【歯科衛生士】ホワイトニングを詳しく解説【方法と効果】

この記事を読むのに必要な時間は約 8 分です。

歯を白くする方法には薬剤を用いて歯を漂白する方法(ホワイトニング)や、オールセラミックなどの被せ物、マニキュアやラミネートべニアなどの方法があります。

これらの歯を白くする方法は全て「ホワイトニング」といいます。

しかし、「ホワイトニング=薬剤を用いて歯を白くする」ということが一般的な意味でよく使われています。

最近は歯を白くしたいという方が増えてきてホワイトニングをやってみたいという方も多くなりました。

今回この記事では薬液を用いて歯を白くするホワイトニングについて、特徴や種類などを詳しく解説していきたいと思います。

もくじ

ホワイトニングとは

ホワイトニングとは歯を白くする方法で、歯を削ることはせずに、薬剤を用いて歯を白くする方法になります。

ホワイトニング剤の成分には過酸化尿素や過酸化水素などが用いられています。

歯が白くなる仕組みは、この過酸化尿素や過酸化水素が歯のエナメル質の着色などの成分を分解し、無色透明にする働きがあるためです。

この作用を「ブリーチング効果」といいます。

また、歯の構造はエナメル質、象牙質、歯髄の3層に分かれています。

エナメル質は透明に近い色をしていますが、エナメル質の下の層にある象牙質は黄色っぽい色をしています。

エナメル質の構造が光を通しやすいため、象牙質の色がエナメル質を透かして黄ばんだ色に見えてしまいます。

ブリーチング効果ではエナメル質を白くできても、象牙質までも白くすることはできないとされています。

しかし、ホワイトニングの効果は歯を漂白するブリーチング効果だけではありません。

エナメル質の構造を変え、光を乱反射させることで光が象牙質まで届かなくなり、象牙質の色が透けて見えなくなります。

その結果、歯が白く見えるようになります。

これを「マスキング効果」といいます。

ホワイトニングはこの「ブリーチング効果」と「マスキング効果」によって歯を白く見せるという仕組みになっています。

ホワイトニングの種類

ホワイトニングの漂白方法は主に、

  • オフィスホワイトニング(歯科医院でやる)
  • ホームホワイトニング(家で自分でやる)
  • デュアルホワイトニング(オフィス+ホーム)
  • ウォーキングブリーチ(神経のない歯)

の4つに分けられます。

オフィスホワイトニングは歯科医師、又は歯科衛生士が施術を行います。

高濃度の薬剤を用いるため、ホームホワイトニングより効果が出るのが早いのが特徴です。

一方、ホームホワイトニングはマウスピースを造るなどして、自分で施術を行います。

家で好きなタイミングで出来るのが一番のメリットで、オフィスホワイトニングよりは効果が出るのに時間はかかりますが、徐々に白くなってくるため自然な白さになり、オフィスホワイトニングに比べ色が戻りにくいのも特徴とされています。

デュアルホワイトニングはオフィスホワイトニング+ホームホワイトニングを合わせたもので、両方のメリットである、短時間で効果を実感でき、白さも長続きするのが特徴です。

ただし、金銭的なコスト面や、2つを合わせることによって知覚過敏を起こしやすいといったデメリットもあります。

他にも、歯の神経を失ってしまい変色してしまった歯でもウォーキングブリーチという方法でホワイトニングを行うことができます。

上記で紹介したホワイトニング方法は、歯の外側から歯を白くするという方法でしたが、ウォーキングブリーチは歯の内部に直接薬剤を入れて白くしていきます。

本来、虫歯などで歯の神経を失ってしまった場合には根の治療が必要になります。

神経を失った歯は弱くなりやすく、色も変色してくるため被せ物をすることがほとんどです。

特に奥歯などは噛むことで負担がかかり、強度も劣るので歯が割れないためにクラウンなどの被せ物をします。

しかし、噛む負担があまりかからない前歯では歯を削って被せ物をせずに、ウォーキングブリーチで変色した色だけを改善するという方法を取ることができる場合もあります。

ウォーキングブリーチを行う際にはレントゲンを撮って根の状態を確認し、必要であれば再度根の治療を行う必要があります。

ホワイトニングの効果

ホワイトニングの効果は人それぞれで、白くなる方もいればなかなか白くならないという方もいます。

上記で説明したホームホワイトニングなど薬剤の濃度が低いものには効果がでるのに数か月かかる場合があります。

また、フッ素の効果が発揮されないのには以下の理由が考えられるとされています。

  • 詰め物が多い
  • 薬剤によって変色してしまった歯
  • フッ素塗布をしている歯
  • エナメル質形成不全(白斑や黄斑など)
  • 着色物の多い飲食・喫煙
  • 着色や歯垢などの汚れが多い

ホワイトニングでは詰め物や被せ物は白くなりません。

白くしたい場合などは一度詰め物などを取って被せなおす必要があります。

また、テトラサイクリン系などの抗生物質を幼少期に多く使用していると歯がグレーのような色に変色することがあります。

薬剤によって変色してしまった歯は多少は白くできても、完全に白くすることは難しいとされています。

他にも、外傷や、乳歯時の虫歯、過剰なフッ素塗布、先天的なものなど、さまざまな理由で歯に白斑や黄色や茶色などの変色がみられるエナメル質形成不全も同様で、ホワイトニングでは改善しづらいとされています。

また、ホワイトニングを始める際には、着色物の多い飲食の過剰摂取や喫煙はホワイトニング効果の妨げとなってしまうので、極力控えなければなりません。

フッ素も同様でホワイトニングの妨げになるとされています。

歯にフッ素をコーティングしてしまうと、白くなりづらいとされていますので、フッ素が配合されている歯磨き粉なども気を付ける必要があります。

また、着色が多く付着していたり、歯垢や歯石などの汚れが付着している場合にも効果がでづらいとれているので、歯科医院でクリーニングをしてからホワイトニングを行うことをおすすめします。

他にも白くなりづらい原因にはさまざまな理由が考えられますので、ホワイトニング効果がでづらい方は一度歯科医院などで相談されることをおすすめします。

まとめ

ホワイトニングの方法はいくつかあり、効果も人それぞれです。

最近は市販でもホワイトニング剤が入手できるようになり、誰でも簡単にホワイトニングを行えるようになりました。

しかし、ホワイトニング剤はしみやすく知覚過敏になる恐れがあります。

虫歯などがある場合にはしみやすく、あまりおすすめはしません。

また、ホワイトニング剤などにアレルギーのある方や、無カタラーゼ症などの方はホワイトニングは禁忌です。

妊娠中の方や授乳中の方もホワイトニングは避けた方がいいとされています。

ホワイトニングを行う際には独自の判断で使用せず、一度歯科医院を受診することをおすすめします。



カテゴリー:ホワイトニング, 歯科衛生士【ホワイトニング】

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