【薬剤師が教える】~不妊治療中の方へ~妊娠しやすい体をつくる生活習慣

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『結婚したけれど、いざ赤ちゃんを欲しいと思ってもなかなか出来ない。』

不妊の心配をしたことのある夫婦は4組に1組、とも言われています。
実際に不妊治療を始めると、痛みを伴う検査や治療が行われたり、
周囲の理解に苦しんだりと精神的・身体的につらい思いをすることも多いです。

少しでも早く結果を出すために必要となってくるのが、日々の生活習慣の見直し。
心身共に健康的になり、できるだけ穏やかな気持ちで過ごすことが大切です。
ここでは、赤ちゃんがやってきてくれる身体づくりを目指した食事や運動について
解説します。


◆不妊とは?

「不妊」とは、妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで性交をしているにもかかわらず、一定期間妊娠しないものをいいます。日本産科婦人科学会では、この「一定期間」について「1年というのが一般的である」と定義しています。

(日本産婦人科学会HPより抜粋)

不妊の原因は、女性が半分、男性が半分と言われています。
両方に原因があるケースもありますが、どちらにもこれといった原因が見つからない原因不明不妊も少なくはありません。

不妊の原因となる疾患例

【女性】
・子宮内膜症 ・クラミジア感染 ・高プロラクチン血症 ・多嚢胞性卵巣症候群
・子宮筋腫 ・子宮腺筋症 ・卵管閉塞 など

【男性】
・造精機能障害(無精子症,精索静脈瘤など) ・精路通過障害
・射精障害 ・勃起不全 など


◆不妊治療について

不妊治療は、女性は婦人科、男性は泌尿器科にて行われることが多いです。
最近は生殖医療専門クリニックも増えており、カップルが同時に検査や診察を受けられる体制を備えた施設もあります。

https://www.funin.info/search/ (不妊治療施設検索サイト / 不妊治療情報センター FUNIN.INFO) 

また、不妊治療には大きく分けて、一般不妊治療(タイミング法、人工授精)と、高度生殖医療(体外受精・顕微授精)があり、タイミング法からステップアップしていく方法が通常の治療の流れとなります。

※検査の結果や年齢の問題等で治療を急ぐ必要がある場合には、早い段階で高度生殖医療を勧められることもあります。また、治療をしていく中でステップダウンをすることも可能です。


◆妊娠しやすい体をつくる~食事習慣~

妊活に良いとされる食事のバランスは、

『高タンパク・低糖質』

卵子や精子はタンパク質で出来ていますし、赤ちゃんの体をつくるためにもたくさんのタンパク質が必要です。また、実際、高タンパク食を摂ることで妊娠率がアップした結果も海外で報告されています。

※高タンパク食とはタンパク質のエネルギー比率が25%以上のことをいい、成人女性の平均1日摂取カロリーを2000kcalとすると500kcal以上です。


大切なのは、動物性タンパク質(肉や魚など)と植物性タンパク質(大豆など)をバランス良く摂ること。
1食当たり自分のこぶし1つ分程度のたんぱく質を摂れると良いでしょう。


低糖質が妊活に良いとされる一番の理由は、卵子の老化を遅らせることが出来るためです。
卵子は、精子と違い常に作り変えられるわけでなく、私たちが生まれる前、お母さんのお腹の中にいる時に一生分の卵子のもとがつくられています。そのストックが閉経まで徐々に減っていくのですが、卵子もその間に体の中で色々な影響を受けています。そのため、実際は自分の年齢とともに卵子は老化をしていくのです。

炭水化物やお菓子ばかりを摂って糖質が過剰になっていると、卵子が糖化されてしまい(焦げてしまうようなイメージ)、質が悪くなり、つまりは老化を早めることにつながります。老化した卵子では、もちろん妊娠にはつながりにくくなります。

◆妊娠しやすい体をつくる~運動習慣~

妊活する上で、運動の大きなメリットは、

血流が良くなること。

女性では卵巣や子宮に血液が十分に行き渡ることで、卵胞の育ちが良くなったり、内膜が厚くなり、妊娠につながりやすい状態となります。
男性では筋力トレーニングを取り入れることで精子の酸化ストレスやDNA損傷率が低下し、奥様の妊娠率や出産率が有意に増加したとの報告も出ています。

他にも、自律神経のバランスが整ったり、精神面の安定や低体温の改善など、妊娠にとって良い効果がたくさんあります。

ランニングなどの激しい運動は体にとってストレスとなるため、軽いウォーキングやヨガ、筋力トレーニングをメインに取り組んでみましょう。運動が苦手な方はストレッチだけでもOK。続けることが大切です。


◆おわりに

健康的な体をつくることは、不妊治療を行う上での土台であり、治療の成果を出しやすくするとともに、生まれてくる赤ちゃんにも良い影響を与えます。
ただし、頑張り過ぎてストレスを溜めてしまうのも良くありませんので、自分の出来るところから少しずつ意識して取り入れていきましょう。夫婦一緒に取り組めば、二人の絆も深まり、同じ目標へ一緒に向かっていることを改めて実感できると思います。

今回の内容が皆様にとって良い気付きとなり、治療が実を結びますことを心より応援しております!



カテゴリー:育児, 薬剤師【育児】

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