【臨床検査技師監修】長引く咳に不安を感じて疑う病気とは?!

この記事を読むのに必要な時間は約 7 分です。

突然ですが、全く治る気配のない風邪(咳)症状に悩んでいませんか?

・2週間以上咳が止まらない。

・たばこの煙、飲酒、会話中に咳がでる。

・日中よりも夜に咳がひどくなる。

もし、このような症状があれば、風邪ではなく咳喘息かもしれません。

今回は、アレルギー体質の女性に増加している咳喘息についてお伝えします。

この記事を読んで、自分の症状に当てはまるようなときは、専門医療機関(呼吸器科)への受診をお勧めします。

咳喘息と気管支喘息

咳喘息と気管支喘息は、似ているように思われますが、別の病気として扱われています。

それぞれの疾患の特徴は、以下のような感じです。

咳喘息

咳喘息は、2週間以上(時には数ヶ月)続く慢性的なアレルギー性の気管支炎です。

また、約30%が気管支喘息に移行すると言われていますので、早めの治療が大切です。

症状

痰を伴わない空咳のことが多く、夜間や早朝に悪化することがあります。

また、咳が出だすとなかなか止まらないというのが特徴です。

そのため、昼間に人と話そうとすると咳が出てなかなか止まらなくなったり、夜に咳が出て寝られず寝不足になったりすることもあるので、日常生活に支障をきたす傾向があります。

原因

咳喘息は、いろいろな刺激で気道粘膜が過敏になり、咳の発作が起こります。

主な原因には、以下のことが挙げられます。

  • 感染症(細菌・ウイルス)
  • アレルギーの原因となる物質を吸入
  • たばこの煙
  • 急激な温度変化
  • 春や秋などの特定な季節
  • ストレス

気管支喘息

気管支喘息は、気管支の慢性的な炎症が原因といわれています。

気管支が何らかの原因で炎症を起こして過敏になることで、腫れて狭くなったり、痰が出るようになります。

症状

喘息発作が起き始めると、「ヒューヒュー」「ゼーゼー」の喘鳴(ぜいめい)が起こり、呼吸困難の症状が出始めます。

この呼吸困難がひどくなってくると、前かがみに座らないと呼吸ができなくなります。

この状態がしばらく続いたあと、乾いた空咳によって呼吸をさらに苦しくさせるのです。

痰は、透明で粘り気が強いため、なかなか吐き出すことができません。

喘息発作が重症になると、激しい咳などで血中の酸素不足となって意識を失ったり、チアノーゼ状態に陥ることがあります(SpO2でも重症度を判定します。重篤であれば90%以下まで下がります。軽症 96%以下、中等度 91以上95%以下

原因

気管支喘息発作の引き金となる主な原因には、以下のことが挙げられます。

  • アレルギーの原因となる物質を吸入
  • 感染(細菌・ウイルス)
  • 激しい運動
  • ストレス
  • 季節の変わり目や急激な温度変化など

これらの原因以外でも、喘息発作が発症することがありますが、現時点ではハッキリとわかっていません。

検査と診断

咳喘息、気管支喘息では、胸部レントゲン検査、肺機能検査、呼気NO検査、血液検査(アレルギー反応検査)などを検査します。

胸部レントゲン検査

どちらの喘息も、明らかな異常は認めません

肺機能検査

最大限に息を吸って一気に吐いたときの空気の量を調べる努力性肺活量を検査します。

努力性肺活量検査のデータと波形から気流制限が見られる場合は、ぜんそくが疑われます。

また、喘息は気道が狭くなっているため、気道を広げる吸入薬を用いた検査も行います。

吸入する前と吸入後に検査を行い、吸入後に気道が広がっていれば量が改善されるので、他の病気と鑑別できます。

呼気NO検査

NO(一酸化窒素)は、体の中で好酸球による炎症があると多くつくられます。

呼気中のNOの量を調べることで、気道の炎症状態を数値で知ることができます。

喘息以外にも鼻アレルギーなどでも上昇しますが、36ppbを超えた時は喘息が疑われます。

血液検査

アレルギーがあると白血球(好酸球)が増えるので好酸球数を調べます。

また、総IgEを調べることで、アレルギーになりやすいかがわかり、抗原特異的IgE抗体検査で、ぜんそくの原因となるアレルゲン(ハウスダスト、ダニなど)を特定します。

これらの検査で分かるのは喘息の有無で、咳喘息と気管支喘息の鑑別は非常に困難です。

そこで、咳喘息の診断基準には、以下の7項目があり、その中でも1~3の問診が非常に重要となります。

咳喘息の診断基準

1.喘鳴を伴わない咳が2週間以上続いている。

2.呼吸困難を伴うような喘息にかかったことはない。

3.1か月以内に風邪などにかかっていない。

4.気道過敏(ちょっとした刺激で咳が出る)である。

5.気管支拡張剤を使うと楽になる。

6.アレルギー物質に反応して咳が出る。

7.胸部レントゲンでは異常がみられない。

1~3に当てはまる場合は、咳ぜんそくが強く疑われます。

治療

咳喘息も気管支喘息も市販の風邪薬、処方薬の咳止めでは、全く効果がありません。

治療には、気管支拡張薬、抗アレルギー薬、吸入ステロイド薬を使用します。

治療を開始すると1~2週間で症状が改善してきます。

まとめ

咳喘息を発症すると、約30%の患者さんが気管支喘息に移行すると言われています。

また、治療が不十分であったり自己中断してしまうと再発のリスクが上がるので、しっかり治療をすることが大切です。

この記事を読んで自分の症状に不安を感じたら、早めの専門医療機関(呼吸器科)に受診してください。

ライター名(ランサーズ名):まさざね君

<経 歴>

臨床検査技師の国家資格を2000年に取得。

臨床経験は、総合病院で15年、癌・肺疾患専門病院で5年目になります。

臨床現場では、健診から救急患者まで生理検査を中心に従事しています。

臨床検査技師は、血液などの検査値だけでなく、細菌培養、画像診断、細胞や組織などについても検査して報告しています。

これらの検査を通して、病気の原因、検査、治療、予防など分かり易くお伝えしていきます。

気になるは病気について、少しでもお役に立てれば幸いです。



カテゴリー:臨床検査技師【検査値】, 検査値

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