【臨床検査技師監修】“時限爆弾第2弾” 尿管結石を知った前と後

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昨年の宿泊同窓会での出来事です。

大いに盛り上がった同窓会の終了後、友人4人で布団を並べて寝ていました。

夜中に突然、隣の友人が急に大きな声で唸って布団の上を転げ回り始めました。

部屋の明かりをつけると、友人がひどい脂汗を流して脇腹をおさえていたのです。

声を掛けると

「今頃、石が落ちた。」

「ヤバい。頼む・・・救急車。」

と言って、また直ぐに悶え始めたのでした。

それから友人は、救急車で搬送され、病院で痛み止めの処置をして落ち着きました。

今回は「3大激痛」の1つ、尿管結石についてお話しさせていただきます。

ちなみに他の2つの激痛は、胆石膵炎です。

尿路結石症と尿管結石

尿路結石症とは、腎臓から尿道までの通路(尿路)に結石ができる病気です。

結石のある場所によって、腎結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石の4つに分類されます。

尿路結石で激しい痛みを伴い、発症頻度が高いのが尿管結石です。

意外かもしれませんが、結石の出来る原因についての詳細は分かっていません。

◆尿管結石の症状

尿管結石の痛みというと「想像を越えた痛み」「七転八倒の苦しみ」などに例えられることが多いです。

実際は、どんな感じなのでしょうか?

腎臓から落ちてきた結石によって尿管が塞がれると、尿を排出することができなくなります。

そうすると、腎臓の中の圧力が上昇して突然の激痛を引き起こします。

腰背部から側腹部にかけての持続的な激痛と下腹部の放散痛です。

痛みは、3~4時間くらい持続します。

◆結石の種類と生成

結石には構成する成分によって数種類に分類され、シュウ酸カルシウム結石、リン酸カルシウム結石、尿酸結石などがあります。

尿管結石の9割以上は、カルシウム結石が占めています。

結石の生成についてシュウ酸カルシウム結石を例にあげて説明します。

肉類などの動物性タンパク質をたくさん食べると、シュウ酸、尿酸という物質が体内に増加します。

シュウ酸は、カルシウムと結合して便と一緒に排泄されますが、体内のシュウ酸が多いと尿の中にも出てきます。

尿中でシュウ酸カルシウム結石となって尿路に障害を及ぼします。

検査と診断

尿管結石の診断には、尿検査、血液検査、画像診断、結石分析などの様々な検査が行われます。

◆尿検査

血尿、尿路感染症の有無などを調べます。

血液検査

腎機能(尿素窒素、クレアチニンなど)、尿酸、カルシウムなどを調べます。

尿酸値が高ければ、高尿酸症による尿酸結石が疑われます

◆超音波検査

結石によって拡張した腎盂、尿管の観察と結石の位置や大きさを確認したりします。

単純CT

X線写真で写らない結石の診断にも有用なため、最近ではCTが頻繁に使われるようになってきています。

結石分析 

体外に出てきた結石の成分を分析します。

結石の約9割近くがシュウ酸カルシウム結石です。

成分を調べることは、治療を選択する指標となります。

治療

結石の治療は、結石の大きさなどによって保存療法結石除去に分けられます。

◆保存療法

10mm未満の結石は、自然排排石が期待されるため保存療法が選択されます。

この位の大きさの結石は、症状が出てから1ヵ月以内に自然排石されることが多いです。

具体的な治療法としては、積極的な水分摂取アルファ遮断薬(結石の排出を促進させる薬)が処方されます。

自然排出の間に痛みが起きた時は鎮痛剤で対処します。

◆結石除去

10mm以上の尿管結石、症状が出てから1か月以上排石が認められない場合が対象となります。

結石除去には、体外衝撃波結石破砕術、経尿道的結石破砕術、経皮的結石破砕術などが施行されます。

体外衝撃波結石破砕術(ESWL)

破砕装置で発生させた強い音波(衝撃波)を結石にあてて破砕します。

細かく破砕された結石は、尿と一緒に体外へ排出されます。

下部の尿管結石除去をする場合は、経尿道的結石破砕術が行なわれます。

大きな腎結石を破砕する際は、経皮的結石破砕術が行なわれます。

結石の再発予防

結石は、再発の多い病気なので再発予防が非常に重要になってきます。

日常生活での再発予防は、水分摂取とバランスの良い食事に気をつけます。

飲水は、食事以外に1日2L以上

食事は、食塩、動物性タンパク質、ビタミンCの過剰摂取に気をつけます。

食塩の摂り過ぎは、尿中のカルシウムの増加、動物性タンパク質はシュウ酸の増加、ビタミンCは体内でシュウ酸を作るためです。

ですので、動物性タンパク質を少し控え、野菜類を多くしたメニューを基本とした食事を取り入れます。

また、軽めの運動は結石が自然排泄しやすくなるため効果的です。

軽めの運動には、縄跳び、軽めのジョギング、ウォーキングなどがあります。

再発予防には、患者さんの状況に応じて適切な薬剤投与も行われる場合もあります。

(薬剤は、結石の成分によって異なります。)

まとめ

尿路結石は、泌尿器科の病気で最も頻度が高く、年間罹患率も年々上昇しています。

男性は7人に1人、女性は15人に1人が、尿路結石になると言われています。

この病気は、再発予防を心掛けることで再発のリスクを大きく下げるだけでなく、生活習慣病の予防にも繋がます。

ただ、厳しい制限は長続きしませんので、好きなものを食べる日を月1回もうけるなど、無理なく長期に出来るように心がけてもらえればと思います。

また、腎臓内の石灰化や結石の有無、大きさなどを知っておくことも大切ですので健診で超音波検査を受けることをお勧めします。

健康寿命を延ばしていきましょう!

ライター名(ランサーズ名):まさざね君

<経 歴>

臨床検査技師の国家資格を2000年に取得。

臨床経験は、総合病院で15年、癌・肺疾患専門病院で5年目になります。

臨床現場では、健診から救急患者まで生理検査を中心に従事しています。

臨床検査技師は、血液などの検査値だけでなく、細菌培養、画像診断、細胞や組織などについても検査して報告しています。

これらの検査を通して、病気の原因、検査、治療、予防など分かり易くお伝えしていきます。

気になるは病気について、少しでもお役に立てれば幸いです。



カテゴリー:臨床検査技師【尿管結石】, 臨床検査技師【検査値】, 尿管結石, 検査値

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