【看護師が教える】もしかして食物アレルギーかも?乳幼児期にこんな症状が出たらご相談を。

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食物アレルギーという言葉は、広く知られるようになってきましたが、

実際にはどのような人が、どんな症状で困っているのか、良くわからない点も多いと思います。

食物アレルギーとは、ある特定の食物を異物と勘違いし、体に不利益な症状を起こすことをいいます。

今回は、食物アレルギーの中でも最も多い3つの食物アレルギーを取り上げてお伝えします。

<目次>

  • 乳幼児期に多い、鶏卵・牛乳・小麦アレルギー
  • 主な症状と病院で行われること
  • スキンケアと食物アレルギーの関係
  • 症状は無いけれど、検査を受けた方がいいの?

もくじ

【鶏卵アレルギー】

卵の卵白に含まれるたんぱく質にアレルギー反応を起こすことがほとんどです。

また、加熱調理と生卵とでもアレルギー症状の出方は異なり、加熱したものが大丈夫だからといって、生卵も大丈夫とは限らないことに注意が必要です。

卵は、離乳食後期の1歳前後で与え始めることが多く、多くはゆで卵を細かく刻んで与えたり、炒り卵を作って与えることが多いと思います。

1歳を迎えたお誕生日に、オムライスを作って与えたら、口の周りが赤くなり、

機嫌が悪くなり、みるみるうちに顔から体にかけてじんましんが出たお子さんが受診されたことがありました。

お母さんはケチャップが刺激となったと思い、口周りを洗って様子をみていましたが、目や耳が赤く腫れてきたため驚いて病院へ来られました。

幸いにも病院で適切な処置を受け、症状も落ち着き、1週間後に血液検査を受けてもらったところ、鶏卵アレルギーと診断されました。

今後は半年ほど卵を除去した食事をしてもらいながら、再び食べられるようになるための訓練をしていくことになります。

【牛乳アレルギー】

牛乳そのものを与えるのは1歳近くになってからが多いですが、

様々な離乳食の調理に使用できるため、生後7~8か月頃の乳児に与え始めることが多いと思います。

シチューを作って食べさせたところ、口周りが少し赤くなりましたが、そのあとは引いていったため、特に気に留めなかったそうです。

翌日の早朝から下痢が数回に及び、お腹が痛いのか機嫌も悪く受診されました。

お母さんは胃腸炎かもしれない、と思ったそうですが、消化器症状もアレルギー反応のひとつであり、口の周りが赤くなったというお話と、数回の下痢症状で回復したため、食物アレルギーが疑わしい、ということになりました。

この時点ではシチューの中のどの食物に反応したのか分かりませんが、数日後の採血の結果も併せて、牛乳アレルギーと診断されました。

牛乳のたんぱく質は加熱しても性質がほとんど変わらないため、今後は数か月牛乳を除去した生活をしてもらい、半年後を目安に再び食べられるようになる訓練をスタートします。

【小麦アレルギー】

小麦は主食となる食品にとても多く使用されており、ほとんどが炭水化物でできていることもあり、エネルギー源として大切な食品です。

乳幼児では、パン・うどんを与えることから始めますが、小麦がアレルギー症状の原因と診断すると、これら主食に大きな影響を与え、保護者の負担が重くなることで、育児全般に影響を与えます。

アレルギー症状が落ち着くまでは小麦製品を除去することになりますが、

小麦製品の代わりにエネルギー源となる食品選びが大切になります。

ぜひ、栄養士や看護師へ気軽に相談してみましょう。

ここまで3つの主要食物におけるアレルギーをお伝えしましたが、

適切に予防することが出来れば、食物アレルギーを最小限に抑えたり、発症し難い状態を保つこともできます。

アレルギーの発症は遺伝されると言われていることから、ご両親に何らかのアレルギーがある場合は、前以て予防することを心がけましょう。

予防に大切なことは、乳幼児が初めて食物を口にする前、生後すぐから、肌の調子を整えておくことです。

皮膚が乾燥し、赤くただれていたりすると、アレルギー反応が出やすい状態を作ることになり、食物中のアレルゲンに反応しやすくなります。

赤ちゃんの肌は常に保湿し、清潔に保つようにしましょう。保湿の仕方について、小児科の先生や、アレルギー外来の看護師にご相談してみてください。

最近、「肌もきれいだし、両親にアレルギーも無いけれど、離乳食を始めるのが不安」という声が良く聞かれるようになりました。

本来なら、離乳食を与え始めてアレルギーと思われる症状が出たら受診するものですが、

何も症状の無い時に、先に調べて欲しい、というご希望が聞かれる時があります。

どの食品にアレルギー反応を起こしやすいか、血液検査を行うことで目安にすることはできますが、

血液検査の結果はあくまで目安でしかなく、絶対にアレルギー症状を起こすという証明ではありません。

食物アレルギーは、食べてみないと分からない、というのが確実にいえることなのです。

今回お伝えしたいことを以下のようにまとめました。

すでに食物アレルギーと診断された方、もしかして、と思っている方も、ぜひ参考にしてみてください。

・食後すぐに、肌の赤みや痒み、発疹が出現したら食物アレルギーかもしれません
・食後2時間以上経過してから下痢や腹痛がある場合も、食物アレルギーの可能性があります
・ご両親に何らかのアレルギーがある場合は、離乳食は慎重に与えましょう
・生後すぐからスキンケアを心がけましょう



カテゴリー:その他・予防法, 看護師【アレルギー】, 看護師【育児】, 育児

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