【ep70】産後にバセドウ病を発症【育児しながら治療を続けた寛解までの4年間】

この記事を読むのに必要な時間は約 10 分です。

私は産後にバセドウ病になり、治療開始から寛解まで4年間かかりました。

どのように治療を続け、寛解したのかという私自身の体験談をお伝えします。

今バセドウ病で悩んでいる方のご参考になれば幸いです。

もくじ

バセドウ病とは

甲状腺ホルモンが過剰に作られてしまい、甲状腺機能が亢進する病気です。

過剰に作られた甲状腺ホルモンは血液中に流れこみ、新陳代謝が異常に活発になります。
それにより、頻脈、体重減少、体力低下などの全身症状を引き起こします。

代表的な症状は以下の通りです。

頻脈、体重減少、食欲増進、体力低下、微熱、手の震え、甲状腺肥大、イライラ、不眠、月経不順、眼球突出

新陳代謝が活発になる、と聞くと良いイメージを持つ方もいるかもしれません。
しかし、新陳代謝が異常なほど活発になりすぎると、脂肪が燃焼されるだけでなく、筋肉も燃焼され、更には骨までも燃焼されてしまいます。

バセドウ病の男女比率は、【男性:女性=1:5~6】と、女性に多い病気です。
年齢層は30〜40代が最も多いです。

私は産後にバセドウ病が発覚したのもあり、初めは不安でした。
バセドウ病は寛解までは何年もかかることが多く、先が見えず「目の前が真っ暗!」そんな気持ちでした。

当時は子供が赤ちゃんだったので睡眠不足状態がずっと続き、体力的にもキツく、終わりが見えない治療だと感じていました。

しかし4年間の治療が終わり、今では安定した生活を送ることができています。

私の場合、治療期間中も比較的安定していたので、しっかり薬を飲んで無理をしなければ、長い期間がかかるものの、寛解することができる病気だと感じました。

バセドウ病発覚〜寛解までの4年間

バセドウ発覚からどのような治療をし、寛解したのかをご説明します。
バセドウ病で悩んでいる方のご参考になれば幸いです。

バセドウ病発覚

私は産後に就活をして内定が決まり、入社前検診で受けた心電図で頻脈が判明し、再検査が必要となったので総合病院を受診しました。

総合病院で診察してもらったところ、「バセドウ病の疑いがあるが、専門の先生がいないため診断することができない」とのことで、甲状腺専門病院へ紹介状をいただきました。

甲状腺専門病院に行き、血液検査甲状腺の超音波検査を受けた結果、バセドウ病と診断されました。

医師からは「この状態で勤務することを許可できない」と言われ、当時内定をいただいた会社は諦めなければならないのかと、落胆したことを覚えています。

自覚症状が少なかった

あとから当時のことを振り返ると
●安静時の脈拍が140くらいあった
●座っているだけでも呼吸が苦しいことがあった
手が震えることがあった
と、バセドウ病の症状が出ていました。
更に、体重は38キロまで減少し、微熱が出ることも多く、疲れやすくなっていました。

しかし、これだけ症状がでていたのにもかかわらず、全ては育児で慢性的な睡眠不足になっているせいだと思い込んでいました。

医師もなぜ私が体の異常に気が付かなかったのかと、不思議に思っていましたよ。
自分の体にもしっかり目を向けないといけないですね。

バセドウ病の治療

バセドウ病の治療法は、下記3種類の方法があります。
飲み薬による治療
放射性ヨウ素治療
甲状腺摘出手術

私の場合は、飲み薬による治療をすることになりました。

記憶が曖昧ですが、メルカゾールを1日3錠くらいと、他にも薬が処方されました。

メルカゾールには、稀に白血球が減少するという副作用がでることがあり心配でしたが、私の場合は副作用はなにも現れませんでした。

その後、1~2週間後に再診をし、幸いなことに劇的に回復していました。
就労することも許可されたので内定先にすぐ連絡をし、無事勤務を開始することができ嬉しかったことを覚えています。

その後の通院は、1ヶ月後⇒2ヶ月後⇒3ヶ月後とだんだん伸びていき、3ヶ月に1回の通院を続けていました。
その頃にはメルカゾール以外の薬は処方されず、メルカゾールのみ飲んでいました。

初めはメルカゾールを1日3錠ほど飲んでいましたが、安定していたので薬を1日2錠に減らし、また数ヶ月様子を見て、1日1錠に減らしていきました。
状態は悪化することなく、1年程は安定していました。

