【理学療法士が教える】在宅での訪問リハビリ

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訪問リハビリの概要

訪問リハビリとは、要支援または要介護認定をされた人が、在宅でリハビリを受けられるサービスのことです。要支援から要介護まで様々な区分の人がおられますが、段階に合ったサービスを受けることが可能です。リハビリは理学療法士や作業療法士といった、リハビリ専門の国家資格を持ったスタッフが受け持ちます。

基本的には高齢者が住み慣れた空間で、安心して生活するために援助を行うサービスです。同時に、同居または別居のご家族様が安心できるようなサービスでもあります。というもの、最近は独居老人が増加していると言われ、さらに老老介護の問題も指摘されて久しい時代となりました。

離れて暮らす家族が問題なく生活できているのか、転倒して怪我をしていないか、母は父の介護が苦しくないのか、など心配事は山ほどでてきます。労働世代でバリバリ働いている方や嫁いでいる方にとって、このような心配事に訪問リハビリの果たす役割は大きいでしょう。

そもそも人は年齢を重ねてくると歩くことや入浴をすることなど、日常生活を送る上で不安なことや困難なことが生じてきます。特に、高齢者は若い人に比べて転倒のしやすさが段違いになっていることが多いです。

若い人であればあまり転倒もしませんし、転倒しても大した問題ではありませんが、骨粗鬆症が進み骨密度の低下した高齢者であれば、自宅内で少しお尻を付いただけというような軽微な外傷でも、簡単に足の付け根を骨折したり、背骨を骨折したりします。そして、これだけのことで、2~3ヶ月のリハビリ入院が必要になってくるのです。

入院期間を経て元通りの歩行能力と自宅での生活に戻ることができれば良いのですが、高齢者の場合は日常生活能力の低下により自宅での生活に不安が生じる場合があります。どのような不安かというと

・歩いているときに痛みが残っている

・立つとふらついてこけそうになる

・玄関の段差を頑張らないと上れない

・早く疲れていつもの散歩コースが行けない

・自宅の浴室の浴槽をまたげない

などといった問題が生じることが多々あります。そして、これらの高齢者に、常に誰かが一緒にいて日常的に介護を受けていられるかというと、ほとんどの場合は日中一人で過ごす必要があったり、そもそも一人暮らしだったりするわけです。

そしてこういった問題を放置していると、再転倒という問題が生じます。そもそも転倒してしまうくらい運動能力が低下していたところに、骨折などでさらに運動機能が低下する訳ですから、同じような生活をしていれば再転倒するのは当たり前ということになります。

こういった在宅での生活能力の改善のために訪問リハビリというサービスがあります。上記の不安に対しては、以下のようなリハビリを実施していきます。

・筋力訓練、歩行訓練を実施する

・自分でできるよう自主訓練を指導する

・自宅の生活環境を見直し、介護用品や住宅改修を提案する

・家族様に介護方法を指導する

・その環境に合った散歩のルート、時間を提案する

などといったことが可能となります。

訪問リハビリの利用をオススメする場面

代表的な場面を2つ挙げます。

①足の付け根を骨折して手術をした。退院はしたが痛みが残っていて歩くのが億劫になった

元々は家で家事を実施しており、散歩も杖を使わず実施されていましたが、退院時に骨折した足周囲の痛みが残存しており、外歩きは杖を使用しておられるケースです。痛みが残存しており、運動機能の低下が予想されるため、再転倒の危険性は高まっていると思われます。また、再転倒が怖くなることで家に閉じこもりがちになりやすくなります。転倒恐怖感による活動制限はよく問題になります。

②脳卒中を発症して半身麻痺が残り、日常生活能力が全般的に低下した

脳卒中の後遺症も訪問リハビリの適応となります。脳卒中に関しては後遺症が重い場合、日常生活のあり方が元々とは全く違うものになっているケースが多いです。一般的には脳卒中は右手右足または左手左足と、半身に麻痺が生じることが多いです。そして、麻痺が重い場合は日常生活を片手で実施していく必要があるのです。こういった点を解消するためにリハビリを実施したり、福祉用具を提案したりします。


訪問リハビリ利用例

オススメの場面の2つから利用例を挙げていきます。

①足の付け根を骨折して手術をした。退院はしたが痛みが残っていて歩くのが億劫になった

退院直後の訪問リハビリを担当する場合は、まず自宅での生活が満足に送れているかどうかを確認します。自宅内動線(自宅内で動くルートのことを動線と言います)を確認し移動に問題は無いか、どこかに手すりは必要では無いか検討します。

また玄関の段差や入浴は可能か動作を確認していき、手すりや介護用品の検討を行います。自宅内の問題が無さそうであれば、散歩を一緒に行って転倒リスクは無いか、ルートや歩行時間は適切か判断します。必要に応じて杖やシルバーカーなどの提案を行います。

そして、同時並行して足の疼痛の原因を探り、必要に応じてマッサージや足りない筋力のトレーニング指導を実施します。

②脳卒中をして半身麻痺が残り、日常生活能力が全般的に低下した

骨折の場合とは前提が違いますが、訪問リハビリとしては実施していくことはそんなに変わりません。動線の確認、移動手段の確認・検討、入浴の可否などなどです。ただ、料理や洗濯など実施が困難なことも多くなります。家族様に協力を得られない、または一人暮らしの場合はヘルパーの利用やデイサービスなどの利用が検討されます。

また、歩行をするのに足に装具を装着する必要がある場合、装具は適切か、しっかり装着できるかを評価します。家の中では装具を付けたくないという方は多いですが、運動機能の維持を考慮すると装具を装着した方が良い方が多いです。


リハビリをしてもらう人の選び方

在宅へ派遣されてくる理学療法士・作業療法士は皆、国家試験に合格した者ばかりです。しかしリハビリ職はそれまでの実績や経験年数によって、持っている知識や問題解決能力に大きな違いがあります

今まで骨折などの整形外科疾患ばかりみてきましたとか、脳卒中が多い病院にいました、などその療法士によって持っているものは大きく異なります。気になる場合はケアマネジャーや事業所に直接確認しましょう。その事業所にどのくらいの数のスタッフがいるのか、経験年数の人がいるのかを聞くことができます。

より経験が多い人やその疾患に詳しい人を指名することも可能です。指名料などを払う必要もありません。リハビリ職は料金が決まっており、経験年数が多い人も新人も料金が同じです。この制度にも賛否両論ありますが、上手に利用しましょう。

まとめ

訪問リハビリが何のためにあるのか、何をやっているのか、想像ができるようになりましたか?もしご自分のお爺さまやお婆さま、両親に不安を抱えている場合は、ケアマネージャーに相談して利用を検討してみましょう。



カテゴリー:その他・予防法, 理学療法士【リハビリ】

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