問・大学情報・Benesse マナビジョン参考

さらにその専門学を究めた人を「看護師」と呼びます。クリミア戦争時に敵味方関係なく兵士のケアにあたり、当時の医療と看護を科学的に考ええ革命を起こしたフローレンス・ナイチンゲールはあまりにも有名ですね。看護学を学ぶ上で基本となるのはやはり「ナイチンゲール 看護覚え書き」でしょう。

【看護学で一般の方に役立つこと】

『看護覚え書』の中でナイチンゲールは「看護とは、新鮮な空気・陽光・暖かさ・清潔さ・静かさなどの環境を適切に整え、これらを生かして用いること。また食事内容を適切に選択し適切に与えること。こういったことのすべてを、患者の生命力の消耗を最小にするように整えること」と唱っています。読み返してみると、シンプルな事ですが健康的な生活を送るための、まさに基本ですね。自身や周りの人々の環境を整えることで、疾病から遠ざかることができます。

また「看護学」を学ぶことで「科学的に症状を見る」ことができるようになります。「お腹が痛い」「頭が痛い」といった症状があった場合、症状に対する対症療法を行うだけではなく、“どうして痛いのか”を科学的な観点から見ることが出来るようになります。

医療機関を受診する際も、医師や看護師に情報がうまく伝えられるようになります。

結果、医師も知りたい情報をスムーズに聞き取ることができ、診断の手助けにつながります。

【一般の方に役立った具体的なエピソード】

ある時私の友人がメッセージを送ってきました。

「なんだか知らないけど下痢しちゃって・・どうしたらいい?」

電話をして聞いてみると、昨夜から2時間おきに水の様な下痢をしているとのことでした。

彼女は一人暮らしで世話をしてくれる人もなく、私は彼女の家を訪ねました。

下痢をしているとのことだったので、途中で経口補水液を購入しました。

家に着くと彼女は頻回な下痢のためか、ぐったりとした様子で、強い腹痛が起きる度に体をくの字に曲げて痛みに耐えていました。体温を測ると38度近くありました。吐き気はあるものの少量の水分は取れる状態だったので、経口補水液を少しずつ飲むようにすすめました。よく話を聞いてみると、2日前に同僚の送別会があり10人ほどで飲み会をしたとのことでした。一次会でコース料理とビールと焼酎を飲み、盛り上がったのでそのまま二次会の焼き鳥屋にハシゴしたそうです。焼き鳥屋ではおすすめの「鳥刺し」を食べたとのことです。なんとなく嫌な予感がしたので、その時一緒に食事をした同僚たちに様子を聞いてみてもらったところ、参加者8人中6人が同じ症状であることを知りました。感染症も考えられたため、彼女を内科のクリニックに受診するよう促しました。歩くのもやっとだったため、体を支えて一緒に歩きました。診察をした医師の話だと、やはり鳥刺しが原因ではないかとのことでした。鶏肉に多いとされるカンピロバクター菌の感染の疑いです。診察がすむと脱水予防のための点滴と便の検査が行われました。その日は彼女の家に泊まり、看病することにしました。

まずは部屋の換気と軽い掃除を行い、環境を整えました。布団や掛け物も体温に合わせ、すぐに調整できるよう工夫をしました。清潔で快適な環境は病気療養に大切なことです。

彼女は普段からとても活発な方で、自分がカンピロバクター菌などという菌に感染したことがとてもショックな様子でした。こんなに弱気な彼女を見るのは初めてでした。私は「きっと良くなるから大丈夫」と声をかけ、彼女に寄り添いました。

3日間辛い状態が続きましたが、彼女は1週間ほどで回復し仕事にも復帰しました。

病気を患ったり怪我をしたりした時、人は弱気になります。どんなに平気そうに見えても心の中は不安でいっぱいです。ちゃんと治るのだろうか、後遺症は残らないのだろうか、薬を飲み続けなければならないのだろうか・・不安や心配はどんどん大きくなっていきます。

病気を直接治療するわけではないけれど、病気を治そうとする力を最大限に引き出してあげることは看護を受ける人にとって大きな励みになります。気持ちに寄り添い気分を楽にし、医学的見地から療養環境を整えることで病気の回復に100%の力を注げるようにするにはどうしたらよいかを考える学問が「看護学」なのです。



カテゴリー:その他・予防法, 看護師【家庭でできる看護学】

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