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前編に続き、乳がん後のリンパ浮腫について記事を作成していただいたのでご覧ください。※筆者の乳がん体験談は↓になります。こちらもどうぞ。
もくじ
私の具体的な実践内容&乳がん看護認定看護師さんからのアドバイスの紹介
ここで、リンパ浮腫を起こさないようにするための10項目の注意点を私なりの実践法&乳がん看護認定看護師さんからのアドバイスを挙げてみます。

①何かを持つ時について
・手術をした方の腕で重いものを持たない→リュックサックやショッピングカートを使う。また「重いもの」の基準は人それぞれだから、自分で「重い」と感じるものは手術した方の腕で持たないようにする。
②圧迫について
・手術をした方の腕を圧迫しない(血圧測定・締め付けるような衣類・時計・指輪など)→血圧測定に関しては「しない方が良い」、「ちょっとくらいなら大丈夫」という看護師さんも両方います。
③熱いお風呂やサウナについて
・熱いお風呂やサウナで身体を温めすぎない(血液や水分の循環が良くなると、リンパの循環量も増すので)→この通り従う
④体重管理について
・太りすぎないようにする→腹八分目&良く噛んで食べる。だけど、食べたいものを我慢しすぎないことも大切(食べる時間と量に注意し、食べすぎたら動く)
⑤同じ姿勢が長く続きそうな時について
・同じ姿勢で長時間過ごすことを避け、腕を回すor軽いストレッチをする→なかなか難しいけど、時計を見ながら一定時間同じ姿勢になったらストレッチを励行
⑥手術した方の腕の保護について
・手術した方の腕の皮膚を傷つけないようにする(虫刺され・火傷・切り傷・深爪・採血・日焼けなど)→手術した方の腕からの採血は「しない方が良い」、「しても大丈夫」という看護師さん両方います。
腕の保護に関するアドバイス
※食後の食器洗い・お風呂洗いなどの家事の時は、ゴム手袋しています。夏の暑い季節は、あせもになることがあるので要注意です。
⑦腕の使い過ぎに関して
・手術した方の腕を酷使しない→酷使しないに越したことはないけど、こまめに休憩・ストレッチ・体操&運動しつつ休憩できる時は休むようにする。
⑧姿勢について
・長時間同じ姿勢にならないように注意し、ストレッチをしてリンパの流れを良くする→この通り従う。
⑨夜、眠る時について
・夜、寝る時は手術した方の腕の下にクッションや座布団を置いて心臓よりも高くする→でも、手術した方の腕の挙上より睡眠をとる方が大切。気づいた時に挙上できていればOK。
⑩手術した方の腕のスキンケアについて
・手術をした方の腕の保湿ケア→乾燥しやすい季節は特に注意。
というような感じです。
正直「これ全部に気をつけていないとダメなら、何もできなくなっちゃう。こんな生活を送れるのだろうか?!大変なことになっちゃったな」と思いました。
でも、あまり神経質になりすぎても不安と恐怖が増すばかりになってしまうので、適当に良い加減をつけながらやっています。
毎日のことなので「まぁ、こんな時もあるよね」、「全体的に1日平均で60~70点なら合格」と考えるようにするのがコツかなと思うのです。

まとめ
乳がん術後のリンパ浮腫のケアは、基本的に自分で主体的にやらなくてはなりません。
自分に合うスリーブを見つけ、運動やストレッチを取り入れながら手術した方の腕と上手に向き合っていくことが大切です。
でも、リンパ浮腫のケアに「これが正解だ」というものはなく自分で試行錯誤しながら「私はこの方法だと効果がありそう」というのを継続していくと良いと感じます。
顔や体型が1人1人違うように、リンパ浮腫も「これをやれば楽になるよ。改善するよ」と言えるものが違うと思います。
少なくても、私自身がそうです。例えば、リンパマッサージのやり方については「小鳥を撫でるくらいの強さで」と言われますが、そのくらいの軽いマッサージが心地よいと感じる時もあるし、少し強めのマッサージの方が心地よいと感じる時もあります。
要は、体調次第で自分が心地よいと思えるようなことを、その時々で行っています。
また、スリーブや弾性包帯を使った圧迫については、私が乳がんに罹患した2010年の時点では「常時着用が望ましい」とされていました。
でも、2020年の夏の時点では「暑さが厳しいため、常に涼しい環境で過ごせるようででないならば、無理してスリーブを着用しなくても良い」と乳がん看護認定看護師さんに教えていただきました。
これは、私自身が2020年の夏に手術をした方の腕と手背にあせもができたためです。
このように、臨機応変な考え方をすることも大切だと気づきました。
あとは、自分の体調や腕(手指)をよく観察し異常があれば通院している病院に早めに行くようにしています。
同じ病気にかかっている人へのメッセージ
リンパ浮腫はなかなか治りにくいので、予防すること+早期発見が大切です。
リンパ浮腫が治りにくいといわれる理由は、一般的なむくみと違って溜まっている液体が水分ではなくタンパク質を多く含んだリンパ液だからです。
だから、放っておくと少しずつ皮膚が硬くなり腕が動かしにくくなってしまいます。
そのため体重増加に注意しつつ、早期発見+リンパ浮腫を悪化させないことが重要なのです。
私自身、リンパ浮腫がひどい時は、うつ状態になったこともあります。ですが「治りにくいから」、「もう治らないから」とあきらめず日々、試行錯誤しながら生活しています。
※ただ、注意していただきたいこととしては「自己流ではやらずに、医療関係者に相談や確認をすること」が大切です。自己流でリンパ浮腫のケアをすると、逆に悪化させてしまうこともあります。
リンパ浮腫に負けないで私らしく過ごし、生きたい。置かれた場所で咲き続ける努力をしたいです。
この記事を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。あなたも病気に、リンパ浮腫に負けないでください。一緒に休憩を入れながら、頑張り続けましょうね。

カテゴリー:体験談