【細菌(ウイルス)学者が教える】ヘルペスウイルスとは?感染経路や症状について詳しく解説!

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ヘルペスウイルスをご存じでしょうか。

ヘルペスウイルスは他のウイルスに比べてそれほど脅威はありませんが、感染力が強く、一度感染してしまうとずっと体内に居続けるウイルスです。

今回は、そんなヘルペスウイルスについて詳しく解説します。

具体的には、

  • ヘルペスウイルスについて
  • ヘルペスウイルスの予防・治療法
  • ヘルペスウイルスのエピソード

について紹介します。

ぜひ、参考にしてくださいね。

ヘルペスウイルスについて

ヘルペスウイルスは、30歳で約50%の人が感染しているといわれている病原体です。

今回はヘルペスウイルスについて以下の項目で解説します。

  • ヘルペスウイルスの特徴
  • 感染経路
  • 症状

それぞれについて深堀りしていきます。

ヘルペスウイルスの特徴

ヘルペスウイルスとは2本鎖DNAを持つDNAウイルスで、カプシドがエンベロープに包まれた直径200nmほどの球状粒子の総称のことをいいます。

一度感染すると、症状が治まっても体内に居続けるのが特徴的です。

人に感染するヘルペスウイルスは8種類で、特に以下の6種類は大人になるまでに感染していると言われています。

  • 単純ヘルペス1型
  • 単純ヘルペス2型
  • 水痘・帯状疱疹ウイルス
  • エプスタイン・バーウイルス
  • サイトメガロンウイルス
  • ヒトヘルペスウイルス6
  • ヒトヘルペスウイルス7

このうち、「単純ヘルペスウイルス1型」「単純ヘルペスウイルス2型」「水痘・帯状疱疹(ほうしん)ウイルス」は、一度感染すると神経節という神経の集まるところに居続け、再発として水ぶくれを作ります。

感染経路

感染経路は、以下の二つです。

  • 水膨れのある人から接触感染
  • ウイルスのついた物を介した感染

通常は、ウイルスが皮膚についただけでは、皮膚の免疫機能により感染しませんが、皮膚に傷や湿疹など、皮膚のバリア機能が弱まっている場合に感染しやすくなります。

また、ヘルペスウイルスは熱に弱いことから、お風呂での感染はしませんが、タオルを使いまわしていると感染してしまう可能性があります。

ヘルペスウイルスの症状が出ているときは触れないことが大切で、触れると体の別の場所に移していまう可能性があります。

傷や粘膜から感染しやすく、ヘルペスを含む唾液がコンタクトレンズを濡らし、角膜にヘルペスウイルスが感染してしまい、「角膜ヘルペス」といった病気になる場合もあります。

アトピー性の皮膚炎を患っているなどの肌が弱い人は、ヘルペスウイルスが移りやすく、症状がある場合は感染を広げないように注意が必要です。

新生児や抗がん剤などを使用して免疫力が弱い人にヘルペスウイルスが感染すると、脳炎などの合併症を引き起こすことがあります。

症状

症状は主に、「水膨れ」を引き起こします。

ヘルペスウイルスの種類によって異なりますが、皮膚、口、唇、目、性器に症状がでてきます。

初めは、違和感・かゆみ・ムズムズ感といった自覚症状があり、半日で赤くはれて、2~3日後には痛みを伴った水膨れができます。

帯状疱疹ウイルスの場合、帯状疱疹が出てきて、子供のときにかかると水ぼうそうとして発症します。

帯状疱疹は、痛みが出るのが特徴ですが、一度かかると再発することはほとんどなく、再発しても軽い症状ですみます。

ヘルペスウイルスの予防法・治療法

ヘルペスウイルスによる感染症は、一生体内に住み続けて再発を繰り返し、ヘルペスウイルスの種類、環境、免疫力の違いにより、無症状から癌にまで、様々な病態に関係します。

ですが、適切な予防・治療を行うことで予防・コントロールできる病気でもあります。

今回は、ヘルペスウイルスに感染しないような予防方法と、もし感染したときにの治療方法についてご紹介します。

予防方法

具体的な予防法は、日ごろから免疫を落とさないように体調管理を行うことが必要になります。

また、ヘルペスウイルス発症の患者と、ほおずり、キス、性行為など直接接触する行為を避けましょう。

タオルや食器は別々のを使い、しっかり洗剤で洗うことも重要になります。

ヘルペスウイルスの再発は、免疫力が下がっているときに起こりやすいので、普段から疲れやストレスをため込まないようにしましょう。

肌荒れや皮膚炎のある人は、普段からスキンケアを心がけることが大切です。

治療方法

治療方法は、ウイルスの増殖を抑える「抗ヘルペスウイルス薬」を使用します。

体内のウイルスを全て無くすことはできませんが、発症した場合、他の場所に感染しないように早めに治療しなければいけません。

「抗ヘルペスウイルス薬」は発症時期や症状によって、「飲み薬」、「塗り薬」、「点滴」と使い分けられます。

治療の中心は、飲み薬になります。ヘルペスウイルスの発症初期症状の違和感を感じたときに投与し、症状を和らげることができます。

塗り薬は、治りかけや、軽症のヘルペスウイルスに対して使用します。

塗り薬は、市販でも販売されていて、成分や効果は病院で処方されるものと変わりません。

点滴は、ヘルペスウイルスが全身に広がって、発熱や痛みが激しくて、すぐに抑えたいときに使用します。

うつ病にもヘルペスウイルスが関与している

うつ病の発症には、幼い頃に感染するヘルペスウイルスが関与している可能性があることが、東京慈恵会医科大学での研究で発表されました。

多くの人が子供の頃に感染する「ヒトヘルペスウイルス6」の一部が脳に感染すると、ウイルスの「SITH-1」という遺伝子が強く働いていることがわかりました。

マウスの脳で「SITH-1」を働かせたところ、マウスの行動が変化し、うつによく似た症状がみられることが確認されました。

うつ病患者と健康な人の血液を調べたところ、うつ病患者では79.8%がこの遺伝子が強く働いている反応があったのに対し、健康な人では24.4%でした。

このウイルスの遺伝子「SITH-1」が強く働くことが、うつ病発症に関係しているかもしれないことが示唆されて、うつ病発症のメカニズムの解明や治療薬の開発に繋がることが期待されています。

まとめ

今回は以上になります。

ヘルペスウイルスは、30歳までに50%のもの人が感染している感染症ですが、他のウイルスに比べて脅威はありません。

しかし、場合によっては「角膜ヘルペス」なども引き起こし、失明に繋がる危険性もあるので、ヘルペスに対する適切な予防法や治療法を覚えておくことは大切です。

ぜひ、参考にしてくださいね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。



カテゴリー:生物学者【ウイルス】, 感染症

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