【ep50】過呼吸(過換気)症候群【日常に大きく影響する不安感】

この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。

みなさんは過呼吸と聞くと、どういった状態を想像しますか。
実は、思っている以上に実際に患っている人には不安や恐怖が付きまといます。
皆さんの今後の参考になればと、私の体験した過呼吸とその後の生活への影響をお話ししたいと思います。

もくじ

発症した時の状態

私が発症した時、引きがねとなったのは風邪の症状でした。
夜中に咳が激しく出たときに、急に呼吸がしづらくなったのです。

息が出来なくて、胸が苦しくなり、強い不安や緊張とパニック状態になりました。
その時は『このまま窒息して死んでしまうのではないか…』という恐怖感に襲われました。
妻に救急車を呼んでもらい、その内に頭もクラクラしてきて、腕や胸に赤い発疹が出来てきました。

何度も息を激しく吸って吐く、過呼吸の状態が長く続くと、呼吸によって二酸化炭素を必要以上に吐き出してしまいます。
そうすると、血液中の炭酸ガス濃度が低くなり、呼吸をつかさどる中枢神経が炭酸ガス濃度の低下を抑えるために呼吸を抑制する働きをします。
その結果、抑制されたため呼吸ができないような息苦しさを感じ、息苦しさを解消するために余計に激しく呼吸をしようとします。
また、この過呼吸の状態が悪化し、血管が収縮し手足のしびれや筋肉の痙攣や収縮も引き起こされ、これらの症状と不安からさらに過呼吸がひどくなる悪循環へつながる場合もあります。

不安や緊張が引き金になる場合が多く、神経質な人や不安を感じやすい人、緊張しやすい人がかかりやすい疾患と言われています。
私の場合は、救急車の到着を待っ間に深く落ち着いて呼吸をするようにしていたので、救急車が到着した頃にはずいぶんと安定していました。

思い当たる原因

この症状が出る以前から、体調が芳しくない状態が続いていました。

昼食を食べた後必ず気持ち悪くなり、トイレで食べたものを嘔吐していました。
心身ともに疲れていたのだと思います。

また、金銭的に苦しく、ストレスも強く感じてました。
仕事が終われば副業に時間をかけて、睡眠時間も少なくて身体がぼろぼろでした。

そんなストレスと体調不良の中で、たまたま咳が引きがねとなっただけで、原因はストレス不規則な生活にあったのだと思います。

発症後に感じた生活への影響

この病気は、発症時に本人は死ぬほど苦しい思いをし、その後も人によりますが、生活に影響が出ます。
私は発症してしばらくは、拘束時間が長かったり逃げ場がない場所にいることに不安を感じるようになりました。
地下鉄や電車の快速、エレベーターに乗る時や、知らない町を歩く時に『また発症するのでは…』と思うと、不安感からか症状が出てしまいました。
そのせいか、しばらくの間は電車に乗るのが恐くてたまらなかったです。
また、怒ったり興奮すると呼吸を乱して過呼吸状態になる日が続き、薬を持ち歩いて生活を送っていました。
地下道を歩いていて急に発症することもあり、地下鉄の駅長室でしばらく横にならせてもらうこともありました。

この病気は、端からみていてわからないもので、周りに理解されにくい病気だと思います。

診断を受けるまでとその後

はじめて発症してから、恐怖感からか一定の間隔で発症してしまい、何日か会社を休む日がありました。
また、寝るとき横になって少し息苦しい感じがしただけで過呼吸が繰り返されました。

この頃は、まだハッキリと何の病気なのか分からなかったので、かかりつけの診療所に行って診てもらいました。
しかし、身体的には何も問題ないと言われ、精神・神経科の診療所を紹介されました。
そして、精神科で過呼吸症候群と診断されたことで、薬での治療やコントロール法などの治療を行っていくようになりました。
もう25年も前のことです。

最初は精神科に通院することにも抵抗がありましたが、その内慣れていき、過呼吸も腹式呼吸でコントロール出来るようになりました。
また、レキソタンという不安や緊張を和らげる薬を継続して服用しています。
未だに手放せずにお付き合いしていますが、そのおかげか安定した症状で現在に至っています。

しかし、根本的な恐怖感は消えず、症状こそ発症時の時のような苦しさまではいかないですが、未だに時々ちょっとしたきっかけで過呼吸状態になることがあります。

まとめ

私は、現在も薬物療法で治療継続中で、25年になります。

最近ずっと気になっていることがあります。
毎日寝る前にレキソタン2mgを2錠飲んでいますが、

『この薬がなければどうなるのだろう…』

と考えてしまいます。
必要なときもありますが、できることならば薬を飲まずに生活できるようになりたいと思っています。

しかし、服用を中断しようとすると、2~3日後くらいから頭が痛くなり、呂律も回らなくなるので、手放せません。
これは、副作用なのかもしれません。
少しずつ手放すようにするのが、私の今後の課題です。

同じ病気にかかっている人へのメッセージ

この病気は、どんなに辛くとも、周りの人には理解されにくい病気です。
発症後にまだ継続して悩まれているなら、不安がらずに、心療内科や精神科のドアを開いて相談されるのがいいと思います。
また、他の疾患が原因で発症したものでないか、病院で診てもらっておくといいと思います。



カテゴリー:体験談

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