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クローン病とは難病指定になっている病気であり、日常生活に支障をきたしてしまいます。
『治療方法がないから難病と分類されている』と聞いたときには愕然としますよね。

たしかに現在の医療では完治することはできません。
だからといって死に至る病気でもありません。
上手に付き合っていけば普通の生活も送ることができますので、ご紹介いたします!
もくじ
クローン病とは
クローン病と人に打ち開かすと決まって「え、〇〇さんが増えるの?」と茶化したように言われるか、「なにそれ?」と戸惑われるかどちらかでした。
医療職の人以外は誰もお腹の病気とは気がつきません。
クローン病は、口から肛門までの消化管といわれる部位に原因不明の炎症が起きる難病です。
小腸と大腸のつなぎ目(回盲部)に炎症が起こることが多く、私もそうでした。
初めて名前を聞いたときには私自身も「?」となりましたし、難病と言われたときには「死んじゃうのか?」とも感じました。
クローン病になって感じたこと
治療が始まって、感じることは正直言って「申し訳ない」です。
とても環境にも恵まれて、専門医が主治医となってもらえましたし、職場も医療現場なので理解があります。
しかし、飲み会やお土産などでも気を遣われます。
仕事でもなんでもないことなのに気を使わせてしまいます。
相手には私の腹痛などわかりませんから、状態がいいのか悪いのか判断がつかないのです。
そのため、四六時中、心配をかけてしまいます。

そのたびに申し訳ない気持ちになりますし、「大丈夫ですよ」とフォローするのが申し訳ないですね。
贅沢なことですが、『普通』には接してもらえません。
ありがたいですけどね。
発症から診断されるまで
私の体験談というか、これまでの経過についてお話しします。
始めに症状が出始めたのは20歳のころでした。
ちょうど、看護師になるための実習中で、夜は週に4~5日ほど某ハンバーガー店で食事をしながら勉強をしていました。
今思えば異常な頻度ですね。
そして6月頃に腹痛と下痢が続くようになりました。
保育園に通っているころから、外出時には必ずといっていいほどトイレに行っていました。
小学校でも授業中に我慢できなくなるほどの腹痛があり、何度もトイレに立つこともありました。
さすがに近くの消化器内科に受診し、これまでの経緯と症状、現状を説明すると
「過敏性腸症候群でしょうね」と診断され、痛み止めと整腸剤を処方されていました。
それが5ヶ月続きましたが治らず、一度他の病院へ行ってみようと隣町の消化器内科クリニックに受診しました。
経緯を説明すると、そこでは内視鏡検査を勧められ人生で初めてチューブを通しました。
終わった後に医師からの説明で「もしかすると難病の可能性があるため、すぐに〇〇病院へ行ってください。」と紹介状を渡され、翌日に受診しました。
紹介された医院ではCTを撮影し、検査の結果を見て医師より「クローン病だと思います。ここでは確定診断が難しいので〇〇大学病院へ受診して下さい」と、更に紹介状を持たされました。
実習中だったため、次の休みに紹介された大学病院へ受診し、一泊二日で検査入院を受けて確定診断がつきました。
「典型的なクローン病です」と言われ、クローン病の詳しい病態などについて説明されました。
看護学生だったため、医師の説明は理解でき、そこまで落胆はしませんでしたが、一緒に聞いていた母親は落胆していました。
治療と経過
それから通院で点滴治療と内服治療が始まり、定期的に採血や大腸カメラなどの検査をして経過を見ています。
環境が変ったり、看護師になって夜勤を始めると状態が悪くなることが多々ありました。
そのたびに職場へ説明して夜勤を少なくしてもらったりと配慮して頂いたおかげで、状態はそこまで悪化せずに済んでいます。
現在の治療は、毎日の内服と2ヶ月に1回の受診時に採血と皮下注射2本で症状は落ち着いています。
また、半年~1年に一回は大腸カメラをして様子観察して居ます。
時々、腹痛があるときがあるのでその時には頓服で鎮痛剤を内服したり、トイレにどうしてもいくことのできない状況がわかっているときには腸の動きを止める薬で対応しています。

まとめ
以上が私の発症から現在までの状況です。
ざっとした紹介でしたが、本当に恵まれた治療環境や職場の上司や同僚のおかげで疾患と付き合えています。
これからまだ治療を継続していかなければ、再燃という形で苦しむことになります。
医師からは少しずつ免疫抑制剤を減らしていき、注射のみに移行していこうと説明を受けています。
今後は内服薬は頓服のみにして、注射だけにできればとてもありがたいですね。
そして遠出してもトイレが気にならない生活ができれば、今よりももっと人生を楽しめる気がします。
クローン病で悩まれている方へ
きっと私は症状が安定している状態だと思います。
中にはまだ小学生ほどで状態がもっと悪い方もいらっしゃると思います。
病気であるのは誰のせいでもありません。
周りには迷惑をかけていて肩身の狭い思いをされているかもしれません。
しかし、医学は日進月歩で着実に進化しています。
きっと治療薬ができる時代はきますので、それまで頑張りましょう!
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