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〜はじめに〜
人間に失敗はつきものです。
でも、ミスが許されない場面は無数にあります。
その為事前に準備をし訓練を重ねます。一例は医療現場です。
医師は6年間勉強し国家試験合格後もさらにベテラン医師の指導の下で教育訓練を重ねます。
それでも時折医療ミスがマスコミを賑わすことがあります。
それだけ現代の医療は複雑で高度なものになってきているのでしょう。
私は古希間近ですが60歳を過ぎてからは毎年のように病気に見舞われています。
65歳頃からはそれがさらに重くなりました。
最初は耳鳴りや知覚過敏であったものが、更年期障害やパーキンソン病の発症という事になってきました。
その中で致命的なミスにはつながりませんでしたが、医師の側のミス、誤診も体験しました。
医師に全てを任せるのではなく、患者の側としても気をつけなければならないことがあります。
患者側として気をつけるべきことは何か、検証してみます。
これから自分の体験をお話しします。
もくじ
ドライマウスの例
60歳を少し過ぎた頃でした。
毎晩飲んでいるビールの味がおかしく感じるようになりました。異常に苦いのです。
それと、同時期に唇がしびれるようにもなりました。
しびれの方は軽度なもので我慢はできましたが、口内炎が増えてきたこともあり掛りつけの歯科医師に口腔外科を紹介してもらいました。
口腔外科とは歯科医ですが、口腔内全般、例えば顎関節症や腫瘍まで対象にしているようです。
問診のあと唾液検査がありました。
脱脂綿を口内に含み一定時間経過後、遠心分離機で絞って唾液の量を計りました。
結果は唾液の分泌が不足との診断でした。
今から調べてみると血液検査も併せて行うのが通常のようですがそれはなく、血液検査の設備もありませんでした。
それからの治療は服薬治療は無く、唾液の分泌を良くするためのマーサージ法の指導や口内の歯石除去等だけでした。
月2~3回一年近く通いましたが、改善がなく自分の判断で病院を変え、かかりつけの耳鼻咽喉科にしました。
耳鼻咽喉科では問診だけで、検査はなく服薬治療のみでした。
唾液分泌改善のためでしょうが、血流改善の薬がメインでした。
2回くらい薬を変えたと記憶しています。
一定の効果はあるのですがどうしても味覚異常が完治しません。
そこで上級機関である、日赤病院を紹介してもらいました。耳鼻咽喉科は半年程の通院だったと思います。
日赤病院では問診の後、最初と同じ方法での唾液量の検査と血液検査があり、唾液検査はすぐに結果が出て異常無しでした。
その後血液検査でドライマウスではなく亜鉛不足と診断されました。
亜鉛が不足すると味覚異常や唇のしびれ口内炎等が起こるとのことでした。
原因が分かればそれでOKと言う訳にはいきませんでしたが、今はほぼ正常に生活できています。
仮面うつ病の事例(誤診ではない)
62歳頃でしたが更年期障害と診断されました。
最後の方の病名は仮面鬱病でした。
この時はベテラン胃腸科医師の助言に助けられました。この時は最初胃腸科を受診しました。
自分で受けた感じが内蔵の不調だと感じたからです。食欲がやや無い、背中が少し痛い、全身がだるいといった症状でした。
念のため本格的な検査をしたのですが
「異常無し」
でした。
この時のベテラン医師が
「2、3ケ月様子を見て下さい。内蔵が悪ければ症状が出て来る、そうでなければ心療内科へ行きなさい」
でした。
この助言が無ければ悲惨なことになっていたと思います。
パーキンソン病の事例
最後にパーキンソン病の件です。
仮面うつ病は服薬により通常通りの生活が送れるようになり2年以上経った頃です。
再び体調が悪くなり、
”体がだるい”
”太ももが重い”
という症状が出てきました。
足の太ももが重く歩きにくい、体がだるいという中で仕事は続けていました。
高齢の母の見舞いに行く時は説明に苦慮しました。
服薬で問題なく生活していましたが、医師の指導で
「勤務している間は服薬治療を続けましょう」
という事になっていました。この治療が約2年間続いていたと思います。
私は50歳前頃からスポーツジムにも通っており、ヨガやピラティス等中心に体に無理の無い範囲で続けていました。
