この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。
こんにちは。今回は前回「【骨粗しょう症】医師と患者の対話記事①【診断編】」の続きです。
処方箋をもって来局した患者(74歳女性)さん。
薬局でお薬をもらうまでにどのような会話をするのかを記事にしてみましたのでご覧ください。
↓次のものが医師から出された処方箋になります。↓
処方
アレンドロン酸ナトリウム水和物錠
1日1回 1錠 起床時 (週1回内服) 2日分
エルデカルシトールカプセル(0.75μg)
1日1回 1錠 朝食後 14日分
こんにちは。
こんにちは。アンケートのご記入ありがとうございます。
今回はジェネリック医薬品ご希望ということでよろしいですね。
はい、今日から初めて飲む薬を出してもらいました。
分かりました。(アンケートを確認しながら)併用しているお薬はないようですね。
医師からどのような治療をしていくと言われていますか?
高回転型の骨粗しょう症だよとお話がありました。なんでも、骨を壊すほうが作るより速いから骨量が落ちているようです。
なるほど、詳しいお話を聞いているようで安心しました。
本日処方されている薬が医師と患者さんの希望している薬で問題ないですね。
ちなみに歯の治療をされているといったことはありませんか?
歯の治療はありません。
分かりました。
歯の治療をされている場合、「顎骨壊死」・「顎骨骨髄炎」といった症状を呈する場合があります。
歯の治療をする場合はアレンドロン酸を休薬することを考える必要が出てきますので念のため口頭で確認しています。
あの、骨量が落ちるのを防ぐ薬はどちらになるのでしょうか?、骨粗しょう症の薬にもいろいろあると話は聞いているのですが。
はい、骨量の減少を抑える薬はアレンドロン酸ナトリウム35mg「○○」(本来はGEだと○○にメーカー名が付きます)になります。飲み方は、
①1週間に1回、ご自分で飲みやすい曜日を決めて服用すること
②起床時、水で飲み30分間は横にならずにいること
以上2点が気を付けることになります。
起きて薬を飲んだ後30分間は横になってはいけないのですね。なぜですか?
30分間経たずに横になることで食道に炎症が起こる可能性が高くなるからです。
そうなんですね。
また、この薬は飲み物との相性が悪い場合が多いためコップ一杯(180mL)程度の水で飲んでください。
よくあるのがカルシウムを摂ったほうがいいと誤解して牛乳と一緒に服用することがあるのですがそれは薬の吸収を妨げてしまうので気を付けてくださいね。
アレンドロン酸の公的資料「添付文書」より
「本剤は多価の陽イオン(Ca,Mg等)とキレートを形成することがあるので,併用すると本剤の吸収を低下させる。 」
という記述があることからミネラル、特に身近のカルシウムイオンを含む牛乳の摂取を控えるようにお話しています。
分かりました。牛乳などカルシウムは控えます。水で飲みます。白湯でもいいですか。
白湯でも大丈夫です。お茶は控えてください。
分かりました。もう一つのお薬はどのような効果があるのでしょうか。
エルデカルシトールは(活性型)ビタミンDの薬で、腸でのカルシウムの吸収を高めてくれる薬です。
処方箋に記載されているように(処方箋を見せながら)朝食後に飲むように指示が出ています。
今度は朝食後なんですね。こっちではカルシウムを摂ってもいいのですか?
起床時に先ほど説明したアレンドロン酸を飲み30分経過した後、朝食を食べている際に牛乳などカルシウムを含む食べ物を食べても問題ありませんのでご安心ください。
ちょっと紛らわしいですね。。分かりました。食後はいつですか?
食後は食事をしてから30分以内とされています。
食後の時間は片づけをしたり忙しくなり忘れてしまう人が多いです。
なので、「薬を飲んで食事の時間の終わり」と考えてそのあと片付けをしてみてください。
慣れるまでは難しいかもしれませんが少し試してみます。
初めて飲む薬に対しては意識して飲む必要があります。
飲み忘れる可能性を踏まえて前もって服用しやすいタイミングを提示してあげることで飲み忘れを防ぐきっかけになると考えています。
次回、その飲み方をされたか?できたか?どうかを確認し、できなかった場合は飲める可能性を高めるため生活環境を考慮して新たな提案をするよう努めています。
最後に、どちらのお薬も胃腸の調子に影響を与える副作用が出る可能性があります。
普段より胃腸の調子が悪いと感じるようでしたら医療機関にご連絡ください。
また、万が一、飲み忘れ・飲み間違いがあった場合があり不安や気になることがあれば担当医もしくは私たちにご相談くださいね。
はい、わかりました。2週間続けてみます。
その後(会計)→医薬品にかかるお金、調剤にかかるお金などあんまり詳しく調べたことがなかったのでここはこの機会に現場で勉強して医薬品にかかる医療費の削減に繋がるようなものを後日記載します(たぶん)
以上、患者さんが処方箋を薬局に持ってきたことに対して、普段のお薬の説明を会話形式で作ってみました。
この後、Dr.paさん(担当医)に通い続けることで患者さんの治療経過がどのようになっていったのか。それを記事にして頂くことになっています。骨粗しょう症の方は多いので多くの人の参考になれば幸いです。
カテゴリー:投薬, 投薬【骨粗しょう症】