治療開始から1年後に悪化

バセドウ病の治療を開始してから1年たった後、夏の時期に沖縄旅行に行ったのですが、その後の検診で悪化していることが判明しました。

医師からは「バセドウ病の患者さんは暑さに弱い傾向にあり、夏に悪化しやすいから気を付けて」と言われてはいたのですが、1年くらい安定しているし大丈夫だろうと思っていたのですが、悪化してしまいました。

悪化したことと沖縄旅行が直接関係しているかはわかりませんが、これを機に暑さには気をつけることにしました。

飲む薬の量を増やし、暑さに気を付けながら普段と同じ生活をしていると、今回も順調に回復・安定しました。
安定したあとはまた1日1錠の服用に戻しました。

妊娠希望のため内服薬を変更

しばらく安定していたので、病院で診察の際に、第二子妊娠希望の旨を医師に伝えると、内服薬をメルカゾール⇒チウラジールに変更することになりました。

チウラジールも稀に白血球が減少するという副作用があるので注意していたものの、副作用が現れることはありませんでした。

また、チウラジールはメルカゾールよりも効果が弱いとのことで、薬を変えてからの少しの間は、まめに受診する必要がありました。
しばらくは通院頻度が上がりましたが、チウラジールに変更したからといって悪化することはなく、また3ヶ月に1回の通院になりました。

再度少し悪化

チウラジールに薬を変えてからも1回少しだけ悪化したことがありました。

治療開始から2年たった後の秋の検査で発覚しました。
暑い夏が終わった後の検査だったので、やはり暑さが悪化原因かと思いました。

しかしこの頃には、これまで薬を多めに飲むとすぐに安定していたので、今回も大丈夫だろう、というマインドを持っていました。
実際にもチウラジールの量が増えたものの、次の検査では安定していました。

甲状腺専門病院から自宅近くの病院へ変更~寛解へ

治療開始から3年半の間、電車で40分程にある甲状腺専門病院に通院していましたが、しばらく安定していたので、通院が楽な自宅近くの病院に変更することにしました。
その頃はチウラジールを1日1錠の内服で、夏も悪化することなく1年以上安定してたと記憶しています。

元々は甲状腺専門病院に通院していたので、専門病院ではなくても大丈夫なのか?と少し不安はあったものの、その病院でも良い医師と巡り合えました。

医師の話によると、チウラジールは効果持続時間が短く、1日1錠だけしか飲んでいないのであれば、薬を飲んだ後の数時間だけ、薬で少し抑えている、という状態だそうです。

しばらく安定しているなら、薬の量を徐々に減らして様子をみて、寛解まで持っていけるかやってみよう、ということになりました。

そして毎日1錠飲んでいたチウラジールを、週に3錠にし、その後の検査でも安定していたので、チウラジールを服用せずに、過ごすことになりました。

そのままその後も悪化することなく、寛解しました。

服用を辞めてから1年程たちましたが、今のところ再発することなく過ごせています。

バセドウ病になって学んだこと

私はバセドウ病になって、自分の体と向き合うことを学びました。

今思えば手が震えていたら、明らかにどこか悪いところがありますよね。
バセドウ病発覚当時は、脈拍も140もあったので異常な数値です。

しかし当時の私は、それが病気による症状だとは考えもしなかったのです。

バセドウ病の診察の時に、医師からよく言われていた言葉があります。
「睡眠をしっかりとって、なるべくストレスの少ない生活をするんだよ」
基本的なことではありますが、意外とないがしろにしてしまうことでもあります。

今でもこれをできるだけ守るようにし、無理をしないで過ごすようにしています。

もし今後バセドウ病が再発することがあっても、ストレスや夏の暑さで再発しないよう気をつけて、しっかり薬を飲み治療していこうと思います。

現在バセドウ病にかかっている人へのメッセージ

バセドウ病の治療は長期に渡ることが多く、悪化を繰り返してしまうことで、不安な気持ちになると思います。

みなさんにも生活があるので、仕事をしたり育児をしたりと忙しい中、ゆっくり休めず頑張ってしまうこともあると思います。

しかしなるべく無理をしないよう、周りの力を借りながら生活し、治療を続けると安定し、いつか寛解します。

長い道のりになるかもしれませんが、どうか無理をせず生活していただけたらと思います。



カテゴリー:体験談

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