【体験エピソード⑪】重度アレルギーで苦しんでる方へ

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※運営よりお知らせ:記事を簡潔に掲載する都合上、専門用語の解説は少なめになっています。気になる言葉を左クリックを押したままなぞり、右クリックで検索をかけることができますのでその方法をご利用ください。

もくじ

10年毎の時限爆弾

一昔前は、アトピー性皮膚炎は大人になれば治るもの と言われたそうですが、今は一定数の人は生涯付き合っていかなければならない病気となっております。

そもそもアレルギー自体原因不明のものが多く、再発する人、しない人の明確な違いもよく分かりません。

仮に私が、パーフェクトな食生活に模範的な睡眠を摂っていたとしても、アトピーから逃れることはできない気がするんです。

遺伝子に仕込まれた時限爆弾のように10年毎に作動するのです。

アレルギーのサラブレッド

私は物心がついたときからアトピー性皮膚炎で、小学生の頃から病院を転々としていた記憶があります。

父親が日光アレルギーの敏感肌で、シャツの襟に付いてる品質表示でよく首を真っ赤に腫らしていました。

小学生~中学生までは小児喘息で1週間単位の入退院を繰り返しました。

中学生~現在まで、コリン性蕁麻疹(すごく雑に言うと運動アレルギー)。ハウスダスト起因のアレルギー性鼻炎(アルゴンプラズマ凝固法を受けましたが暫くしたら戻ります)。季節性の大豆アレルギー。猫ちゃん。。と、私は”アレルギーのサラブレッド”です。

ちなみに、アレルギー人相というものがあります。

眉毛が後半途中から急に薄くなっているのがそうで、勿論 良血統の私もそうです。

アレルギーの辛さ

重度アレルギーの辛いところは『死ねない病気がずっと続くこと』かもしれません。

もしあなたが若い女性なら、こんな醜い顔をしていては誰とも恋愛できないしどこにも就職できないと絶望するでしょう。 

実際、重度アレルギーの中には自殺してしまう人も珍しくありません。

もし子供なら、全身の痒さで集中力がなくなってしまったり、鼻で息ができず口の中が乾燥して虫歯が増える原因にもなってしまいます。

わたしも小学生の頃の入院がきっかけで、基礎となる単純な計算がわからなくなり、そのまま勉強が嫌いになっていきました。

難病を受け入れてくれる病院

私は高校生のときに、アトピーの名医が高知県にいるとの情報から、夏休みを利用して、土佐清水病院(令和元年10/1~:土佐丹羽クリニック)に3週間入院してきました。

その頃には目の周りが真っ赤に腫れ上がり、見た目の醜さに加え目を開くのが困難な状態でした。

結果から申しますと、その3週間で全身の症状が完治、それから10年後に再び重症化して2週間の入院→完治。更に10年後、重症化する前に入院しておこう→改善で今に至ります。

体質そのものが改善される訳ではありませんが、10年毎に家をリフォームしている感覚でしょうか?

そして、アトピーで入院してくる者は私と同じように10年毎のリピート率がとても高いのが特徴です。

私を含め、皆様お顔はつるんとしていて顔への再発はあまりない様子です。背中だったりお腹だったり、普段隠れて見えない箇所の再発が主です。

見えないからこそ周囲から「サボりだろ?」「健康なくせに?」と言われがちですが。

●病院の行き方

病院は高知市内から車で3時間程のやや不便な場所にあります。週に1度の送迎サービスもありますが来院の際はその都度確認をお願いします。

高知市内→中村まで電車→土佐清水までバス が一番スタンダードです。

院長の丹羽靭負博士の診察は、土佐清水病院の他に 新横浜・名古屋・小松(石川県)・新大阪・岡山・福岡 でも受診できます。

入院の相談もそちらで行えます。

病院からすぐ近くに海があります

●病院の様子

病院周辺や足摺の民宿を使ったり、直接病院に入院できたり・・と、そのときに因って様々ですが、今は専用の民宿を使います。

これもその都度変わりますので確認をお願いします。

食事も患者専用に食事療法に基づいたメニューを出してくれます。(一般的な病院食の少ない・華がないのイメージとは違って、すごく多いし美味しい!)

入院患者の約半数はアトピー患者・残り半数はリウマチや癌、膠原病などです。

最近では中国からの患者も増えているようです。

自由診療ですので、早い人だと3日、長い人は年単位で入院しています。

基本、皆明るくてお喋りですが、中には割り切って一言も喋らない人もいます。

苦しくて助けを求めて入院してるのは共通ですので、なるべく話して情報交換するのがオススメかと思います。

病院食です。

●治療

癌患者の人達とはプログラムが違いますので、ここではアトピーの治療のみ書いていきます。

温泉療法です。

サンドバスと呼ばれる石風呂に入り汗を流して血行を良くします。(サンドバスの効果や石の成分については割愛させていただきます。)

冒頭、私は運動アレルギーがあると書きましたが、重症アトピー患者に発汗機能が異常なのはわりとよくあることだそうです。

しっかり水分補給をして、2回目のサンドバス、汗が乾いたら全身に軟膏をたっぷり塗って、その上からガーゼをぐるぐる巻いて一日過ごします。

翌朝シャワーで軟膏を落として、昼にサンドバス・・毎日この繰り返しです。

状態にも因りますが、そこまで年季の入っていない皮膚の柔らかいお子様でしたら1週間以内にも効果が期待できるかと思います。

週に1度、先生の診察がありますのでそのときに理想の入院期間や退院の相談ができます。

●入院費

健康保険が適用されませんので安くはないです。アトピー患者の場合、使った分の塗り薬とガーゼで個人差がかなりあります。

参考までに、私の場合は全身処置1週間で12~15万円程度でした。かなり小柄で軽量の場合です。

私と同じ日に入院した普通体型の成人男性で同じ処置をして倍の金額でした。

退院後~病気と上手に付き合っていくために

退院時の贈り物

私の感覚的な話ですが、アレルギーとは、食生活やストレス以上にサラブレッドとしての”血” だと思います。

その”血”を作っているのが、普段の食事だったり睡眠だったりする訳ですが、アレルギー体質の人は生涯アレルギーに苦しみます。

10年後にきっとアラームは鳴ります。

でも、絶望するほどでもないと思います。

若い頃はとても悩まれる方も多いと思いますが、同じ病気なのに明るく生きている人もいっぱいいることに目を向けて欲しいです。

年を重ねるごとに、アレルギーとの付き合い方はどんどん上手になっていきますから。

自分が苦しんだことで、周りの人の苦しみにも気付いてあげられる優しい人になれると思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

 



カテゴリー:体験談

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