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もくじ
帯状疱疹ではない?
朝起きて右の瞼になんだかピリピリする様な違和感がありました。
でも鏡を見ても、特にどうもありません。

私は医療職で、簡単な知識はありましたし、周りにも帯状疱疹になった人がいたので「これは帯状疱疹になったかも!?」と思い、さっそくかかりつけの皮膚科に行きました。
しかし、主治医の判断は「発疹が出ていないから帯状疱疹ではない」とのことで、ニキビの治療薬を処方されました。
自分の中では強い確信がありましたし、帯状疱疹の治療はなるべく早く治療薬を飲んだほうが早く治ると知っていたので、ものすごく不安でした。
翌朝起きてみると、不安が現実に…
翌朝、右瞼に発疹が出現し、酷い片頭痛と耳の奥をきりで刺すような鋭い痛みが5秒に1回くらい起きました。
この日はあいにく日曜日で病院は休診しているうえに、夫は仕事でいなかったので家には私と幼児2人だけでした。
必死に痛みと戦いながら一日を過ごし、夫が帰ってきた後に夜間救急にかかりました。
やはり帯状疱疹だった!
夜間救急での診断はもちろん『帯状疱疹』でした。
皮膚科の主治医を恨みつつ、帯状疱疹治療薬のバルトレックスと鎮痛薬のロキソプロフェンNaを1日分処方してもらいました。

翌日、夜間救急を受診した内容をかかりつけ医に伝えると、6日分のバルトレックスと鎮痛薬に加え、胃粘膜を守るテプレノンカプセル、神経障害治療薬のメコバラミンを処方されました。
それからしばらくは、右瞼から額の部分までの発疹と腫れで、まさに『お岩さん状態』でした。
痛みは鎮痛剤の内服でずいぶん楽になりましたが、発疹と腫れのピークは5日目くらい続き、完全に引くまでには3週間くらいかかりました。
ずっと続く『かゆみ』
ちょうど診断されて2週間経ったころから、右瞼から額~前頭部にかけてのかゆみが出現しました。
ムズムズするだけで発疹はありません。
かかりつけ医を受診すると、「帯状疱疹は痒みが残るよ~」と、アレルギー治療薬のオロパタジンを処方されました。
しかし、痒みは強くなるばかりで夜もまったく眠れなくなってしまい、前回受診したところとは違う皮膚科を受診しました。
皮膚科の老医師曰く、「こんなに長引くのは珍しい」とのことで、炎症やアレルギーを抑える内服薬を2種類、かゆみ止めとステロイドの軟膏を2種類処方されました。

しかし、内服薬や軟膏を使っても痒みは一向に引かず、今度はかきむしってしまうことにより発疹や傷ができてしまう状態になってしまいました。
更に、夜は一睡もできなくなり、精神的にも不安定になっていくことに…
仕事は3週間休みましたが、復帰して1週間ほどでかゆみが我慢できなくなり、再度仕事を休むことになりました。
中々見つからない解決策
本当に、精神的に不安定になっていて、あまりにどうしていいかわからず、一日中泣いて過ごすことが多かったです。
藁にもすがる思いで、少し遠いですが評判のいい皮膚科にいきました。
病院に行って涙ながらに訴えましたが、「薬は標準的な治療薬だから、あと3日間様子を見るように」と言われました。

この時はかなり疑心暗鬼になっていて、インターネットで「帯状疱疹 痒み」などと検索して、対処法を調べたりしていました。
その情報の中で『帯状疱疹後掻痒症』という言葉を知りました。
あまり認知されていないようでしたが、神経症状の1つで、帯状疱疹後にかゆみが強く出る人がいるとのことです。
神経障害痛に有効なリドカイン点滴が有効との文献もありました。
皮膚科医には3日間様子を見るように言われましたが、2日目で耐え切れなくなり再診し、「総合病院の麻酔科(ペインクリニック)で点滴治療をしたい」と訴えました。
私の様子を見て、先生もすぐに情報提供書を書いてくださり、その日のうちに総合病院の麻酔科にかかりました。
「やっと治療してもらえる!!」と期待していましたが、「皮膚のことは皮膚科で」とあっさり皮膚科に回されてしまい、かなり落胆しました。
皮膚科では、痒みや発疹部分の写真を撮り、炎症止め(ステロイド)のプレドニゾロンと胃酸分泌抑制のためのランソプラゾール、かゆみ止めのオイラックス軟膏が処方されました。

原因はわからないかもしれないけど…と皮膚生検もしました。
しかし、中々根本的な解決に結びつかず「とりあえず、痒みをすぐに止めてくれる、点滴かなんかないの!!」と怒りに震えました。
ついに効果のある治療と出会う
再度、麻酔科に戻ると、主治医の先生が上級医の先生方と相談してくださっており、「あまりにかゆみが強いようなのでリドカイン点滴治療にチャレンジしてみよう」といってくださいました。
この時、本当に先生が神様のように見えました。

横になって30分の点滴・15分のベンチタイムをベッド上で過ごしました。
(リドカインは麻酔なので、点滴後は脱力感があることがあります。点滴後は少し横になって過ごす時間が必要です。)
驚いたことに、横になっている間は少し眠ることができ、普段ならかゆみで常に顔や頭を触っていたのに、点滴の後は全く触れていないことに気付きました。
点滴の即効性に驚きと嬉しさでいっぱいでした。
麻酔科医からは、「効果があるようだが、身体から麻酔成分が抜けると効果が薄れてくるはずなので、効果はあまり持続しない」と言われました。
それでも私の場合は、点滴から丸1日くらいは楽に過ごせました。
その後は3日に1回の頻度で点滴治療のために通院しました。
点滴を重ねるごとにかゆみが減っていき、仕事復帰した後もトータル3週間ほど点滴に通いました。
その後もしばらくは瞼や額にかゆみがありましたが、オイラックス軟膏を塗ればすぐに治まりました。
まとめ

現在は帯状疱疹にかかってから丸1年が経っています。
未だに時々、瞼や額にかゆみがありますが、なんとなくやり過ごしています。
帯状疱疹後にかゆみが出てつらい思いをしている方は麻酔科(ペインクリニック)を受診してみるといいかもしれません。
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