【ep76】食道がんになって【後遺症に悩んでいます】

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もくじ

食道がんとは?

食道の構造

食道は咽頭と胃の間をつなぐ管状の臓器で、なんと25cmもあります。
その大部分は胸部位にあり、一部は頸部や腹部に広域に位置しています。
食道は人体の背骨に添って位置しているので、正面から撮影したX線検査画像では見つかりません。
後ろ向きから撮影したX線検査画像で異常が発見さるので、一般的に胸部X線検査では見落としされるケースが多いようです。

食道がんの概要と原因

食道癌消化器系の疾患で、食道・胃の内科または外科で治療します。
食道癌のステージは『0~Ⅳ』まであり、数値が小さいと軽症で、大きいと重症になります。
数字に付記される『a』は食道に悪性新生物が粘膜内に収まっているケースです。『b』は食道に悪性新生物が粘膜下層に達し、さらに悪性新生物がリンパ節に達しているケースです。

一般的な治療方法は、ステージ『Ⅰa』は内視鏡による悪性新生物の摘出、ステージ『Ⅰb』は内視鏡による悪性新生物の摘出と、粘膜下層に達しているため化学療法(抗がん剤治療)放射線治療になります。
ステージ『Ⅱa』『Ⅲa』は一般的に切開手術による悪性新生物の摘出です。
また、『Ⅱb』『Ⅲb』は同様に切開手術による悪性新生物の摘出だけではなく、粘膜下層に達しているため化学療法(抗がん剤治療)放射線治療が必要になります。
ステージ『Ⅳ』が重篤な症状で内視鏡、切開手術で悪性新生物の摘出が厳しいとされていて、治療方法は化学療法(抗がん剤治療)または放射線治療になります。
さらにステージ『Ⅳb』はQOLの質が低下している場合は緩和的治療になるようです。

悪性新生物(癌)に罹患したときは、ステージごとの5年生存率があり、
ステージⅠ:85%
ステージⅡ:60%
ステージⅢ:30%
ステージⅣ:12%

と言われています。
上記のステージには各数値+『a』の悪性新生物組織が粘膜内に収まっている(転移なし)と、各数値+『b』の悪性新生物組織が粘膜下層に達している(転移あり)によって、生存率が変動します。

食道癌は、食道の粘膜から発生する悪性新生物組織の腫瘍です。
食道を摘出したときは、胃の一部を食道に置換する治療が行われています。

食道癌に至る要因としては、アルコールの摂取喫煙者熱い食事を好む方などが多いようです。
女性より男性に多いのが特徴で、比率は女性1に対して男性が6とされています。
また50歳以上の男性に多い疾患です。

食道がんになる前のイメージ

食道癌をキーワードにネットサーフィンをしてみると、日本では毎年25,000人の方が食道癌に罹患し、罹患者類計数は50万人~60万人に至るそうです。
早期に治療することで、生存率がアップするとのことでした。

自分自身は30歳代~40歳代は、大量のアルコールを接種していました。
喫煙歴も35年あり、歯科医師から「禁煙しないと『口腔癌』などの悪性新生物の疾患に罹患する恐れがある」と注意されていましたが、当時は言うことを聞きませんでした。
その後、『食道癌』に罹患してしまったので竹箆返しにあったと思いました。
しかし、早期治療により命を落とすことはないことが解かり、恐怖心が減少しました。

喉の詰まりから発覚

正月におせち料理を食しているとき、練り物が喉に詰まり息ができなくなりました。
その年の2月に職場のアフターでステーキを食べに行ったときにも、正月に起きた喉詰まりに再度襲われました。
短期間で続いたので、気になってかかりつけ医に相談したところ、内視鏡検査をすることになりました。
検査中、内視鏡のケーブルが喉を通過するときに出血を起こしてしまい、結果は「食道癌に99%以上の確率で罹患している」とのことでした。

その年の3月13日、東京大学医学部附属病院に紹介状と検査結果CDを持って受診しました。
診察して頂いた医師は胃・食道外科の教授でした。
翌日、内視鏡検査CT検査血液検査を行い、『食道癌ステージⅡ』で進行性であると告げられました。
その場で手術の計画を説明され、3月30日に入院して4月1日に摘出手術を受けることになりました。
3月中旬から固形物を食べることができず、東大教授の指導で『アノム200ml』を1日6袋飲むことになり、3月31日までアノムだけの生活でした。

食道癌摘出手術は4月1日の8:00~15:00に行われ、約7時間に渡る大手術でした。
その後、4月19日に退院しました。
退院後は、通院治療と樹状細胞ワクチン接種の治療を受けました。
残念ながらダンピング後遺症が残り、現在も1日6回の分食を継続しています。

まとめ

食道癌の摘出手術を受けて6年半が経過しますが、仕事をしています。
術後の1年目は退院してから週に1回検査を受けていましたが、2年目以降は半年に1回の通院検査になりました。

通院時は、採血検査CT撮影検査上部内視鏡検査の各検査と主治医の診察をしていただきます。
そのたびに「再発はしていませんよ」と診断されると安心します。
来月は7年目の検査になりますが、「再発はしていませんよ」と診断されることを願っています。

しかし、私と同じく胃・食道癌の術後に後遺症がある方が30%程度いるのです。
ダンピング後遺症と言い、飲食後に腹部(下腹部)が締め付けられるのです。
臥床して1時間~2時間経過すると自然におさまります。

芸能人の方でも、俳優の市村正親さんは胃癌の手術をして後遺症がなかったようですが、歌手の小椋佳さんは後遺症があり、20年経過しても「食後は横になる」と語っていました。
前就業先の女性事務員のご主人が胃癌の手術後に後遺症があり、10年が経過していても食後に症状が現れるそうです。
後遺症と上手く付き合っていく人生と決めました。

食道がんの方へのメッセージ

食道癌に罹患した場合、ステージⅢまでは外科治療・化学療法(抗がん剤治療)・放射線治療で治療できます。
日本人は50万人~60万人が罹患しています。
自分自身が食道癌のステージⅡaでした。

悪性新生物組織摘出手術からもうすぐ7年経過しますが、ダンピング後遺症と1日6分食の生活をして生きることができます。
また、良い医療スタッフ(かかりつけ医、東大病院の先生)に恵まれてことが幸いでした。
また、患者会(消化器系癌罹患者の集い)があるので、術後の生活環境を共有する機会があります。
不安がある方は尋ねてみてはいかがでしょうか!



カテゴリー:体験談

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