【理学療法士】腰痛にコルセットは正解?or不正解?

この記事を読むのに必要な時間は約 7 分です。

腰が痛いからコルセットを使おうかと思うんだけど…コルセットを使うと治りが遅くなるとか癖になるとかっていう話も聞いたことあるんだよなぁ。
腰が痛い時ってコルセットはした方がいいのかな?

辛い腰痛に悩まされている時、なんとかして痛みを少しでも軽減したいと思うものです。

そんな時の選択肢のひとつとして『コルセット』を頭に浮かべる方も少なくないのではないでしょうか?

医師の指示があればもちろんコルセットを使うべきなんですが、そうでない場合はどうしたらいいのか。

今回の記事ではそんな悩みを抱えている方に是非読んで頂きたいと思います。

もくじ

コルセットをつける理由

皆さんは、コルセットをつける理由を考えたことはありますか?

腰痛の軽減?
では、腰痛を軽減するためにどうしてコルセットをつけるのでしょう。

コルセットをつける1番の理由は腰背部・骨盤周辺部を固定することです。

ではなぜ、痛みが強い時は固定する必要があるのでしょうか?

コルセットを使うべきか使わないべきかを判断するヒントはこの辺りにありそうです。

腰を固定したほうが良い場合

腰を固定しなければいけない主なケースは以下の4つ。

  • 大けがや手術後で医師から指示が出ている
  • 腰を痛めてまだ時間が経っていない
  • 痛い部分が熱をもっている
  • 発赤が見られる

医師からの指示があった際はもちろんですが、基本的に急性期症状がみられている場合は固定し、安静にしておくことが何より重要です。

腰を固定しない方が良い場合

逆に、腰の固定をしない方が良い腰痛は上記で挙げたような急性期症状がみられていないという条件のもと

  • 周辺の筋肉量低下が著しい
  • 筋肉や関節を動かしておらず循環が悪い

こういった状態であれば過度な固定は逆に腰痛の改善を妨げてしまいます。

コルセットを使用するか迷うケース

以下では、実際にコルセットを使うべきか使わざるべきか迷いやすいケースを例に挙げて説明していきたいと思います。

※前提として、症状が強い場合は整形外科を受診するのが第一選択肢です。そういった場合は自身で判断せず、医師の判断を仰いでください

動けない訳ではないが痛みのあるぎっくり腰

仕事中、ちょっと重いものを持とうとしたら軽いぎっくり腰みたいになっちゃって。全然動けないという訳ではないけど、痛みはあるんです。

これくらいの症状が、一番迷いやすいケースではないかと思います。

程度にもよりますが、おそらく受傷から数日は筋肉や靭帯が炎症を起こしていると思われるのでまずは軟性コルセットを使用して生活するのが正解です。

ただ、ある程度動かしても我慢できるレベルであれば急性期を過ぎたら出来るだけ動かした方が症状も早く改善します。

この辺りの正確な判断は難しいですが、大まかな判断基準は

温めた後に痛みが強くなるか、弱くなるか

という点。

お風呂に入って温まった後、痛みが和らいで少し楽になる感覚があるの出れば、おそらく急性期は脱しています。

無理のない範囲で少しずつ動かすようにしましょう。

逆に、お風呂から出たら何だか腰がじんじん痛む…といった症状が現れる場合はまだ急性期を脱していない可能性が高いので、もうしばらくコルセットを使用し様子を見ましょう。

元々活動量が少ない方の慢性腰痛

普段から良く動く方ではないんだけど、ここ数週間ほど何だか腰が重だるいような気がしてね。痛みが強くなるといけないからコルセットをして安静にしていようと思うんです。

こういったケースではベースに安静が必要となる疾患がある場合はともかくとして、そうでない場合はコルセットの着用が逆効果になる事が多々あります。

慢性的な腰の重だるさや鈍い痛みというのは、多くの場合で

筋肉や関節をしっかりと動かしていないことが原因

になっていたりします。

つまり、循環障害筋力低下・筋肉の短縮が主な問題。

コルセットは腰背部を固定し筋肉や関節の動きを制限するため、逆にこういった問題因子の影響を強めてしまう可能性があります。

このような痛みで悩んでいる方の場合、むしろコルセットは使わずに無理なく出来る簡単な運動を1~2週間継続的に続けた方が症状は改善する可能性が高いと思われます。

手軽なところであれば、テレビを見ながらラジオ体操を行なうというのもいいでしょう。全てやる必要はないので、腰回りを動かすものをいくつか選んで毎日数分続けるだけでも構いません。

普段活動量が少ない方であれば、これだけでもかなり効果的です。

おわりに

いかがだったでしょうか?

今回はコルセットを使うべきか、使わざるべきかという点について実例を示しながらお話させて頂きました。

腰が痛い時、コルセットを使うことで症状を軽減できるケースは多くあります。

もちろんその選択が正解であれば問題はないのですが、場合によってはコルセットを使うことで逆に筋力低下や関節の硬さを助長してしまう事もあります。

コルセットに依存せず生活していれば数日で治ったはずの腰痛が、コルセットをしていたせいで何か月も完治しない、なんてケースも案外少なくありません。

コルセットを使うべきか迷ったとき、是非今回の記事の内容を参考にしていただければと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

ライター名(ランサーズ名):寺澤 慶大(テラサワ ヨシヒロ)

<経 歴>

急性期脳神経外科病院のリハビリ科で6年勤務

リハビリ特化型デイサービスで1年半勤務

脳神経外科病院併設のデイケアで4年半勤務

現在はデイサービスで機能訓練を行いながら自費診療で自身のクライアントのフィジカルケア、医療系コラムを中心としたWebライターのお仕事もさせて頂いています。



カテゴリー:理学療法士【痛み】, 痛み

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