【作業療法士監修】高齢者に多い4大骨折と、転倒予防の取り組み 

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「老後も寝たきりにはなりたくない!」「一生自分の足で元気に歩きたい!」
自分の老後を考えた時に、誰しもこのように考えると思います。

寝たきりの原因で代表的なものは、
①脳卒中 ②認知症 ③高齢による衰弱 ④骨折・転倒 と言われています。

『2019年 厚生労働省国民生活基礎調査』では、骨折や関節疾患など運動器の障害をきっかけにして、要支援・要介護状態になった高齢者が増えてきていることが分かっています。

骨密度の低下は40代から始まっていると言われており、高齢になっても強い骨でいるためには、若いうちからの取り組みが大切です。

今回は高齢者に多い4つの骨折についてと、骨折・転倒を予防する運動や生活習慣について、リハビリの専門家である作業療法士の視点からお話したいと思います。

高齢者に多い4大骨折

まずは高齢者に多い4大骨折、

・大腿骨近位部骨折 
・脊椎圧迫骨折 
・上腕骨近位部骨折 
・橈骨遠位端骨折

について解説します。

大腿骨大腿骨近位部骨折

太ももの付け根の骨折のことで、転倒によって体をねじるようにして倒れた時に起こります。

大腿骨近位部を骨折すると、立つ、歩くなどの基本的な動作が難しくなってしまいます。

大腿骨を骨折した人の5人に1人が1年以内に亡くなっており、5年生存率は約50%。寝たきりになる原因のひとつとも言われている、とても怖い骨折のひとつです。

脊椎圧迫骨折

背骨の骨折のことです。転倒による尻もちや、重いものを持った際の背骨への負担が原因となり、脊椎が圧迫されることで生じます。

骨粗しょう症が進むと、無理をしていなくても普段の生活の中で起こることがあり、「いつのまにか骨折」と言われるものもあります。

上腕骨近位部骨折

腕の付け根の骨折のことです。転倒によって肩を直接打った場合や、肘や手をついた時に起こります。骨粗しょう症の高齢女性に多い骨折です。

骨折とともに、脱臼や腋窩神経の損傷を伴う場合があるので注意が必要です。

橈骨遠位端骨折

手首の骨折のことです。転倒して、手のひらや手の甲をついた場合に起こります。

頻度は多いですが、手術や保存的治療により比較的良好な経過となる場合が多いです。

骨折・転倒を予防する運動

これらの骨折のほとんどは「転倒」「骨粗しょう症」が原因となっています。

つまり、転倒予防と骨粗しょう症対策に取り組めば骨折のリスクが減らせるというわけです。

まずは、日常生活でも簡単に取り組める、骨折・転倒を予防する運動をお伝えします。

◆かかと落とし運動

「かかと落とし運動」は骨密度を高める、最も効率的かつ効果的な運動と言われています。やり方はとても簡単。

まずまっすぐ立ち、かかとを上げ、力を抜いてストンと地面に落とします。

ポイントは、かかとを軽く床に打ちつけるイメージで!かかとを刺激することで、骨芽細胞を活性化させ骨の代謝が促進されるというわけです。

◆ハーフスクワット

骨折しにくい体作りには、筋力トレーニングも大切です。

なかでもスクワットは足腰筋トレの王道!手軽で効果的な筋トレです。

こちらもやり方は簡単。

まず机や椅子の背もたれなど、安定したところにつかまります。

足は肩幅に開き、ゆっくりと膝を軽く曲げます。

続けてゆっくりと立ち上がりましょう!

ポイントはお尻を突き出すよう腰を落とすこと

あと、頭を前に倒さないことです。

◆片足立ち

転倒防止にはバランス力アップも大切です。そのバランス力の要は、全身を支えている足裏にあります。

足全体の筋肉を強化し、感覚を磨くための運動として片足立ちが有効だと言われています。やり方は次の通りです。

まず机や椅子の背もたれなど、安定したところにつかまります。

片方の足を5~10cm上げ、そのまま1分ほど頑張ってキープしましょう!

バランスを保つため、足全体の筋肉を使います。

ふらついて転びそうになった時でも、踏ん張る力がつくということです。

骨を強くする生活習慣

◆1日に15分程度、日光浴しよう!

骨を強くするには、日光に当たることも大切だとご存知ですか?

骨にいい栄養素といえばカルシウム。ただし摂取したカルシウムを体内に取り込む際に必須なのはビタミンDです。

ビタミンDを体内で作る際には、紫外線が大切な働きをします。ビタミンDは紫外線に当たると皮膚で作られるので、日光に当たる必要があるのです。
地域や季節などによって違いますが、1日に15分程度日光を浴びるとよいと言われています。

また、環境省が出している情報では「両手の甲くらいの面積が15分日光に当たる程度、または日陰で30分くらい過ごす程度で、食品から平均的に摂取されるビタミンDが供給される。」となっています。

日本人のおよそ50%がビタミンD不足の状態ともいわれる現代。女性は特に過剰な紫外線対策をしがちですが、骨のことを考えると日光に当たることも大切だということを覚えておくといいかもしれません。

◆ウォーキングもオススメ!

骨力、筋力、柔軟性、心肺機能も高められる全身運動であるウォーキング。

ウォーキングでは前進する時に、足を前に踏み出し、かかとから着地します。

既に紹介した「かかと落とし運動」と同様、骨を刺激して骨密度がアップし、骨粗しょう症を予防する効果が期待できるのです。

長く行えば有酸素運動にもなり、体力向上・ダイエット効果も。下半身全体の筋力を使うので、足の筋力もアップして転倒防止にも効果的なオールマイティな運動です。

効果的なウォーキングのポイントは・・・・

やや大股で、1歩ずつ、かかとから着地!
かかとから着地させることで骨力アップに!
腕は大きく振り、視線は遠くの方へ!
腕も使うことで、全身運動としての効果がアップ!

正しい姿勢を維持することも大切です。

骨を刺激するために行うなら、10分程度の短時間でも効果は得られます。
晴れた日に行うと、日光浴の効果もあり一石二鳥!
ただし夏場は熱中症に注意が必要です。
自分の体力に合ったペースで、無理なく続けられるようにしましょう。

おわりに

今回は高齢者に多い4大骨折と、転倒・骨折を予防する運動や生活習慣についてお伝えしました。

ポイントは転倒予防と骨粗しょう症対策です!
まだ先の話・・と甘く見ずに、早め早めから転倒予防・骨粗しょう症対策を意識して、「老後も寝たきりにならない元気な体作り」を目指しましょう!

最後まで読んでいただきありがとうございました!



カテゴリー:骨折, 作業療法士【骨折】

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