昔馴染みの者もおり、彼が言うには体の動きがおかしいが大丈夫か、との事でした。
自覚はありませんでしたが、その内職場でも多分観察眼の鋭い2、3名の者から同じことを言われました。
その少し後に思い立って水泳をしてみたのですがこの時ショックを受けました。
水泳は苦手な方ですが、今までは25mは泳げていました。
ところが、この時は5m位で腰から沈んでしまい、何度やっても同じであり、自分でも異常を自覚しました。
それから2、3ケ月後のことです。
仕事は機械の保守で仕事の合間は立っていることが多いのですが、それが苦痛になってきました。
立っていると両方の足の太もも部分が疲れて我慢するのがやっとという状況になりました。
自分でもこれはおかしいと感じて、そこから後は毎日の状況を記録するようにしました。
当然主治医に相談したのですが、相手にしてくれません。
「ジムできっちり運動して正しい生活習慣を続けなさい」
だったと思います。
かかっている病院の医師には相手にされず、そんな中で妻の提案で義姉に相談しようという事になりました。
義姉は同年代でこの道50年近くのベテラン看護師です。
妻が事情を話しましたが私の動作を観てすぐに「神経内科へ行け」との指示をくれました。
義姉の言葉が無ければもっと遅れていたでしょう。
スポーツジム指摘されたのが年初だったと記憶していますが、パーキンソン病と診断されたのは9月の末でした。
最後は、自分で動くのが苦しい状態であり、仕事も辞めるつもりで会社にも連絡していました。
この後長い検査等あったのですが、最終的に診断がつき
「普段通りの生活をするのがベスト、薬で3年から6年間は通常通りの生活が送れる」
との主治医の言葉に勇気づけられ、仕事を続けることにしました。
現在発症から約3年ですが趣味のクラシックギターも楽しんでいます。
心配するよりも残りの人生の時間を大切にしたいという気持ちです。
おわりに
受診した耳鼻咽喉科は、日赤病院と提携している事を掲示してありました。
他の病院では見たことがありません。ここは良心的な病院だと思います。
ちなみに仮面鬱でかかっていた医師は中堅の医師で、その病院に神経内科もある病院でした。
医師もミスをすることがあるということです。
国家試験に合格すれば医師ですが、ベテランの医師とは当然腕の差があるでしょう。
患者側が医師を選ぶこともできますが、それだけでは不足だと思います。
自分の意思で医師を変更するのはなかなか勇気がいりますが、今はネット等で医師の相談も受けられるようです。
また、正直に話してみるのも一つの方法だと思います。
おかしいと思えば毎日の状況を記録しておくのも必要だと思います。
自分でも状況が分かるし、医師の判断に役立つと思います。
また、医師よりも永年患者と接している看護師の目が確かなこともあるのには驚きました。
以上になります。お読みいただきありがとうございました。
カテゴリー:体験談
作者は男性ですよね。「更年期障害」の診断名は血液検査もなく行われたのですか?男性の更年期障害の場合には女性の更年期障害の症状がでている場合か、血中の男性ホルモンの低下を示さなければ「更年期障害」ではなく、「自律神経失調症」と診断されて整腸剤を処方されると思うのですが。「更年期障害」と診断された際になにか治療が行われましたか?
更年期障害の診断は血液検査を受けて行われました。男性ホルモンはの値は「正常」でしたがそういう例もある、と言われました。抗うつ薬の処方だったと記憶していますが、最初は効きすぎて階段を走り上がれるくらいでしたが効きすぎと多分副作用の関係で変更しました。「働いている間は服薬を」という事で多分今も夕食後に飲んでいるレクサプロ10ミリ錠を1日3回飲んでいたと思います。
回答ありがとうございます。
更年期障害→仮面うつ病の治療の際に効果が出すぎてとのことですが、これはうつ病ではなく、双極性障害で躁状態になった可能性があります。
レクサプロ錠はいきなり30mg飲ませるのは精神科ではまず行わないので少しビックリしました。
女性の更年期障害の治療で精神的な症状が強い場合に抗不安薬や抗うつ薬が処方されるときがあります。
しかし、この記事の作者のように元気になりすぎた場合には、上述のように別の精神病が裏にある可能性がとても高いので精神科を受診することをお勧めします。