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産後ママは赤ちゃんが最優先。
腰が痛くても仕方ないとあきらめがちです。
だけど、1年後仕事の仕事復帰や自分のボディメイクを考えたら、今の自分を大事にしてあげること、とても大切ですよ。
忙しい育児の合間に、ちょっとお時間拝借。
パパにもぜひ見てもらって下さい。
「出産したんだし、子育て大変だから腰くらい痛くなるよなぁ」と軽~く考えているパパさんもいるかも。
あなたがどんなにつらいのか、頑張っているのか、わかってもらいましょう!
もくじ
産後ママの腰痛事情【みんなガマンしちゃってる】

ある調査では、0歳児を抱えるママさんは4人に3人の割合で腰痛に悩まされているという結果が出たそうです。
その症状は、
- 痛くて起き上がれない
- 赤ちゃんを抱っこできない
- 仰向けに寝られない
などなど。程度はさまざまでも、24時間体制で育児をしているママにとって、腰痛は大変な問題です。
しかし、育児が最優先されて自分の治療は後回しになってしまっているようです。
産後腰痛の原因
妊娠から出産・育児のそれぞれのターンで、ママの体に起こる変化と生活動作が腰痛を引き起こす原因となります。
ママの体の変化~関節・筋肉への大きなダメージ~

妊娠中から出産後まで、ママの体は大きな変化と負担に翻弄されます。
妊娠中
- お腹が大きくなっていく過程の腹筋へのダメージ「腹直筋解離」
- お腹の重さによる「骨盤底筋ダメージ」
- お腹が大きく出てくることによる「そり腰」
- 骨盤周囲の靭帯をゆるめるホルモン「リラキシン」
出産時
- 分娩に伴う仙腸関節や恥骨結合、靭帯、骨盤の開き
- 帝王切開でもリラキシンの影響&開腹による腹筋へのダメージ
出産後
- 抱っこの反り腰や授乳時のそり腰・猫背姿勢
- 腹筋が弱っているところに腰に負担がかかる育児の姿勢・作業
- 慣れない育児へのストレス、睡眠不足、不規則な生活
ダメージについての解説
《腹直筋解離》

妊娠中、お腹が大きくなるために、腹直筋(いわゆるシックスパックを作る筋肉)の繊維は中央から左右に開いていきます。
出産後、子宮が収縮していくにつれて腹直筋も戻っていきますが、産後1年経っても戻らないケースがあります。
チェック方法1.おへそが横長のまま戻らない
チェック方法2.膝を立てて仰向けに寝る→おへそをのぞくように頭を上げる→腹筋を指先で触る⇒ずぼっと指が入る・2㎝以上腹筋が離れている
このような場合は腹直筋が解離している可能性がありますので、腹筋トレーニング(後述)を行いましょう。
《骨盤底筋のダメージ》

骨盤底筋は骨盤の下からハンモックのように子宮や膀胱・膓などの臓器を支えています。
赤ちゃんの成長や出産時の産道の広がりによって、どうしてもダメージを受けてしまう場所でもあります。
プレママ教室などでもお話があったかも知れませんが、放置すると腰痛のみならず、尿漏れや子宮脱へ進行することもありますので、こちらも筋トレを行いましょう。
《そり腰》
約3㎏に成長する赤ちゃんを妊娠中、10カ月にわたってママの体は重りを持っているのと同じ状況にあります。
重いお腹のせいで重心が前に移動し、自然とそり腰でバランスをとることが腰椎に負担をかけ、腰痛の原因になります。
出産後はただでさえ腹筋が弱っているので、赤ちゃんを抱っこする時も同様にそり腰になりがちです。
《ホルモンが呼び込む腰痛》
赤ちゃんを子宮の中で育てるスペースを作るために、骨盤や子宮まわりを緩める必要があります。
そこでリラキシンというホルモンが分泌され、子宮まわりの靭帯をゆるめる働きをします。
これが骨盤の安定性を失わせ、腰痛の原因になることがあります。
《ストレス&赤ちゃん最優先の暮らし》

