【高血圧】医師と患者の対話形式記事③【診断】

この記事を読むのに必要な時間は約 9 分です。

こんにちは。運営です。

今回は「高血圧」をテーマに、三浦海岸つばさクリニック院長の篠原先生に記事を作成して頂きました。

高血圧の方、まだかかっていない方の参考になれば幸いです。


こんにちは、健康診断で高血圧といわれました。

友人や家族からも、放っておかないほうが良いと言われたので心配で来ました。

なるほど、それは心配だったでしょう。

健診の記録はお持ちでしょうか?

はい、2回測定して、1回目が176/95、2回目が165/90でした。

ポイント

高血圧は複数回の血圧測定で判断します。

回数が多いほど精度が高くなります。

そうですか、確かに2回とも高い数値ですね。

自宅の血圧の記録があるととても役に立つのですが、自宅では測っていますか?

はい、検診のあと、腕で測定する血圧計を購入して毎日はかっています。

1カ月を平均すると160/90でした。

ポイント

自宅で測定する血圧計は二の腕で測定するものと手首で測定するものがあります。

手首で測定するものは使いやすく血圧の上下を判断するのによいですが、数値がそのものは不正確とされます。

二の腕、つまり上腕で測定するものは数値が正確ですので、高血圧の判断や、その後の経過を見るのに適しているとされます。

ポイント

自宅では血圧は高くなく、病院や健診の時だけ高い人もいて、その場合は緊張して血圧が高くなる白衣高血圧といいます。

その場合は血圧の測定を続けるだけで様子を見るのがよいです。

反対に自宅で血圧が高く、病院や健診の時は正常な方もいて、見つかりにくいので仮面高血圧と呼ばれます。

この場合は治療をした方が良いとされます。

なるほど、自宅でも血圧は高いようですね。平均をとるのはとても良い方法です。

血圧は時間とともにどんどん変化するので、1回毎の血圧の数値には一喜一憂しないで全体像を見るのが大事です。

そのほかに重要なことは、十分リラックスした状態で測定することです。

血圧を測定しようと思ってから10分ほどなにもしないで、そのあと測定するとよいですよ。

血圧を測定するたびに緊張して高くなってしまう人の場合には、何度か測定を繰り返して血圧が落ち着いた頃の数値を採用するとよいですよ。

それでは、高血圧について原因を考えたり、血圧によって内臓が影響を受けていないか、治療方法について考えていきましょう。

まず原因として考えられるものは、年齢による変化、遺伝による体質の面と、生活習慣によるものがあります。

家族で高血圧の方はいますか?

父が高血圧です。

わかりました。生活習慣では、体重増加による肥満、塩分の取りすぎ、運動不足などがあります。これらはどうでしょうか?

最近外出しなくなったこともあって、運動不足ですし、自宅にいて食べることが多いので、塩分も多く、体重も増えています。

なるほど、それらは十分原因として考えられますね。

これからそれらの点について注意していくとよいですね。

ほかに、年齢とともに徐々に高血圧になったのではなく、ある年から急に高血圧になった場合や、ほてりやむくみなど何か別の症状がある場合には、血圧を上げてしまうホルモンなどの影響で高血圧になることがあります。

これらの点はいかがでしょうか?

血圧は以前から少し高めで、徐々に高くなっていました。特にほかの症状はありません。

ポイント

高血圧は多くの場合、はっきりした原因がない本態性高血圧というものですが、時に血圧を上げるホルモンなどが多く分泌されていて高血圧になることがあり、二次性高血圧といいます。

急に高血圧になった場合、治療してもよくならない場合、ほかの症状がある場合などに疑い検査をします。

原因がわかった場合にはそちらの治療をします。

わかりました。

次に、高血圧によって内臓が影響を受けているかどうかを調べていきましょう。

高血圧の影響は全身がうけるのですが、その影響を判断するのに、目と心臓と腎臓を病院ではよく調べます。

目の奥の眼底の動脈が動脈硬化を起こしているか眼科医が検査します。

心臓は心電図の検査で、心臓に負担がかかっていないかみます。

腎臓は血液検査と尿検査で腎機能が低下していないかみます。

検査の結果、眼底の動脈硬化はおきておらず、心電図では左室肥大という少し心臓に負担がかかっているサインがありました。

尿検査は正常で、血液検査では腎機能の低下はありませんでした。

ポイント

血管は全身にあるので高血圧は全身に影響します。

目と心臓と腎臓、ほかには頸動脈も検査されることがあります。

これらは初回検査して、そののちは一般的に歯問題がなくても1年ごとに検査を繰り返していきます。

治療はどうすればよいでしょうか?

そうですね、生活習慣の影響があるようなので、運動して体重を減らしたり、減塩したりしていくことはとても重要です。

そのほかに、血圧の数値が高いほうで、心臓にも少し負担がかかっているようですから、お薬による治療も始めたほうが体に良いと思います。

血圧を下げるお薬は何種類かあるのですが、症状やほかの持病、今回の検査結果などに合うものを選びますね。

自宅では血圧の記録を続けて2~4週間したらまた受診してください。

血圧の薬があっているか検査したり、血圧の薬の量を調整していきます。

ポイント

高血圧の程度が強い場合には、生活習慣をよくすることとお薬による治療を同時並行で行っていきます。

程度が軽い場合には生活習慣をよくすることから始めて数か月様子を見るとよいですが、高血圧が続くことが心配な場合や、よくすべき生活習慣がもうない場合などにはお薬を始めることがあります。

ポイント

高血圧のお薬は数種類あります。代表的なものは次のものになります。

アンギオテンシン変換酵素阻害薬(ACE)

アンギオテンシン受容体拮抗薬(ARB)

カルシウム受容体拮抗薬(CCB)

ベータ受容体拮抗薬(βB)

利尿薬(DU)

などがあります。これらのうち数種類をまとめた合剤というものもあります。

わかりました。先生、血圧のお薬はずっと飲まないといけないのでしょうか?

