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皆さんこんにちは!
今回は、皆さんに身近なストレスについて取り上げたいと思います。
ストレスとは、知らずに蓄積されやすいものです。
A型の人はストレス耐性が弱く、A型が多い日本人はストレス体質なんだそうです。
日本はストレス社会といわれますものね。
日本人にA型が多いのは、『祖先が農耕作民族で、消化に時間がかかるお米が主食の食生活に順応するため』という説もあります。
病気の併発の誘因要因になるストレスですが、今回はそのストレスについて紐解きたいと思います。

もくじ
現代社会とストレス

現代人は、様々なストレスにさらされて生きているといわれています。
ストレス刺激が長時間持続すると、ホメオスタシス(恒常性)の維持が不都合に働き、心身に様々な障害を引き起こすだけではなく、脳機能にまで影響があるといわれています。
ストレスとは『刺激なよって引き起こされる非特異的な適応反応』とし、それを引き起こす『生体に加わる刺激』をストレッサーといいます。
ストレスはネガティブな意味合いで用いられますが、ストレスに向き合う生体にとって、恒常性を活性化させるために必要な適応機構であり、ストレッサーは人間が「生きる」「成長する」ために必要な存在なのです。

しかし、現代で言われる『ストレス問題』とは生体の適応能力を超えるストレッサーが加わってしまい、心身障害の原因となります。
現代社会においては、的確なストレス管理と処理が必要です。
ストレス要因をいち早く発見し取り除き、一人一人のストレス耐性を向上させることが、心身の健康維持・向上のために必要とされています。
必要なストレスとは
ストレスに対処する生体反応の考え方として【アロスタシス】というものがあります。
ストレスに直面した時に、生体が安定状態を維持できるように変化する現象をいいます。
生体とは、恒常性を維持するためにストレス刺激を受けると適宜応答できるようになっています。
このような積極的な取り組みは自己の成長につながり『eustress(快ストレス)』とよばれます。
逆に、生体の防衛力と適応能力が対処できない状態を『distress(不快ストレス)』とし、現代社会ではこちらの場合が多いのが現状です。
ストレスを良い刺激として受け止められれば、心身の活性化につなげられます。
悪いストレスに見舞われても、ストレスを正しく理解することにより、ストレス疾患の治療につなげることもできるのです。
心身を防衛するための適応反応を汎適応症候群といいます。
ストレスが認知され視床下部から脳下垂体に伝わり、副腎皮質刺激ホルモンが分泌される働きのことで、感情と行動のあらわれとしては不安感や拒食・過食などの変容です。

これらの障害は病気の判別がつきにくいものになり、日頃のストレス予防や解消に、良いライフスタイルを保つ必要があります。
現代のストレス学
1936年、心理学博士セリアが生理的・身体的なストレス理論から研究した、『身体的アプローチのストレス学説』を提唱しました。
次に心と発達の歪みに終点を合わせた研究の『心理的アプローチ』、そして生活の中に根ざした総合的な対処が可能となった、『身体的・心理社会的・疫学的アプローチの統合』に発展しました。
第4の流れと呼べるストレス科学領域の登場では、脳科学を中心にストレスのメカニズムを解明し、
●健康の維持増進をはかる生体工学
●健康と疫病を一つの連続した状態と捉える健康科学
●ライフスタイルと共にストレスケアを行うメンタルヘルス
と、あらゆる分野から新たなアプローチをうみだしました。
このような多角的かつ統合的なアプローチに基づく、ストレスマネジメントの必要性が浮き彫りになり、ストレスコントロールの新しい考え方が医療現場で求められるようになりました。

人は各発達段階を迎え、自我を発達させ成熟を遂げていきますが、失敗体験は成長発達を阻害する要因ともなります。
失敗体験による危機的状況下ではストレスは何倍にもなり、異なる価値観の受容には強いストレスが負荷され、価値観の変容は新たなストレッサーを生み出します。
情報社会の高度化による予測しがたい変化は、人間の生きる上での適応能力をはるかに超えてしまい、その結果、現代社会は「ストレス社会」といわれるようになりました。
現代ストレスに適した対処行動

そんな現代ストレスの対処行動として【ストレスコーピング】という対処・行動概念がうまれました。
ストレスコーピングとは、ストレス刺激やそこに起こった情報処理過程に働きかけることで、そのあとの行動や感情に変化をもたらし、ストレスに対処する力を向上させていくことを言います。
アメリカの心理学者アザルスは「コーピングは個人の資質に負荷を与え、その資質を超える外的ないし内的要請を処理するために行う認知的・行動的努力であり、その努力は常に変化するものである」と述べています。
人がストレスに遭遇した場合、異なる状況下でどのようなコーピングをいかに行うかといった柔軟で適切な対応ができれば、ストレスによる負の循環を回避できるといいます。
環境の変化によって適応をはかるため、生体には【アロスタシス】という仕組みがあります。
ホメオスタシスを『定常を通した安定』といい、アロスタシスは『変化を通した安定』になります。
ストレスによる心身の適応力を考える指標として有効なアロスタシス概念とは、ストレッサーに適応しようとアロスタシスが起こることを言います。
しかし、ストレッサーが強く適応しきれず戻れなくなり【アロスタティック負荷状】となります。
現代のストレスに対応するには、このアロスタシス概念を理解し、アロスタティック負荷状態を回避できるよう調節することであり、それにより有効なストレスコーピングが可能といえます。
このストレスコーピングに重用な役割を担うのがポジティブ感情です。
ポジティブ心理学の主張する「最良の特質を築く」ことは、人間総合学を基盤とした心身健康科学におけるより良い生の構築につながるのです。

まとめ
WHOでは「ライフスキルとは、日常生活で生じるさまざまな問題や要求に対して、建設的かつ効果的に対処するために必要な能力である」と定義しました。
●生きていくための幅広い能力を指すライフスキル
●ストレスマネジメント能力としてあげられる情報対処スキルとストレス対処スキル
●周囲の不安を察知して適切にコントロールする情報対処スキル
●相補的な関係のストレス対処スキル(ストレススコーピング)
は、ストレッサーの影響を認知し、自らのストレスレベルを調整するスキルです。
ストレスに対し、睡眠や休息をとるなどライフスタイルを変え軽減をはかります。
このように対処し耐性を高め、ストレスを成長のエネルギーに変換する能力を「ストレス対処スキル」といいます。

ストレスとどう向き合い適応し、どのように自己成長していくか、人生をどのようにしてより良く生きていくか、これらを通して、少しでもストレス社会への生きる知恵になれば幸いです。
ライター名(クラウドワークス名):kobane
<経 歴>
・1998年 4年制大学工芸文化学科卒業
・2006年 都内看護専門学校を卒業
<職 歴>
・外科系病棟経験約2年/精神科病棟経験約2年/派遣にて施設なども経験あり
ストレスコーピングは具体的にはどのようなことをすればいいのでしょうか。
厚生省のe-ヘルスネットも読んでみたのですがよく分かりません。