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健康的な体をつくるのに、乳酸菌を摂取することが挙げられると思います。
そんな中で、
- 「乳酸菌は具体的な効果があるの?」
- 「乳酸菌の効果ってどれぐらいで得られるの?」
と疑問はありませんか?
本記事では、乳酸菌について健康に役立つ情報をご紹介します。
具体的には、
- 乳酸菌について
- 乳酸菌に期待できる効果と実感できるまでの期間
- キリンが開発したプラズマ乳酸菌とは?
の順番で解説していきます。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
もくじ
乳酸菌について

乳酸菌とは、ブドウ糖や炭水化物などの糖を分解して、乳酸を作り出す細菌の総称をいいます。
今回、乳酸菌について以下の項目で紹介します。
- 乳酸菌の種類について
- 乳酸菌が含まれている食品
- 乳酸菌が作り出すもの
一つずつ解説していきます。
乳酸菌の種類について
乳酸菌の名前は「属・種・株」の順番で付けられています。
例えば、ヤクルトの「シロタ株」は「ラクトバチルス属カゼイ種シロタ株」の名前がついてます。
同じ「種」であれば乳酸菌の「糖を必要とし、乳酸を作り出す」という性質などはほとんど変わりません。
しかし、作りだすものが「種」よって酢酸などを作り出したり微妙に変わってきて、さらに「株」によって健康効果が変わってきます。
人の健康に役に立ち、現在注目されている乳酸菌の代表的な種類は以下のとおりです。
- ラクトバルチス・ガセリ
- ラクトバチルス・デルブレッキ・サブスプ・ブルガリカス
- ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス
- ビフィドバクテリウム
- ビフィドバクテリウム・ロングム
乳酸菌は350種類ほどありますが、なかでもこれらの乳酸菌は注目を集めています。
これかの乳酸菌は、整腸作用だけでなく、胃の環境も整えることが研究でわかっています。
乳酸菌が含まれている食品
乳酸菌が含まれている食品は以下のようなものがあります。
- キムチ
- 豆乳ヨーグルト
- ぬか
- 発酵乳
- キムチ
- ピクルス
- ワイン
- ヨーグルト
- チーズ
- 発酵バター
- 醤油
- 味噌
- 塩辛
以上のような食品に乳酸菌が入っているのですが、多くの食品に複数種類の乳酸菌が入っています。
食品が発酵する過程で、様々な種類の乳酸菌同士で共生し合っています。
また、発酵の具合によって「その食品に占める乳酸菌の割合」も変わってきます。
つまり、製造過程が異なることから、同じ商品(キムチなど)であっても乳酸菌の種類や数は決まっているわけではないということです。
乳酸菌が作り出すもの
乳酸菌が作り出すものは主に以下のとおりです。
- 細胞外多糖(EPS)
- 抗菌性物質
一つずつ深堀します。
細胞外多糖(EPS)
細胞外多糖(EPS)というのは、簡単にいうと多糖類のことです。
多糖類というとデンプンなどが挙げられますが、結合している糖の種類が異なります。
デンプンの場合だと、ブドウ糖(グルコース)だけが結合しているので、摂取したときには、ブドウ糖から得られる効果のみになります。

それに対して、細胞外多糖は様々な糖が結合してできています。

その種類の豊富な糖が、様々な役割と持つことで人間の体に良い効果をもたらしてくれます。
抗菌性物質
乳酸菌は抗菌性の物質を作り出し、食べ物の中にある毒性の細菌の育成を止めます。
乳酸菌が作り出す抗菌性物質は以下のとおりです。
- 乳酸(ほとんど)
- 酢酸
- 過酸化水素(少量)
- β-ヒドロキシプロピオンアルデヒド(少量)
これらの物質によって毒性のある細菌が生きるのが難しくなります。
この抗菌作用によって結果的に、腸内のバランスが整えられることになります。
乳酸菌に期待できる効果と実感できるまでの期間

