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もくじ
突然やってきた息苦しさ

私は食品工場で工場長として勤務していました。
その日も、いつものように朝6時に家を出て工場に向かいました。
当時の私は毎日14時間ほどの仕事をこなし、休日は月に1度取れるかどうかという忙しい毎日を過ごしていました。
ただ、体力には絶対の自信を持っており、それまで病気という病気にかかったこともありませんでした。
しかし病は突然襲ってきたんです。

朝7時からいつものように仕事をしていたのですが、9時くらいに何故か急に息苦しさのようなものを感じるようになりました。
息苦しさというよりは、息が吸えない?
周りのみんなも心配して「休憩室で休んでください」と言ってくれたのですが、もうその時点で息を吸っても吸っても呼吸出来ないような状況だったんです。
自分自身もこれは不味いんじゃないのかと感じ始め、ちょっと病院に行ってくるとみんなに伝えて工場を後にしました。

肺がつぶれている!?
向かったのは八王子にある東京医科大学です。
子供の掛かりつけで顔見知りも多かったので、迷わずそこに行きました。

受付で状況を伝えると、早く診察してもらえることが出来ました。
問診とレントゲン撮影を終え、先生の口から出た言葉は「右の肺が潰れちゃってますね」というショッキングなものでした。
医学的な知識のない私はもう完全にパニック状態です。
肺が潰れたっていったいどういった状況なんだ?
先生に、何か胸に衝撃を受けるようなことは無かったかと聞かれたので考えて見たのですが、特に原因と考えられるようなことはありませんでした。
とにかくすぐに手術が必要だということだったので、妻と会社に連絡して手術を受けることになりました。

手術をしたはずなのに、消えない違和感
かなり気が動転していたので、手術前のことはほとんど覚えていません。
しかし、手術が終わって気が付くと脇の部分にチューブのようなものが刺さった状態でベッドの上に横になっていました。
先生がやって来て「このまま2週間様子を見て、問題なければ退院出来ますから」と言われたのですが、仕事のことが心配でどうしようもありませんでした。
まぁそんなことを先生に話しても全然相手にされませんでしたが。

入院中はとにかく脇に刺さっているチューブの違和感と、消毒の際にチューブを差し替えた時の痛みで非常に不快なものでした。
しかも、日に日にその違和感が強くなるんです。
夜になると痛みが増して眠れなくなるので、よく痛み止めの坐薬をお願いしていました。
そんな状況で迎えた2週間後、先生から「チューブを抜いて肺がそのまま潰れなかったら退院出来ますから」と言われたので、もう頭の中は退院後のことでいっぱいです。
しかしチューブを抜いた結果、私の肺は見事にしぼんでしまったんです。
「うちの病院には気胸の権威がいるから大丈夫!」
そんな慰めにもなってないような言葉を頂きつつ、いつになったら退院出来るのかと聞くと1ヵ月は入院が必要だと言われてしまいました。
再手術

そして迎えた手術の日、私の妻も病院に来ていました。
手術の内容は私の右の肺の悪いブラがある部分を切除するというものだったのですが、妻曰く握りこぶしよりも大きかったということでした。
しかも真っ黒だったと。
私は超ヘビースモーカーだったので、先生からも肺が真っ黒だったから煙草は控えるようにと言われてしまいました。
自然気胸の原因とは

もしかして今回の自然気胸は煙草が原因なのか?と思い先生に聞いてみたのですが、自然気胸と煙草の因果関係はないということでした。
20代から30代の男性によく起こる病気らしいのですが、原因はまだはっきり分からないそうです。
結局、最初に息苦しさを感じてから1ヵ月以上を病院で過ごすことになってしまいました。
煙草との因果関係はないというお墨付きを先生から頂いていたので、たまにこっそりと病室を抜け出して喫煙所に行っていました。
そんなところを偶然通りかかった先生に見つかってしまい、散々説教されてしまいました。
それがきっかけという訳ではないのですが、それまで1日3箱は吸っていた煙草も止めることが出来ました。
因果関係は無いとはいっても、煙草が肺にダメージを与えていることは間違いありませんからね。
退院後の経過
無事に退院し、現在は何事もなく生活しています。
そう言えば、たまに健康診断などで病院でレントゲンを撮った後に必ず言われる言葉があるんです。
「自然気胸ですか?良い仕事してますね!」
自然気胸の手術の際に私の肺をホッチキスの針みたいなもので留めたようなのですが、その技術が見事だと毎回必ず言われます。
自然気胸の権威というのは嘘ではなかったみたいです。
良い先生に出会えたんだなと、それだけは良かったなと思っています。
息苦しさで悩まれている方へ
私の場合、異常を感じてすぐに医療機関を受診できたこともあり、手術こそ2回受けましたが予後は良好です。
腕の良い医師に巡り合えたことも良かったと思います。
皆さんも、胸の苦しさを感じて受診する時には、その分野に明るい医師のいる病院にかかってみると、良い結果につながるかもしれません。
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