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はじめに〜PMSとは〜
PMSとは、月経の3~10日前から起こる精神的・身体的・社会的・行動的な症状のことを指します。月経開始とともに症状が軽快すること、人によって多種多様な症状を呈するのが大きな特徴です。月経のある女性の70~85%は月経前に何らかの不快な症状を感じていると言われていますが、PMSはその症状が重い状態です。

もくじ
原因
原因不明の疾患ですが、排卵を境目に変動する女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)と体液の貯留による脳内伝達物質の変動に性格や嗜好品、社会環境、健康状態が複雑に絡み合って起こると考えられています。
誘発要因
・ストレス
環境の変化やオーバーワークなどで心身ともに疲れている
・食生活
喫煙者、カフェインを好む、アルコールの多飲、肉類を好む、糖分と脂質の過剰摂取
・免疫力や体力の低下
免疫力が低下している、自律神経が乱れている
・性格
律儀、真面目、几帳面、完ぺき主義、負けず嫌い、自分に厳しい
症状
20代は身体的症状が強く出やすい傾向にあり、30代は精神的症状が強く出やすい傾向にあります。
精神症状:いらいら、うつ状態、怒りやすい、落ち着きがなくなる、涙もろくなる、情緒不安定
神経症状:頭痛(特に片頭痛)、頭が重い感じ、めまい、眠気
皮膚症状:肌荒れ、ニキビ
乳房症状:胸の痛みと張り
その他:むくみ、体重増加
対処法と予防法
【食事】
・血糖値の上昇を緩やかにしてくれる食材を摂取する
血糖値が下がると食欲が増強したり、イライラしやすくなるなどの症状がでます。身体に負担がかかるため、糖分が多く含まれる食べ物(チョコレートやケーキなど)の摂取を控えて、消化と血糖値の上昇をゆっくりにしてくれる食べ物(穀物類やいも類など)を積極的に摂ります。
・ホルモンバランスを整える食材を摂り入れる
カフェインが入っている食べ物の摂取を控えて、女性ホルモンのエストロゲンに似た働きがある豆腐や豆乳を積極的に摂取します。情緒不安定を和らげる効果があるビタミンB6(かつお、レバー、海藻類)や神経伝達物質の代謝に関与しているビタミンE(ブロッコリー、アーモンドなど)なども積極的に摂ります。
・塩分やアルコールを控える。身体のむくみを取り除く食材を摂り入れる
代謝を促進する効果があるビタミンE(木の実、乾燥豆など)を摂取し、塩分とアルコールの摂取を控えます。
・他、牛乳やヨーグルト、ごま、うなぎ、卵、ひじき、サバなども積極的に摂取するとPMSのコントロールに一役買います。
【運動】
・ストレッチ
・ヨガ
・散歩
・アロマ
身体のどこかに力が入っている状態が続くとPMSの症状を悪化させてしまうリスクがあります。軽い運動もPMSの症状の軽減に繋がるので、無理のない範囲で日常生活に取り入れると良いです。
【その他】
・鍼灸と漢方薬
東洋医学的には気・血・水のバランスが崩れることで様々な症状が現れると言われています。
気・血・水のバランスを整えることで症状の緩和に繋がります。
まとめ
PMSとは、月経の3~10日前から起こる精神的・身体的・社会的・行動的な症状のこと。月経開始とともに症状が軽快する。人によって多種多様な症状を呈するのが大きな特徴。
・原因不明の疾患
・誘発原因には①ストレス ②食生活 ③免疫力や体力の低下 ④性格などがある。
・20代は身体的症状が強く出やすい傾向にあり、30代は精神的症状が強く出やすい傾向にある。
・対処法には食事と運動がある。食事はホルモンバランスを整えてくれる食材を積極的に摂取し、カフェイン、塩分、アルコールの摂取を控えることが大切。運動はストレッチやヨガ、散歩など軽めにできる運動が良い。
・鍼灸や漢方などの東洋医学もPMSのコントロールに役立つ。
以上、ご覧いただきありがとうございました。
女性の場合にはPMSといえば「premenstrual syndrome」ですか。
グーグルで「PMS」を検索すると確かに「月経前症候群」の治療などがずらっと出てきます。更年期障害 (postmenopausal syndrome)もPMSと略しますので、タイトルに月経前症候群という日本語を入れた方かいいかと思います。
私は仕事柄市販後調査(postmarketing surveillance)の話かと思ってしまいました。(笑)