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・統合失調症
もくじ
発症から入院
私は18歳で、地方から広島の大学へ進学しました。
ところが、田舎から都会への順応ができずに、人間関係なども上手くできなく、2ヶ月ほどで中退してしまいました。
その後、実家に戻り、無気力な状態で、昼夜逆転の生活をしばらくしていました。
夜遅くまでテレビを見て、昼過ぎに起きるという生活で、将来に対する不安がありました。
その年の夏にはアルバイトをしたのですが、また対人的にストレスを抱えていました。
すると、そうしているうちになんだか周りの目が気になり出すようになり、自分が遠巻きに観察されているような感覚がだんだん強くなってきました。

「自分の部屋を双眼鏡で覗かれてるのではないか?」
と、止まっている車を不審に見てしまったり、窓の外を睨み返してみたりしていました。
そうしているうちに段々と、
「これは誰かに監視されているな」
と思い込むようになりました。
自宅に盗聴器が仕掛けてあると思い込み探してみたり、行動が反抗的になって、挙動がだんだんおかしくなっていきました。
そんな時に、幻聴と会話できるようになり、自分の考えていることを読まれる感覚に陥ってしまいました。
幻聴と心の中で会話できる状態で精神的に限界を超えて、耐えきれなくなり、自殺未遂を行い、そのまま緊急入院となりました。
入院生活
入院生活は、最初は幻聴との戦いでした。
誰かが遠くから私を見る事ができて、考えたこともわかると信じ込んで、生涯治らないと思い込んでいました。
服薬をすぐに開始し、当初は何種類も粉薬を飲んでいました。
2週間ほどで薬を変えて効果を試すということが4ヶ月ほど続きました。
とにかく、幻聴が私の考えを読んで、言いふらしている感覚が続いて、精神的に参っていました。
とにかく人間不信でした。

そうしているうちに、その後長いこと苦しめられるのですが、胃の調子が悪くなり、ものがほとんど食べられない状態になりました。
食べると吐き気がして、食べきれないのです。
3年くらいまともに食事ができなかったです。
入院生活で、他の入院患者さんとの関係もストレスに感じ、入浴もめんどくさくなり、幻聴も頻繁に聞こえて当初は地獄の苦しみでした。
イヤホンを耳にはめて、大きめのボリュームで音楽をずっと聞くのが日課でした。
2ヶ月くらいしたときに、一度、試しに自宅に帰って見たのですが、幻聴に興奮して、暴れて、また入院生活に戻りました。
当時、車の中や、お風呂で幻聴がひどかったです。
もう住んでいる地域も嫌になって、4ヶ月入院したのち、地元を離れて、名古屋に母親と一緒に引っ越しました。
退院して自宅療養
退院して、自宅療養をなんとかできる状態になり、母親と一緒に生活していました。
ほとんどが無気力状態で、1日の大半を寝て過ごしました。
幻聴は相変わらずに聞こえていました。
例えば
「最悪や」
「お前なんか死んだらいい」
と言うような幻聴がリアルに聞こえてくるのです。

自分のことを複数人で悪く言う声が聞こえていました。
精神的に消耗して、起きてることができない状態で何もできない時期でした。
今のようにYouTubeがある時代でもなかったので、こんな症状は自分一人だと思い込んで不安でいっぱいでした。
当時、同じ病気の人とも関係を持つ気にならず、デイケアにも行かなかったです。
そんな状態から、少しずつ少しずつ、改善していって、本を読んだり、映画を見たりという事ができるようになっていきました。
危険物取扱者の資格も取得する事ができて、アルバイトに行く気力も出てきて、アルバイトに行くのですが、すぐ辞めるということを繰り返していました。
当時はこのままではいけないという焦りがありました。
今考えたら、もっとデイケアとか福祉サービスを使って、緩やかに社会復帰する方法もあったなと思います。
社会復帰から現在
そんなときに、統合失調症の良い薬が開発されて、リスパダールを朝に一錠と寝る前にロヒプノールを一錠と変わりました。

この薬を飲み出して、社会復帰ができるようになりました。
最初は、病気を隠して、不動産会社の営業事務に就職したら、社会常識のなさと、上司と折り合いが全く合わずに、4ヶ月で解雇されました。
寝る前のロヒプノールが、たまに日中も残って、昼過ぎまで眠気が消えないこともありました。
そういう日は、働いていたらなかなかしんどかったです。
それから、ごみ収集などのアルバイトで体力をつけて、27歳で警備会社に就職し、なんとか一人暮らしができるようになり、自立できるまでに回復しました。
社会に出たら、病気への偏見で嫌な思いをすることもありました。
38歳の時に、もう治ったと勘違いして、薬を半年やめたら、また悪くなってしまい、やっぱり治ることは難しいのだと実感して毎日の服薬を欠かさないようにしています。
発症から22年たった今でも、通院服薬をしております。
現在は寝る前の睡眠薬も飲まなくて大丈夫になり、寛解状態を維持できています。
一般枠で働いているのですが、簡単な仕事ならできます。

今、症状に苦しんでいる方も、時間が経てば、あの時は辛かったなと振り返り、
感慨深く思い出すくらいに回復することのできる病気です。
諦めずにいきましょう。
まとめ
私の統合失調症の実体験を書いてきましたが、発症当時は生きるのも苦しい状態でした。
しかし、毎日服薬して、根気強く治療すれば、数年で回復できる病気です。
医師や福祉サービスなどとよく相談して、焦らずに、休むときは休んで、少しずつでいいので、回復して、自立できるようになりましょう。
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