乳酸菌に期待できる効果と実感できるまでの期間について解説していきます。
乳酸菌で期待できる効果は9つ
乳酸菌で期待できる効果は現在は以下9つになります。
- 免疫力を上げる
- 生活習慣病の予防
- 肌荒れの改善
- アレルギーを改善
- お口の中の環境を改善
- 大腸がんの予防
- 便秘の予防&解消
- ダイエット効果
- ストレスの緩和
乳酸菌によって腸内環境(腸内フローラ)が整えられることによってこれらの効果が得られます。
ここで注意が必要なのですが、乳酸菌で得られる効果はまだ研究段階です。
研究段階で得られた程度なので、薬のように「乳酸菌を取れば確実に免疫力がアップする!」というわけではありません。
食品業界では様々な乳酸菌の研究をして、得られた効果の特徴を取り上げて、商品として販売しているのが印象的です。
効果を実感できるまでの期間
一般的には2週間ほど、乳酸菌を摂取し続けると効果が実感できると言われています。
乳酸菌のエサとなる食物繊維やオリゴ糖などの糖類も取ると効果が出やすいです。
どんな乳酸菌が合うのかは実際に試してみないと分かりません。
なので、同じ商品を二週間ぐらい食べ続けてみて効果が出るのかを様子を見てみるのがおすすめ。
ただし、免疫力がアップするのには時間がかり、だいたい3か月ほど必要になります。
免疫といったような体質を変えるのは時間がかかってしまいます。
なので、免疫力アップを計る場合は乳酸菌を摂取し続けるのが大切になります。
キリンが開発したプラズマ乳酸菌とは?【普通の乳酸菌との違い】

キリンが開発したプラズマ乳酸菌は免疫力アップをする乳酸菌として有名です。
免疫アップの理論が以下のとおりです。

引用:キリン
そして、プラズマ乳酸菌が免疫アップの効果があると示した研究結果は以下のとおりです。
- プラズマ乳酸菌は細胞のインターフェロンの産生量を増やす
- pDC細胞の活性化は人でも効果があった
それぞれについて解説しますね。
プラズマ乳酸菌は細胞のインターフェロンの産生量を増やす
研究結果によると、プラズマ乳酸菌は免疫細胞のインターフェロン量を増やします。
3種類インターフェロンの産生量が増えているという実験結果ですね。

引用:キリン
インターフェロンとは
ウイルスを攻撃したり増殖を減らしたりするために使われるタンパク質。これはB型・C型ウィルス肝炎の薬にも応用されています。
さらに詳しく言うとプラズマ乳酸菌が「pDC(プラズマサイドイド樹状細胞)」を活性化して、この活性化した「pDC」がインターフェロンをたくさん産生します。
そして、インターフェロンによって様々な免疫細胞が活発になり、免疫がアップという仕組みです。
ちなみに、この「pDC」がCMなどで言われている免疫の司令塔のことですね。
pDC細胞の活性化は人でも効果がある
先ほどの実験は試験管内でされたもので本当に体に効果があるのかはわかりませんでしたが、実際に人にも効果があるのかを確かめられました。
二重盲検法と呼ばれるバイアス無しで実際に効果があるのかを調べられたので、信頼度は高いみたいですね。
ちなみに、免疫力は免疫に関係する遺伝子の量で免疫力がアップしたのかを調べられました。
また、健康な人を対象にプラズマ乳酸菌を摂取しても有害なことも見られなかったことが示されているので、どうせ摂取するならプラズマ乳酸菌の方が健康に良いのかもしれません。
まとめ
今回は以上になります。
最近の研究では、死んだ乳酸菌でも免疫能力を高めたり、腸内バランスを整えたりする効果が出ていると言われています。
乳酸菌の中にもいろいろな種類があるので、死んだ状態でも効果があるものや生きた状態でしか効果がないものなどあります。
どの状態がいいのかは、研究され製品に書かれているので、その製品通りに従えば大丈夫だと思います。
ぜひ、参考にしてみてくださいね。
今回も最後までありがとうございました。
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