【脊椎管狭窄症】医師と患者の対話記事【治療編】

この記事を読むのに必要な時間は約 4 分です。

今回は診断編の続きで治療編になります。薬局編は作成中ですので後日アップします。


こんにちは。先日は腰部脊柱管狭窄症の診断でお薬を処方しましたね。いかがでしたでしょうか?

いくらかよくなったようには感じますが、ほとんど変わりはありませんね。
薬局では眠気やめまい、それに伴う転倒の危険性について主に説明されましたが特にそのような症状を感じることはありませんでした。

ポイント:今回処方した腰部脊柱管狭窄症の薬剤では、眠気、めまい、それに伴う転倒の可能性があります。
腰部脊柱管狭窄症は加齢性変化に伴う疾患のため患者さんは高齢者であることが多い。
高齢者においては転倒→骨折→日常生活活動量の低下→全身状態悪化し生活の質の低下とつながる可能性があり、重大な合併症といえます。

前回の処方量は薬剤導入のための量であり、効果を得るためには通常前回の2~3倍の量の投与を必要することが多いです。
   それでは前回の2倍量としてみましょう。
   肝機能障害が出ることもあるので次回採血を取らせてください。

わかりました。量を増やすことで副作用出現の可能性はありますか?

可能性はありますね。その場合は無理せず前回の量に戻してください。

ポイント:タリージェの場合、初回導入量は1回5㎎を1日2回食後から開始します。
治療において維持量は1回10~15㎎を1日2回食後で内服することが多いです。
眠気・めまいの他、肝機能障害を呈することもあり、採血で確認することもあります。

2週間後

こんにちは。タリージェの容量を増量しましたがいかがでしょうか?

確かに脚のしびれはよくなり調子は良かったです。でも眠気が強くなってきました。日中も眠くて支障が出ています。
1週間頑張りましたがダメだったのでいわれた通り、初回の量に戻したら今は大丈夫ですが症状も戻ってしまいました。

なるほど、量を増やすと副作用が前面に出てきてしまうのですね。
採血上、肝機能異常はなく、症状改善効果と副作用の程度を比べて継続可能ではあります。
他の薬剤を試してみることはできますが、いかがいたしますか?

うーん、効果はいいのですがあの副作用は少し困りますね。他の薬を試してみたいです。

それではリリカを試してみます。タリージェとは1日2回内服します。
添付文書上は1日150㎎からなのですが、こちらも眠気の副作用が出る方もいるため100㎎から開始しますね。

わかりました。

ポイント:薬剤による症状改善効果、副作用の強さは人それぞれです。
     幸い、現在腰部脊柱管狭窄症の治療薬は複数あり他の薬剤を使用してみることも有用です。

2週間後

こんにちは。リリカを少量から始めてみました。いかがでしょうか?

はい、まだしびれは残っていますがそれなりに効いています!
いわれたような眠気の副作用はありませんでした。これなら続けられそうです。

それではリリカをこの量で続けてみましょう。

この薬はいつまで続けるのですか?

基本的に、ずっと飲み続けることになります。

わかりました。

ポイント:腰部脊柱管狭窄症は加齢性の変化による疾患でよくなることはありません。
保存治療範囲内の症状の強さと副作用を天秤にかけて量を調整していきます。
症状が増悪、日常生活に支障をきたすようになってくると前編で解説した通り、手術治療に踏み切る必要が出てくる可能性があります。

著:ばちお


以上になります。

記事を見てくださりありがとうございました。

薬局編は後日記事をアップします。よろしくお願いします。



カテゴリー:診断, 診断【脊柱管狭窄症】

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