【臨床検査技師監修】外敵と戦う細胞・白血球について解説しました。

この記事を読むのに必要な時間は約 9 分です。

運営より、今回は白血球の数値について着目して考えられる病気や治療の必要性について臨床検査技師さんのまさざね君さんに記事執筆をお願いしました。

ぜひ今後の健康指標に活かしていただければと思います。ではどうぞ。


白血球とは

今、あなたの体内で頑張る細胞たちの物語。

体内細胞進化アニメの「はたらく細胞」で準主役級の活躍をみせる白血球の1つ好中球

その他の白血球細胞たちもインパクトの強いキャラで活躍していますので、機会があれば一度ご覧ください。

このアニメは、病気の時に体の中でどのようなことが起きているのか分かりやすい内容になっているので、一般の方だけでなく医療関係者が読んでも凄く勉強になります。

さて、血液には白血球、赤血球、血小板という3種類の血球が存在します。

今回は、白血球についてお伝えします。

白血球は、外部から体内に侵入した細菌やウイルスなどの外敵から身体を守ってくれています。例えるなら、敵の侵入から国を護ってくれる『兵隊さん』のような役割を果たしているのです。

普段の白血球は、血液の中のあちこちに存在して特に何もしていませんが、体内に侵入した外敵を見つけるとアメーバ運動をしながら突撃していきます。

そして、外敵を自分の中に取り込んで消化・殺菌や侵入した異物を排除する免疫グロブリンというタンパクの抗体を産生して身体を護ってくれるのです。

この白血球には、役割の異なる5種類の細胞が存在していて、以下のように分けられます。

好中球 

体内に侵入した外敵(細菌、カビなど)を消化・殺菌処理する白血球の中心的な存在です。

リンパ球 

免疫グロブリンという抗体を作ることで、外敵(細菌、ウイルスなど)やガン細胞などを識別して攻撃します。

さらにリンパ球は、Tリンパ球、Bリンパ球、ナチュラルキラー(NK)細胞などに分類されます。

  • Tリンパ球:過剰な攻撃をしないように自分を制御しながら、侵入してきた外敵を記憶して排除します。
  • Bリンパ球:体内に外敵が侵入すると抗体を作ります。
  • NK細胞:いつも体内をパトロールしていて、外敵に感染した細胞を発見すると攻撃します。

単球 

好中球と同じく外敵を処理する以外に大型の白血球でマクロファージと呼ばれる大型細胞に成長します。

  • マクロファージは、体の中をアメーバ様運動しながら傷んだ細胞や外敵などを食べる掃除屋のような存在です。

好酸球 

外敵を消化・処理する以外にアレルギーに関与しています。

好塩基球 

大きな外敵(寄生虫など)に対して攻撃したり、アレルギーに関与しています。

そんな白血球は、骨髄で1日に約1000億個が作られ、寿命を迎えると脾臓や肝臓で破壊されます。白血球の寿命は種類により異なりますが、赤血球の120日と比較すると非常に短く1日~7日程度です。

白血球の測定

血液の中の白血球数を測定するには迅速かつ大量に検体処理できる自動血球測定装置が用いられます。

この装置は、白血球数以外にも赤血球数、血小板、ヘモグロビン、ヘマトクリットなどを測定します。

また、白血球を5種類の細胞に分類した割合も結果として表示されます。

その後、結果として正しく測定されたかを画面で確認して、必要に応じて再測定または顕微鏡で異常細胞の有無を確認します。

顕微鏡で詳しく血液細胞(白血球)の形を観察することで白血病などが疑われるかどうかを判別することができます。

白血球数の基準値(範囲)と異常値

白血球数の基準値(範囲)

 白血球3,100~8,400 個/μl (人間ドック学会より)

 *μl(マイクロリットル):1mlの1/1,000

 白血球は、500万個/μlの赤血球と比較するとわずかですが、身体にとっては非常に重要な細胞です。

白血球分画(百分率)

 白血球の5種類の割合は以下になりますが、異常がなければ健康診断で記載されることはありません。

 ・好中球:45~66%

 ・リンパ球:25~45%

 ・単球:2~10%

 ・好酸球:0~7%

 ・好塩基球:0~2%

ただ、白血球数は個人差が大きく年齢、朝と夜(時間変動)、運動、喫煙、ストレスなどによって変動が出る場合があります。

白血球数の異常値と疾患

医療関係に受診するほどではないが、健康診断の結果で注意が必要な異常は、軽度異常:8,500~9,000/μl、要経過観察:9,000~9,900/μlになります。

医療関係に受診が必要な異常値は、3,000/μl以下または10,000/μl以上となっています。

異常低値(白血球減少症)の時は、高頻度で感染症にかかりやすくなります。

異常高値(白血球増多症)では、感染を防ぐための生体反応(正常反応)の場合もありますが、細菌感染や悪性腫瘍などで高くなります。

また、白血球数異常時は、発熱や倦怠感などの症状があらわれます。

異常低値(白血球減少症)で考えられる疾患

  • 敗血症
  • 再生不良性貧血
  • 急性骨髄性白血病
  • 全身性エリとマートデス(膠原病)
  • 薬剤障害など

異常高値(白血球増多症)で考えられる疾患

  • 白血病
  • 肺炎
  • 急性心筋梗塞
  • 胆のう炎など

異常値を指摘されたときの改善方法

治療まではいかないが白血球が増えている時は、激しい運動や喫煙を避けて、カロリーが高く高タンパクの食事を摂って栄養状態の改善をしていきます。

白血球が少ない時は、感染症にかかりやすいため、生ものの食事を避けてリスクを下げるようにします。

また、通常であれば何でもない細菌に感染してしまう事もあるので身体を清潔に保つようにします。

白血球数異常の治療

白血球減少の治療には、手洗いやうがいなどの感染対策以外に白血球減少の原因となる薬を中止したりします。

白血球の増加が感染症、炎症性疾患、アレルギーなどの場合は、原因疾患を治すための治療をおこなって白血球数を基準値に戻します。

また、白血病の場合は抗ガン剤を用いて骨髄中の白血病細胞を死滅させます。

まとめ

白血球は、私たちの健康を維持するために外敵からの侵入を阻止する働きをしてくれます。

また、感染症、アレルギー、臓器の炎症、白血病など様々なことが原因で白血球数が異常な増加や減少をするので、体の中で何らかの異常が起きていることを検査をすることで知ることができます。

もし、健康診断などで異常値が続く場合は、「症状がないから大丈夫」と自己判断せず原因を見つけるために医療機関への受診をお勧めします。

そして精密検査で原因となる病気を見つけて治療することで、病気の進行を阻止したり完治することにも繋がります。

もう一度、健康診断などの検査結果を見直してみてはどうでしょうか。

ライター名(ランサーズ名):まさざね君

<経 歴>

臨床検査技師の国家資格を2000年に取得。

臨床経験は、総合病院で15年、癌・肺疾患専門病院で5年目になります。

臨床現場では、健診から救急患者まで生理検査を中心に従事しています。

臨床検査技師は、血液などの検査値だけでなく、細菌培養、画像診断、細胞や組織などについても検査して報告しています。

これらの検査を通して、病気の原因、検査、治療、予防など分かり易くお伝えしていきます。

気になるは病気について、少しでもお役に立てれば幸いです。



カテゴリー:”薬”立つ情報, 臨床検査技師【検査】

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