【エピソード⑫】重症筋無力症(myasthenia gravis:MG)という病気を知っていますか。

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重症筋無力症(myasthenia gravis:MG)という病気があります。

ほとんどの方は聞いた事がない病気だと思います。

それもそのはずで日本国内に2万~3万人程度しか患者がいない希少疾患の一つなのです。

指定難病という扱いを受けている病気で、重症筋無力症の確定診断を受けた後は公費の適用などを受ける事が出来ます

・重症筋無力症の特徴

この病気の特徴としてまず挙げられる事としては、非常に疲れやすいという事です。

疲れやすいといっても通常の疲れやすさとは異なっていて、筋肉を使うと徐々に力が入らなくなって行きます。
休むと回復していくのですが、連続して筋肉を使っていると、その筋肉が疲れて全く動かなくなってしまうイメージです。

患者によって症状が強く出る筋肉は異なりますので、ここでは私の体験を基にお話を進めて行きます。

・調子の悪さに気づいた時

私が最初に体の異変に気付いたのは眼の症状でした。
目が非常に疲れやすく、テレビやパソコンを見ていると20分~30分ほどで焦点が合わなくなってしまうのです。

もともと乱視が強かったので、視力が低下したのかなぁと、この時はあまり深くは考えていませんでした。
徐々にまぶたが下がってくるようになって、見える範囲が狭くなって行った事を覚えています。

これらの症状は、複視眼瞼下垂といって、重症筋無力症には比較的多く見られる症状だったと、後日判明します。

・ただ事ではない事態

眼の調子が悪い事は気づいていたのですが、首や肩といった部分が物凄く張って、俗にいう肩こり・首こりが重くなってきました。
それでもマッサージやストレッチ、薬で凌いできたのですが、通常では考えられない症状が出てきたのです。

食事の時に、食べ始めから2分~3分経過すると、顎に全く力が入らずに物が噛めなくなりました
更に、物をゴクリと飲み込む事が全くできなくなるのです。

この時から精神科や整形外科、脳神経外科、眼科、内科など多くの病院に掛かりましたが、残念ながら原因の特定には至らなかったのです。

・神経内科の受診

どれだけ病院に掛かっても原因が分からず、それでも徐々に色々な筋肉が侵されていく恐怖は物凄く大きいものでした。

家族と話をしていても徐々に舌が動かなくなって行き、うまく言葉を話す事も難しくなりました
それでも話し続けると声がかすれたり細くなって行くので、精神的に落ち込む事もしばしばです。

ある時、動かなくなった腕に力こぶを作ろうとして、思いっきり力を入れてみました

ところが全く筋肉が反応しなかった事から、もしかしたら神経に問題があるのでは……と思い、
藁をも掴む思いで神経内科を受診する事にしました。

神経内科で問診の後、血液検査によって私が重症筋無力症である事が判明します。

筋肉を動かす命令を受けとる細胞に対して、私の体が抗体を作ってしまう病気、つまり自己免疫性疾患の一つでした。

受診をしたクリニックでは治療が出来ないので、緊急で大学病院へと紹介をされて色々な検査をしました。
その結果、重症筋無力症の確定診断が下り、難病申請をするに至った次第です。

・命に関わる事

この病気は内臓や心臓の筋肉が侵される事はありません。
しかし、呼吸をするための筋肉が動かなくなる事があるのです。

クリーゼという発作で、この発作が起きてしまうと命に関わります

感染症やストレスなどで一気に悪化する事もあるようですが、やはりしっかりとコントロールをする事が重要でしょう。

・治療と病気のコントロール

私は飲み込む力が弱まってきて、唾液が誤って肺に入ってしまったのでしょうか。
ある日、誤嚥性肺炎を起こしました。
その肺炎が引き金となって、呼吸困難となり救急車で運ばれる事になります。

その後、クリーゼにより呼吸が止まりました。
呼吸が止まった時には既に緊急搬送済みだったので、後遺症もなく命に別状のなかった事は不幸中の幸いだと思います。

入院中にステロイドパルス血漿交換などの強力な治療を施し、
退院後は主にステロイド服用免疫抑制剤服用でコントロールをする事になりました。

現在は外来通院で定期的に薬の量を調整するなど、治療を続けています。

・重症筋無力症との付き合い

重症筋無力症は完治しない病気ではありますが、医学の発展により寿命まで生きる事の出来る病気と言われるまでになりました。

しっかりと病気をコントロールさえ出来れば、ある程度の日常生活を送れる患者も少なくありません
もちろん重症度や侵される筋肉の部位によっては、大変な苦労をしている患者もたくさんいます。

昔はその疲れやすさから、なまけ病とも揶揄された病気ではありますが、
こういった病気がある事を多くの方に知って頂ければ、同じ病気と戦っている方にも勇気を貰えるのではないかと思います。



カテゴリー:体験談

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