【介護福祉士監修】親に介護が必要になったら?【同居と別居でできること】(前編)

この記事を読むのに必要な時間は約 9 分です。

病院から今後の生活の相談にくるように電話がかかってきた。

しばらくぶりに実家に行ったら、家事ができておらず家がぐちゃぐちゃ。

父親の世話を手伝ってほしいと母親からSOSがきた。

親はいつまでも元気だと思いたいものですが、2025問題を目前にした日本の高齢化率を考えれば、このようなことは誰にでも起きる可能性があります。

2025問題とは、団塊の世代が75歳の後期高齢者となることで高齢化率が上昇し、社会保障費の増大が見込まれている問題のことです。

現在も高齢化のペースは大きく変わっておらず、日本は2025年に4人に1人が高齢者という、世界でも類をみない高齢者の多い国になる予測です。

いよいよ身近になってきた高齢化の問題ですが、なにより一番近い自分の親についてどうするか、お考えになったことはありますか?

今回は、実際に親に介護が必要になった場合、子供にできることをお話しいたします。

方針を決める

いざ親が介護状態になると、どうしたらよいか困りますよね。

まずは落ち着いてください。

そして、伺います。

ご自身の中で、介護をしていくのか、それとも無理なので施設にお願いするのかなど、大枠の気持ちは決まっていますか?

親の状態によってどのような介護が必要になるか違いますが、まずはそこを明確にしていく必要があります。

今は頑張って介護したいけれど長期的には難しい、今は介護できないけれどリハビリで状態がよくなったら家で介護できるかもなど、介護への思いは皆さん違います。

方針がはっきりしていると落ち着いて対処できるものです。

簡単に方針を決めるといっても、自分たちだけで決めることではありません。

勢いで決めてしまって後で後悔しないように、よく相談して決めることが大切です。

親の介護を考えるヒントになるよう、代表的な3つの介護の方向についてお話します。

在宅介護

もともと同居していて家で介護をする、自分が実家に戻る、もしくは親を自宅に呼び寄せて介護をすることです。

費用の面では通い介護、施設介護よりも安く済みますが、生活費や介護費をどこから捻出するかをあらかじめ決めておきましょう。

また転居を伴う介護を選ぶ場合、家族の意見を取り入れないと夫婦問題になりかねないこと、親を呼び寄せる場合環境の変化が大きいことにも注意が必要です。

在宅介護は仕事をしていても朝夕は様子を見ることができるので比較的介護がしやすく、介護サービスの利用によっては重い介護状態でも生活が可能なこともあります。

逆に24時間介護ができる環境のため、親からだけでなく周囲からも頼りにされてしまい、常に介護のストレスが付いて回ります。

優しい性格の方に多いですが、なんでも抱え込むことは危険です。

ショートステイで休息を

自身の時間を確保するために、デイサービスやショートステイの利用を積極的に取り入れましょう。

デイサービスよりも時間を多く取れますし、介護のことを気にせずゆっくり眠ることは精神衛生上とても大切です。

費用はかかりますが定期的にショートステイの利用を組み込んでしまうことがおすすめです。

親がショートステイを拒否する場合も考えられますが、大型連休にはショートステイにいってもらうなど、どこかで折り合いをつけてお願いしましょう。

通い介護

お互いに住まいを変えずに、自分が通って介護をすることです。

親との距離を保てるのでストレスは在宅介護よりも少ないですが、予定外の呼び出しに応じる負担やすぐに様子を確認できない不安はあります。

親も自分も住まいの環境がかわらないことがメリットですが、実家との距離により通う頻度は変わります。

自宅から車で30分程度という場合は、仕事帰りに寄ったり曜日を決めて介護にあたることができますが、県外から通う場合は頻繁には通えないため、できることはかなり限られるでしょう。

通い介護では近くでも遠くでも、日ごろの世話は介護サービスをメインに考えていく必要があります。

ご自身はキーパーソンとしてケアマネジャーとの連絡や面談を行ったり、通院付き添い、衣替えや大掃除、庭の手入れなどの介護保険ではまかなえない生活の支援を行うと、親の生活の質を保つことができます。

どのような介護サービスを利用するかは、担当のケアマネジャーとよく相談することをお勧めします。

こんなサービスも

日常的に介護が必要な状態で通い介護を行う場合、定期巡回随時対応型訪問介護や小規模多機能型居宅介護という選択肢があります。

定期巡回随時対応型訪問介護とは、一か月定額で短時間のヘルパーさんを繰り返し利用できるサービスです。

短い時間なので家事支援はできませんが、日に何度も介護が必要な排せつの問題、食事介助、服薬確認などに有効で、オンコールで緊急の依頼もできる安心なサービスです。

小規模多機能型居宅介護とは、通いと泊まりと訪問が一つの事業所で利用ができるサービスです。

グループホームを併設していることもあるので、自宅で暮らすことが難しくなったら入居に切り替えることも可能となる心強さがあります。

施設介護

施設介護は、親の介護を施設にお願いすることです。

同居できない、仕事が忙しい、自身も病を抱えていて介護どころではない、もうすでにほかの家族の介護をしているなど、施設にお願いする理由はさまざまです。

施設介護を選ぶことは決して悪いことではありません。

親は適切な介護を受けられますし、ご自身も介護の心身の負担を負うことなくお互いに安心して生活を送ることができます。

無理な在宅介護を選ぶよりもよい結果を生む場合もあります。

しかし難点は、費用がかさむことと、希望の施設に入れるとは限らないことです。

お住いの地域にもよりますが、費用を抑えて入所できる施設は古い上に空床が少なく、すぐに入所できて環境もよいところは費用が高いことが普通です。

最近増えているサービス付き高齢者住宅ですと、立地によっては入所よりも費用を抑えて生活ができることもあります。

施設入所のエージェントサービスも増えていますので、遠方からの相談も可能です。

認知症状がある場合

在宅介護でも通い介護でも、認知症状が強いと心配事は増えます。

すべての生活様式を認知症状が出る以前のものには戻せませんから、ご自身もある程度割り切りが必要です。

認知症状を受けいれることは容易ではありませんが、多少不便な生活になっても親にもご自身にもOKを出せる余裕があるか、日ごろから気にかけてください。

自分ではできなくてもご家族や友人、ケアマネジャーなどに苦労を打ち明け、ご自身が孤立しないことが大切です。

安否確認

認知症状のある親の介護で、あると安心なのが安否確認サービスです。

お金をかけて委託する警備会社等のサービスと、自分で見守りカメラを設置してパソコンなどで確認するものがあります。

警備会社など有料のものは、いざという時に駆け付ける付帯サービスがあるのでより安心です。

自分で設置したものは気軽に利用できるので、設置にかかる知識がある方にはお勧めです。

長くなりましたので今回はここまでにします。後編は明日12時公開になります。

ライター名(ランサーズ名):石塚もここ

<経 歴>

音楽大学中退後、介護福祉士・介護支援専門員として自転車に乗り地域を奔走する3児の母。

ライター業も加わり4足のわらじを履いている。

通所リハビリで取り組んだ音楽療法ではお年寄りと一緒に本気で歌謡曲を熱唱していた。

介護へのナーバスな印象を払拭したい思いで介護関連の記事を書いている。



カテゴリー:介護, 介護福祉士【介護】

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