2時間おきの授乳や夜泣き。
24時間365日の育児が年単位で続きます。
出産でボロボロの体なのに、自分の事は後回し。
寝られないし社会から隔絶されたような焦りと孤独感。
ママのストレスは常に高止まりですね。
ストレスを強く受けた時、人は体にもサインを出します。
サインの出方はそれぞれですが、腰痛として現れることも決して稀ではありません。
パパはじめ、周りの人にこそわかってほしい…
産後腰痛のケア【ストレッチや筋トレ方法と開始時期】
【安静時期】
お医者さんからも出産後2週間は安静にしているよう指示があると思います。
仰向けで安静を奨励されることが多いようですが、腰痛があると仰向けがキツイことも。
腰や膝の下にクッションを入れて骨盤周りの筋肉をゆるめると痛みが緩和します。
横向きの場合は膝の間にクッションを。
【産後2~8週】腹筋や骨盤底筋の軽いトレーニング
ママの子宮や産道が出産前の状態に戻るには6~8週かかると言われています。
その後も1年間は体力や筋力の回復期間と考えた方が良さそうです。
この時期は普段の生活で姿勢良く動くことを意識するだけでかなりのトレーニングになります。
授乳やおむつ交換はあぐらをかいて、骨盤を起こし、その上に背中をまっすぐにする意識です。

やりながらは難しい人は、赤ちゃん無しで一度姿勢をとってみて自分の体や筋肉の使い方をイメージして下さい。
腹筋のトレーニングは、仰向けや座った状態で、深く息を吸ったときにお腹を膨らまし、吐くときに凹ますドローイングから始めましょう。
【産後3か月】筋肉を目覚めさせ、カラダを作り直すメソッド
この時期は腰痛改善に最も必要な骨盤周りの筋力アップ、1年後に職場復帰や理想の体型になっている自分の為に体作りを始めましょう。
腹筋を中心とした体幹筋、骨盤底筋を鍛える時期です。

骨盤底筋トレーニングはブリッジを。仰向けで膝を立て、お尻を持ち上げます。この時肛門や膣を締めることを意識して。5秒キープして戻します。この締める感覚がつかめたら、椅子に座った状態や立っているときなど、いろいろな姿勢で行って下さい。

体幹トレーニングはハンドニーを。四つ這いで背中をまっすぐに保ったまま、手足を一直線上に伸ばします。15秒キープから始めてください。
骨盤底筋のトレーニング効果が実感できるようになるには、数週間~3か月程度かかります。あきらめず続けてください。
【骨盤矯正】は産後1~6か月
こちらは諸説ありますので、必ずお医者さんと相談してから信頼できる治療院で施術を受けてください。

確かに妊娠・出産による仙腸関節や恥骨結合の緩みから骨盤の開きや歪みが出ることがありますが、サポーターを併用しながら筋トレをすることでゆるやかに回復を促していけます。
骨盤を整えるストレッチ
- 寝た状態で膝倒し
- 椅子に座って左右に体を倒す
【湿布】はお医者さんと相談
湿布の成分には赤ちゃんの血管を収縮させる作用があると言われているものもあり、お医者さんとの相談の上使用して下さい。
飲む痛み止めより湿布は局所的で皮膚からの吸収なので、成分の血中濃度は低いと言われていますが、授乳前には控えた方が良いという説もあります。
まとめ
産後腰痛は以下の特徴があります。
- 赤ちゃん優先のあまり、対応が後まわしになってしまいがち
- 放っておくと症状悪化や数年後の重症化を招く
- ダメージをうけた体のケアを適切な時期に行うことで、腰痛の悪化予防や改善とボディメイクが可能
- ママの辛い状態をパパや周りの人が理解することが大切
1年後の自分の為に…。
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