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慢性頭痛とは
頭痛には、『はっきりとした原因や疾患が見当たらない緊張型頭痛や片頭痛が含まれる一次性頭痛』と、『脳出血や脳梗塞など他の疾患が原因となって起こる二次性頭痛』の2つに大きく分けられます。
中でも一次性頭痛は慢性頭痛とも言われ、日本国民の3人に1人が慢性頭痛で悩んでいると言われています。
今回の記事では、この慢性頭痛の症状と併せて予防法について紹介していきます。

もくじ
慢性頭痛の種類
緊張型頭痛

慢性頭痛の代表格とも言える緊張型頭痛は、
●頭痛を発症する時の前兆がない
●ズキンズキンと感じる痛みがない
という特徴があります。
男性よりやや女性に起きやすいのも特徴の1つです。
ストレスと関係していることが多く、【精神的ストレス・肩凝り・首凝りなどの筋疲労】も原因となります。
症状としては、【頭全体が締め付けられるような痛み・めまい・ふらつき】などがあります。
1日中痛むこともあれば、数時間で痛みが治まることもあります。
片頭痛

緊張型頭痛と併せて多くの人が悩まされている片頭痛は
●遺伝性がある
●ズキンズキンと感じる痛みがある
という特徴があります。
男性より女性の方が3倍以上の確率で罹りやすく、女性に多い疾患の1つと言えます。
原因不明の疾患の1つですが、発症する前に
●チカチカするような光が見える
●視野の一部が見えにくくなる
などの症状が出現することがあります。
また、頭痛は頭の片側に起こることもあれば、両側に起こることもあります。
症状としては、【嘔吐・吐気】などがあります。
頭痛が起きている時は音や光に過敏になることがあり、この場合は寝ると楽になることがあります。
群発頭痛

目の奥に強い痛みが走る“群発頭痛”は
●男性に多い
●痛みが激しい
という特徴があります。
片頭痛同様に原因不明の疾患の1つですが、『数時間持続する痛みが数週間群発する』というサイクルが数ヶ月間隔で繰り返されるという特徴もあります。
症状としては、【激しく刺すような痛みが片眼の周囲に生じる】ことがあり、涙や眼の充血などの随伴症状を伴うと言われています。
頭痛の誘発要因
これまでにあげてきた3つの慢性頭痛は、主に次の5つによって誘発されます。

①タバコ
②アルコール
③睡眠不足
④過度な精神的ストレスと身体的ストレス
⑤食べ物
(ハムやソーセージなどに含まれる亜硝酸塩、チーズやチョコレートに含まれるチラミンは頭痛を誘発しやすいと言われているので、摂りすぎには注意が必要です。)
予防法
緊張型頭痛の予防法

①長時間同じ姿勢を取らないようにし、首や肩の血行を良くする
緊張型頭痛に有効なストレッチ
・両肩を上げてストンと落とす(10-20回程度)
・首を左右に倒す(左右ともに5-10回程度)
・椅子に座って前屈運動(5-10回程度)
②蒸しタオルや入浴で身体を温めて、身体の凝りをほぐす
③アロマやマッサージなどを行い、気分転換をする
④心身が喜ぶ食べ物を摂る
大豆・豆製品・魚介類などに多く含まれるマグネシウムは、神経細胞の異常な興奮を抑えセロトニンをコントロールしてくれる効果があります。
その他にも、カモミールやラベンダーなどが入ったハーブティーにも頭痛を和らげる効果があります。
片頭痛の予防法

①睡眠不足にならないようにする
②カフェインを少量摂取する
カフェインには血管を収縮させる作用があり、頭痛が始まった時に飲むと痛みが軽減することがあります。
③痛む場所を冷やす
頭痛が起きている時に痛い場所を冷やすと血管が収縮して痛みの軽減に役立ちます。
群発頭痛の予防法

①群発期のアルコール摂取を控える
②気圧が低い場所は避ける
気圧の変化や体内時計が発症に関与すると言われているので、できるだけ飛行機などの乗り物を避ける。
③身体を温めすぎない
身体が温まると血管が拡張し、頭痛を誘発しやすくなります。
群発期はシャワーなどで入浴を済ませたり、激しい運動を避けるようにしましょう。
まとめ
頭痛には一次性頭痛(慢性頭痛)と二次性頭痛があります。
3人に1人が慢性頭痛に悩まされているのが現状です。
緊張型頭痛はズキンズキンと感じる痛みがないのが特徴で、身体的・精神的ストレスが原因となって引き起こされることがあります。
予防法は、ストレッチや蒸しタオルなどで身体を温めることです。
片頭痛はズキンズキンと感じる痛みがあり、女性に多い疾患です。
予防法は睡眠不足にならないようにすることやカフェインを少量摂取することです。
群発頭痛は目の奥に強い痛みが走るのが特徴で男性に多い疾患です。
予防法には、気圧の変化を避けることやアルコールの摂取を控えることなどがあります。