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今回はドラッグストアでの経験を基に、風邪薬をお客さんにご紹介した内容をご紹介します。
病院にかかるべきとは思っていても、
①受診に時間がかかるめんどくささ(薬が出されるばあいは薬局にもいかないといけない)
②自覚している症状が受診する診療科に合っているか不安
NEW!③新型コロナウイルスの影響を受けたくない(発熱しているとそもそもコロナ対応を強いられて希望する診療科を受診できない)
などと病気のことを把握していないために色々なことを考えてしまいます。
ドラッグストアの薬剤師は調剤だけでなく、受診が必要かどうかトリアージをする能力も求められていますし、幅広い医薬品の中から身体的、経済的なことを考えてお客さんに薬をお届けする役割もあります。
今回は「風邪薬」を例にドラッグストアでの対話形式記事を作成しましたのでお読みいただき参考にしてください。
あの、すみません。
こんにちは。
はい、どうしましたか?
風邪薬を探しているのですが。
風邪薬ですね。ご案内します。
ありがとうございます。
風邪薬っていろいろな種類がありますね。
選ぶ時のポイントってあるんですか?
そうですね。
風邪薬は一つの症状を抑える薬から複数の症状をまとめて抑えるように作られている薬があります。
例えば、熱だけがあれば解熱剤だけが入っている主成分がアセトアミノフェンの「タイレノール」を、鼻水や痰が絡み、熱もある場合には総合感冒薬の「パブロン」を勧めたりと選んでいきます。
これらは一例ですので、お客さんの症状に合わせてご提案しています。
症状、お金の面でも相談に乗ってくれて選んでくれるんですね。
分かりました。
今は熱が出ていまして37.5℃とあまり高くないんですがだるさがあり、受診することも考えましたが行くのが大変なので近くのこちらに来たんです。
だるさがあるんですね。熱の原因が気になりますね。
何か持病があったり、関節が痛くなるといったことはありませんか。
持病はないのですがインフルエンザの予防接種を受けた後で熱が出てきたように感じています。体の節々は普段から少し痛いと感じているのでよく分かりません。。
なるほど、インフルエンザの可能性は捨てきれないですね。インフルエンザの検査は高熱が出てから12時間以降に受診しないと「陰性」と判定される可能性があります。さらに厄介なことにインフルエンザだった場合、48時間以内に受診をしタミフルやリレンザ、イナビルといった抗ウイルス薬を使用しないとインフルエンザの増殖を抑えることができないので注意が必要になります。
今日の朝からなので偽陰性になる可能性があるのですね。。このだるさだけ取れれば食欲もありますしなんとかなると思うのですがどうすればいいでしょうか。
インフルエンザの場合、解熱剤の種類に制限がかかってきます。
ロキソニンやイブプロフェンといった薬(Nsaidsといいます)はインフルエンザ脳症という症状を起こしてしまうリスクがあります。Nsaidsは免疫力を下げてしまうためです。
お客さんの場合はカロナールという名前で処方されるアセトアミノフェン入りの「タイレノール」をお勧めします。
アセトアミノフェンは脳の体温を調節する部分に働くのと体内の水分分布・代謝能を向上させて気化熱として体温を下げる作用があります。なので、薬を飲む際もですが普段から水分はたくさん取ってくださいね。

タイレノールですね。水分をたくさん飲んで1回1錠、分かりました。
1日何回飲めますか?
処方されるカロナールを参考にすると、
「1日最大1500mgを限度とする。」
「原則1日2回までとする」
と記載があります。
1回300mgなので1日2回以上服用することが可能になります(理論上1日5錠が可能)
しかし、2回服用しても解熱効果が得られない、悪化する場合は別の原因が考えられますのでそこを受診のポイントとしてみると良いかと考えます。
分かりました。
タイレノールは10回分と20回分がありますが様子見ということで10回分を購入するといいでしょう。
色々とありがとうございました。
以上、ドラッグストアでの風邪薬・受診勧奨例を書かせていただきました。今回が初めてなので追々改良して分かりやすくしていけたらなって思っています。
ドラッグストア・薬局に置いている薬にはスイッチOTCといって処方せんで出されていた薬が少しずつ増えてきています。
病院を受診することをためらうことで自宅で苦しい思いをするよりもちょっと買い物がてらに薬剤師(要指導医薬品~)または登録販売者(第二類医薬品~)の健康相談をしてみるのもいいかもしれませんね。
お読みいただきありがとうございました。
カテゴリー:セルフメディケーション, 風邪薬【タイレノール】
インフルエンザワクチン投与後の微熱なので、インフルエンザは否定できるのでは?
否定できない場合には、受診勧奨が必要では?抗ウイルス薬の例示だけでは不足では。
アセトアミノフェンで「タイレノール」を勧められていますが、何か理由がありますか?
アセトアミノフェン飲みを含有したものには、アセトアミノフェン量が少ないバファリンLUNAがあります。
ノーシンACはアセトアミノフェンの含量は同じです。(賦形剤の量は違うので同等かどうか分かりませんが)
あとOTC医薬品になると元の医療用医薬品に比べて賦形剤以外にも成分が追加されているような気がするのですが、この理由って何ですか?
遅くなり申し訳ございません。
高齢の方を想定し、インフルエンザ感染を疑いつつも安全性の高いアセトアミノフェンを紹介した例になります。
タイレノールをお勧めしたのはアセトアミノフェンのみが入っており他の成分の医薬品を体に入れないほうが良いと判断したためです。
最後の、あとOTC医薬品になると元の医療用医薬品に比べて賦形剤以外にも成分が追加されているような気がするのですが、この理由って何ですか?、についてですがそちらに関して分かりません。