この記事を読むのに必要な時間は約 7 分です。
※運営よりお知らせ:記事を簡潔に掲載する都合上、専門用語の解説は少なめになっています。気になる言葉を左クリックを押したままなぞり、右クリックで検索をかけることができますのでその方法をご利用ください。
納豆菌というのはご存じでしょうか。
恐らく納豆を人生で一度は食べたことがあると思うので、納豆菌を摂取されたことはあると思います。
実は、この納豆菌は私たちの体にかなりのメリットを与えてくれます。
今回はそんな納豆菌について解説致します。
具体的には、
- 納豆菌について
- 納豆菌がヒトにもたらすベネフィット
- 免疫力がアップできるスーパー納豆菌“S-903”とは?
の順番で紹介します。
ぜひ、参考にしてくださいね。
もくじ
納豆菌について

納豆菌は枯草菌の一種で、学名は「 Bacillus subtilis var. natto (バチルス・サブチリス・ナットー)」です。
枯草や稲わら、土の中に生息していますが、工業的に納豆を製造するときに使う枯草菌のことを納豆菌といいます。
納豆菌について以下の項目で紹介します。
- においやネバネバを作るしくみ
- 熱やpHに強い
- 生きたまま腸に届く
1つずつ解説していきますね。
においやネバネバをつくるしくみ
納豆には、納豆特融のにおいやネバネバがありますよね。
これは納豆菌が大豆のタンパク質などを分解して作り出しています。
においの主成分は、発酵で作られたアンモニア臭やビラジン類、ジアセチル等の有機酸などです。
日が経つにつれ発酵も進み、においも強くなってきます。
また、ネバネバの成分は「γ-ポリグルタミン酸」と「レバン(フラクタン)」です。
この二つの分子が混ざることによってネバネバができています。
熱やpHに強い
納豆菌は100℃の熱や、酸性・アルカリ性のpHに強い特徴があります。
納豆菌は周囲が栄養や酸素などがない生育に適した環境でなくなると、殻に閉じこもるように胞子の姿に変化します。
この胞子の姿になった納豆菌は乾燥・熱に強く、何千年も生きることができるといわれています。
100℃で加熱殺菌しても、納豆菌は生き残ることができるというわけですね。
生きたまま腸に届く
納豆菌は生きたまま腸に到達することができるという特徴もあります。
乳酸菌などの善玉菌は胃酸に弱く、腸にまで到達するのが難しいとされています。
しかし、納豆菌は酸性にも強いことから、生きまま腸に届けることができます。
また研究により、納豆菌は乳酸菌を増加・安定化させる効果があることがわかりました。
納豆を食べると、善玉菌を増やす効果があるというわけですね。
納豆菌がヒトにもたらすベネフィット

納豆菌は、私たちヒトに対してたくさんのベネフィットを与えてくれます。
納豆菌がつくる酵素が私たちの体に良い影響を与えてれるからです。
具体的に、納豆菌のつくる酵素は以下のとおり。
- ナットウキナーゼ
- アミラーゼ
- プロテアーゼ(ズブリチンなど)
- エラスターゼ
- へミセルラーゼ
- カタラーゼ
他にも、ビタミンK2をたくさん生成してくれます。
今回は、中でも有名な「ナットウキナーゼ」、「プロテアーゼ(ズブリチン)」、「ビタミンK2」の効果について解説します。
血栓を分解するナットウキナーゼ
納豆菌が作り出すナットウキナーゼは血栓を溶解する作用や、血液をサラサラにする働きがあります。
血栓の主成分である「フィブリン」を分解したり、血栓溶解酵素の活性化・量の増加させます。
その他にも、血液をサラサラにして血圧を下げる作用もあります。
大豆製品には様々な酵素を含みまますが、ナットウキナーゼが含まれているのは納豆だけです。
腸内環境を整えるズブリチン
納豆菌は腸内環境を整えてくれます。
特に「ズブリチン」は抗菌作用があり、腸内の悪玉菌の働きを抑制します。
さらに、納豆菌と乳酸菌を共存させると乳酸菌の量が約10倍増えるということもわかっています。
そのほかにも、善玉菌全般を活性化させる働きももあります。
腸内環境が改善されると、下痢や腸炎の予防されたり、便通がよくなり結果的にダイエットの効果もあることが言われています。
動脈硬化・心臓病を予防するビタミンK2
納豆菌は栄養素の一つであるビタミンK2を生成します。
このビタミンK2はカルシウムが動脈に沈着を阻害して、動脈硬化や心臓病を予防する「マトリックスGlaタンパク質」を活性化してくれます。
また、ビタミンK2はビタミンKの中で最も栄養価が高いことが最近の研究で明らかになり、納豆はビタミンK2を最も多く含んでいる食品です。
さらに、ビタミンK2は正常な血液凝固の促進、骨の形成を促進したりし、骨粗鬆症の予防効果もあります。
免疫力がアップできるスーパー納豆菌“S-903”とは?

おかめ納豆で有名なタカノフーズが免疫力がアップできるスーパー納豆菌“S-903”を開発しました。

引用:おかめ納豆サイエンスラボ
2005年から研究がはじまり、2200種類以上の納豆菌を収集して免疫の機能性がかなり高い納豆菌を探され続けました。
そして、12年間かけてたくさんの納豆菌の中から、納豆の製造に向いていて、免疫に対する機能がとても高いスーパー納豆菌“S-903 ”を見つけ出しました。
“S-903”は免疫の活性化に関わるタンパク質の一つ「インターロイキン-12」の産生を1.5倍高める特徴があります。
マウスの実験では、S-903 納豆菌がインフルエンザウイルスが体内で増殖するのを抑制する効果も示されました。
さらに、抗体生産量を高めたり、花粉症や通年性のアレルギー症状を緩和する効果なども期待されています。
“S-903 納豆菌”はヒトの免疫性を高めてくれる、まさにスーパー納豆菌です。
まとめ
今回は納豆菌についてご紹介致しました。
納豆菌は第二の脳である腸の環境を整えてくれたり、免疫力が高めてくれます。
健康的な体を保つために納豆を定期的に食べることは必要なことかもしれませんね。
今日納豆を食べてみるのはいかがでしょうか。
ぜひ、参考にしてくださいね。
最後までありがとうございました。
[…] […]