そうですね、血圧のお薬は続ける方が良い方が多いです。

年齢とともに血圧が高くなってきている方が多いからです。

中には生活習慣の影響が強くて、減塩や減量をして血圧が正常になる方も少数いて、その方の場合には血圧のお薬を減量したり中止したりすることもあります。

血圧のお薬を続ける場合も、血圧が下がることは体に良いことなので安心していただければと思いますよ。

高血圧が続くことのほうがとても体に悪い影響があります。

わかりました。

それでは減量と減塩、それから血圧のお薬を飲んで、血圧の記録をつけて今度持ってきます。

またよろしくお願いします。

お大事にどうぞ。

処方

【般】エナラプリル2.5㎎

1回1錠 1日1回朝食後 14日分

記事作成者名(クラウドワークス名)

kaoriaota_766f

<経歴>

認定医:日本プライマリケア連合学会認定プライマリケア認定医・日本医師会認定産業医

専門医:日本プライマリケア連合学会認定家庭医療専門医

千葉大学医学部卒業後、JR東京総合病院、亀田総合病院を経て、現在三浦海岸つばさクリニック院長。対話を大切にし、安心・信頼・満足できる医療を提供している。

診療科目:内科・小児科・皮膚科・漢方内科。


記事をみて頂きありがとうございます。

今回処方内容は血圧の薬でアンギオテンシン変換酵素阻害薬に分類されるエナラプリルという成分でしたね。高血圧の方の最初の方に処方される系統になります。

引用元:https://www.adalat.jp/ja/home/pharmacist/basic/01/t07.php

次の【高血圧】医師と患者の対話形式記事③【薬局編】もお楽しみに(記事作成ちょっと待ってね)



カテゴリー:診断, 診断【高血圧】

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木村彰男
木村彰男
1 month ago

「中には生活習慣の影響が強くて、減塩や減量をして血圧が正常になる方も少数いて、その方の場合には血圧のお薬を減量したり中止したりすることもあります。」
とありますが、降圧剤で血圧が下がったのか、生活習慣の改善によって血圧が下がったのかはどう見分けるのですか?

降圧剤の種類をたくさん教えていただきましたが、なにを指標として使い分けておられるのでしょうか?年齢や生活習慣によってこれを勧めるという降圧剤があれば教えてください。

kaoriaota
kaoriaota
1 month ago

コメントありがとうございます。降圧薬でさがったか、生活習慣で下がったかの見分け方ですね。それらを区別する指標というのは特にないと思いますので、降圧薬を開始したり、増量したりしたタイミングと、血圧が下がっていく下がり方、また、減塩(尿検査から推定される塩分摂取量の減少量)や減量の程度と血圧が下がっていく下がり方からそれぞれの関連を個別の事例で判断していくことになると思います。一般的に降圧薬の効果は開始または増量後数日から数週で比較的早くわかり、減塩や減量の効果は数か月程度の期間で判断することが多いと思います。
あと、降圧薬の使い分けについてですね。最も大事なのは降圧効果そのものとされていると思いますが、それぞれのお薬に、このような状況の時にはより積極的に使いたい、このような状況の時には使うのを避けたいというものがあります。たとえば今回のアンギオテンシン受容体拮抗薬の場合は、心臓を保護する作用があるとされますので、心筋梗塞、心不全、左室肥大などがある状態ではよりこの種類のお薬を使うのが好ましいとされます。反対に、妊娠中や高カリウム血症などがある場合にはこのお薬の使用は避けます。そのため実際には、過去に患った病気をお聞きして、健康診断などの検査結果などをみることが大事で、その内容から、より積極的に使うべき降圧薬はなにか、避けるべき降圧薬は何かを検討していくことになります。ほかにも、担当医のお薬の使用経験や、お薬の値段、患者さんの考え方なども含めて、担当医毎、患者さん事に個別に、総合的に考えられて決まるのが一般的かと思います。

木村彰男
木村彰男
1 month ago
Reply to  kaoriaota

丁寧なお答えありがとうございます。
生活習慣の改善がまず第一で、その後必要に応じて薬物治療を始めるべきかと思っていますので。質問させていただきました。

減塩に関しては、WHO基準まで下げたらどうなるかというエビデンスがないのに、言い過ぎでは?と思っていましたので。(高血圧症の治療ガイドラインに記載があります。)
アメリカの血圧低下による心脳血管障害のリスク低下の文献では、サイアザイド系薬剤とカルシウム拮抗剤が使われていることが多いので、心脳血管障害のリスクを新薬が本当に下げるのかと少し疑問に思っています。(ノバルティスファーマと京都大学系列病院のデータ不正事件もありましたし。)

NEJMに心血管予防療法としてpolypillというものが上げられていました。40 mg of simvastatin, 100 mg of atenolol, 25 mg of hydrochlorothiazide, and 10 mg of ramiprilを一気に飲ませるものです。高血圧としては利尿剤とACE阻害剤、(βブロッカーは高血圧なのか、心不全予防なのかよく分かりませんが)。https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2028220?query=featured_home
Polypill with or without Aspirin in Persons without Cardiovascular Disease

返信ありがとうございました。

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