【看護師監修】小児突発性発疹:原因、治療どうすればいいの?

この記事を読むのに必要な時間は約 7 分です。

もくじ

小児突発性発疹とは?

突然の高熱にびっくりする突発性発疹。

3日ほど続いた熱がやっと下がってよかったと思っていたら、今度は、赤いぶつぶつがでて、2度びっくりする突発性発疹は生後4か月ごろから、3歳ぐらいまでの子どもに発症する感染症です。

3歳までにこの突発性発疹をおこすウイルスに感染する割合は99%。

突発性発疹は症状の出ない不顕性感染(ふけんせいかんせん)が20〜40%あるのも特徴の一つで、以前は「知恵熱」とも考えられていました。

突発性発疹の原因はなに?

原因はウイルス。

種類はヒトヘルペスウイルス6型と7型によるものです。

このヒトヘルペスウイルスは 人に感染するヘルペスウイルス8種類の仲間で、唾液を通じてうつります。

6型と7型があるので突発性発疹に2回かかる人もいます。

病気の経過

感冒(かぜ)と違って、鼻水が出るようなことはありません。

食欲がない、何となく不機嫌といったような前ぶれとなる症状もはっきりせず、突然の高熱が3~4日続きます。

その後、熱は下がるのですが、下がりかけると全身に赤いブツブツ出てきます。

発疹は毛細血管が部分的に拡張して赤く見えている状態なので、発疹にかゆみはありません。

発疹は3日~1週間続き、痕(あと)を残さず消えてくれます。

なぜ、4か月~12か月の子どもがかかりやすいの?

この時期の赤ちゃんはお母さんからもらっている免疫が弱くなるからです。

お母さんからもらった、生まれながらにもっている免疫物質を「移行抗体」とよびます。

この「移行抗体」はお母さんがつくった免疫抗体で、胎盤や初乳を介して赤ちゃんに移行するので「移行抗体」といっています。

この免疫が働いてくれている間は唾液からヒトヘルペスウイルスが赤ちゃんに入ってきても、ウイルスをやっつけてくれるので発症することは少なくいのですが、生後6か月を過ぎる移行抗体は減少してくるので、ウイルスに対応できなくなって発病してしまいます。

突発性発疹の潜伏期

感染して発症するまでの期間を「潜伏期」といいます。

突発性発疹の潜伏期は約10日で、言い換えると10日ほど前に感染したことになるのです。

ウイルスの感染と聴くと、心配のあまり感染源を探してしまいがちですが、誰もがもっているウイルスなので、いつ、誰から感染したかはあまり気にせず熱のケアを心がけます。

隔離や、感染予防策も必要ありません。

突発性発疹かもしれないと思ったら?

あわてないで、熱の変化を観察しましょう。

はじめは1時間ごとに測ってみます。

37℃台の熱であれば、急いでクリニックに受診することはしないで、おうちででようすをみます。

大きな変化がなければ体温測定を朝・昼・夕方の1日3回に変えて熱の変化を続けて観察します。

遊びたがるしぐさがあり、食事がとれれば、緊急性はないと判断して家でようすをみても大丈夫です。

発熱時のケアをします。

突発性発疹の熱は高い割に、機嫌がいいので無理に寝かせたり、温めたりする必要はありません。

でも、遊ぶからといって睡眠をとらず、遊ぶがままにせず体力の消耗を避けるために少し遊んだらお昼寝をさせます。

お熱があると汗で衣類が濡れていたら、シーツや衣服を交換し、水分補給をします。

※水分補給に良い飲み物

湯ざまし、麦茶、乳幼児用イオン飲料、経口補水液、うすめた果汁、野菜スープなど

※観察ポイント

全身の症状、顔色、機嫌、おしっこの量・色、食欲、便の状態

受診するタイミング

体温が急に上がり、高熱(38.0度以上)になったときは受診を考えます。

観察ポイントにある症状がでてきたら、受診を迷うことはありません。

休日の前日なら38℃を待たず昼間の間に受診して解熱剤をいただいておくのもよいと思います。

夜になって病院を探したり、熱のあるお子さんを連れて、遠い夜間救急センターまで行くのは大変です。

合併症はあるの?

・高熱が出たときときには熱性けいれんが起きることもあります。下痢になる子もいます。また下熱後に不機嫌になってしまう場合(不機嫌病)も出てきます。

・ごくまれに脳炎、脳症、劇症肝炎、血小板減少性紫斑病など長期の治療が必要になるケースもあります。

診 断

発疹がでれば、診断は確定されるのですが、多くの場合、高熱で受診しているので突発性発疹であるとの確定はできません。

でも、咳や鼻水など感冒症状がなく、熱だけの症状で月齢や年齢を考慮して総合的に経過から診断判断して、突発性発疹の疑いと診断されています。

検 査

すぐに結果の出る有効な検査はありません。

検査をするとしたら、血液中の抗体検査か血液(急性期)からウイルスを分離する方法になるので、結果が出るまで数日待つことになります。

その間に熱は下がってくるので、合併症が出ない限り検査をすることはほとんどありません。

治 療

突発性発疹の特効薬は残念ながらありません。

熱があるときは解熱薬をいただき、気分が良くなるまで冷やします。

下痢があるときは下痢止めが処方されます。

このように症状にあった治療(対症療法)をしてようすをみることになります。

熱が高く、熱性けいれんを合併した場合も、数分内に収まって意識が回復するので、急いで受診する必要はありません。

発熱だけであれば、頭や脇の下、足の付け根、首元などを冷やしてあげながら、小児科にコンタクトをいただいて大丈夫です。

体温が38℃に上がったら解熱剤を服用してもよいでしょう。

4~5日たっても熱が下がらない場合は?

受診を考えましょう。

意識がぼうっとした状態や熱のない痙攣(けいれん)の場合など、熱以外の症状が出たときも、合併症や他の病気を想定してかかりつけ医に連絡を取ります。



カテゴリー:看護師【突発性発疹】, 突発性発疹

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