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慢性腎不全について実体験(人工透析)
病の特徴を簡単に説明しておきます。但し此れから書く病状は一個人の体験によるもので、全ての患者に当てはまるものでは在りません。
もくじ
慢性腎不全とは?
慢性腎不全とは、字のごとく腎臓機能が低下して体内の毒素が外に出す事が出来なくなり体内に水分が溜まりむくんでくるのが大体の病状です。
病状が進むと人工透析をしなければ死に至る病です。

入院をして人工透析をしなければ死にますと言われた時は、人生が終わったと思いました。
まず頭に浮かんだことは今までの仕事の事とこれからの家族の生活、収入面での不安でした。
実際にこれが現実であり、どうすることも出来ないストレスでした。
人工透析についての知識は殆どなく透析についての不安もあり、生活や仕事、透析と人生がこれから変わって行く事を少しずつ実感していきました。
私は建設業界で仕事をしていたので当然仕事に就く事は出来なくなりました。
自身が感じる病状(イメージ)
人工透析を始めてみて、週に3回、最初は3時間で、1年もすると4時間になりました。
透析中は自由が無くベッドに寝ながらの治療が始まります。
中にはトイレに行けずにそのまましてしまう人もいます。
精神的な面が可なり大きくなります。
これから病の治療の経過や初期の体調の変化、治療など個人病状ですが書いていきます。
治療経過
30代で痛風になり大学病院に20年近く定期的に通っていました。
50代半ばに先生から腎臓の機能が低下して来ていると言われましたが、その時は気にも留めずいました。
しかし、1年位経つと腎臓の数値が少しずつ低下してきているので腎臓の薬を飲むようになりました。
この時もまだそれほど深刻には考えてもいません。
初めて気になりだした症状
それは靴下の後でした。
靴下を脱ぐときにゴムの所の皮膚がやたらに凹んでいたのです。
この凹みは普通ではないと思い、近くの病院に行きましたがこのむくみは疲労からも来るとの事でした。
腎臓について多少の知識が付いていたので腎臓から来るむくみかも知れないと思いました。
暫くすると忘れてしまっていたのですが。
それから2年か3年が経ち、足のむくみは時々あり、加えて軽い下痢が続くようになりました。
当時電車通勤で成田まで通っていたのですが、途中で我慢できない事が増えていきました。
暫くして通勤だけではなく普段も我慢できなくなってきていました。
この頃足のむくみもひどく、食事も殆ど出来ずカロリーメイトとスポーツドリンクだけになりました。
薄々、人工透析を初めて意識した時期です。

大学病院にて診察。![]()
間違いなく慢性腎不全と言う病名が付きました。
一月後に入院が決まるのと同時に食事療法も始まったのです。
特に生野菜や果物は食べてはいけないと言われました。
入院までの間、食事療法をしましたが遅かったようです。
入院した日に担当医がやって来て「透析をしないと死にますよ」と言われ、ベットの上で首から血液の管を2本差し込まれました。ちょっとした手術だと思います。
3か月半程入院をして左手に「シャント」を作る為の入院でした。
シャントとは、血管のバイパスを作り透析中に血液が体を回る様にする手術です。それを利き腕の反対に作ります。
この時は他人事のように聞いていましたがナトリウム、カリウムなどを自身で意識して控えるように言われましたが、何の事やらでした。
無事にシャントの手術も終わり、住んでいる場所から近いクリニックを探して通う事になります。
透析の針はとても太いので毎回針を刺すときは痛みを伴います。
上手いか下手かは勿論看護師さんにも寄りますが。
その後の経過について。
各人には「ドライウエイト」(自身に合った透析終了時の目標体重の事)の設定があり最初は決まるまで体調不良を起こしました。
不良には発熱、のどの渇き、血圧の低下,筋肉の痙攣、除水量の不適切などの症状が出ますがあくまでも個人差があります。
現在も治療中ですが、ドライウエイトやナトリウム,カリウム の意味も分かり自身で管理が出来る様になっています。
簡単になぜ管理が必要なのかというと、数値が上がると心臓に負荷がかかり心臓が止まってしまうのだそうです。
治療中、今後どのような状態にもっていけるのか。![]()
人工透析は死ぬまで続けなくてはならないでしょう。
そのため、生活の中に組み込んでいかなければなりません。
死と向かい合った経験から、なんだか死んだつもりになったら今までの力が抜けて楽な気持ちで居られるようになりました。
同じ病気になっている人へ。

見かけは全く普通の人と変わりがないので、誤解もされやすいと思います。
しかし、1級身体障がい者にあたるのです。
何年かするととてもいい薬と人工透析器の機械も比べ物にならないくらい進化しているかもしれません。
それまで皆さんは元気を出して頑張ってください。
ランドセルタイプのように、背中にしょって透析が出来る時代がくるのもそんなに遠くない現実かも知れません。
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