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季節の変わり目に、よく聞かれる不調の一つに「寝付けない」「眠りが浅い」などがあります。特に春は、職場や学校のクラス替えなどの環境の変化が多いせいか、睡眠が不十分になりやすく、疲れが溜まっている方を多く見かけます。
しかし、風邪やアレルギーなどと違って、症状も曖昧のため、病院に行くまでもないと思っている方が多いようです。
そこで、まずは近くのドラックストアに売っているOTC薬品のご提案です。
ドラックストアで販売している、「寝付きをよくするお薬」は、いわゆる病院で処方されるような「睡眠導入剤」ではございません。
ですので、睡眠薬などの抵抗のお持ちにもおすすめです。
まず、OTC薬品で試してみて、生活が改善するかどうかをチェックをしてみては如何でしょうか。
“寝付きをよくするお薬“について、ドラックストアでの対話形式記事を作成致しました。
ぜひ、ご参考にされてみてください。
あの、すみません、薬剤師さんでしょうか?
はい、薬剤師です。こんにちは。
どうされましたか?
最近寝つきが悪くて、そういったお薬は置いてありますか?
寝付きが悪いんですね。その他に何か症状はありますか?
冷え性で足先が冷たくて、靴下履いて寝ています。
冷え性なんですね。疲れなどは感じますか?あと、アレルギーなどはお持ちでしょうか?
疲れはありますが、寝れないんです。花粉症以外のアレルギーはありません。
かしこまりました。ご案内いたします。
いくつかあるみたいですが、何が違うのか分かりません。1番効くお薬はどれですか?
すみません、ドラックストアで購入できるようなお薬は、一般的に言われている睡眠導入剤ではありませんので、飲んですぐコロッと寝てしまうようなお薬はないんです。
そうなんですね。それでも効果はありますか?
そうですね、効果があるかは患者様それぞれで変わってきます。
例えば、患者様の場合、冷え性があり、疲れているのに眠れていないとおっしゃっていましたよね?
はい。
寝付きの悪さの原因は、何かの他の原因があることがあるので、そちらの症状を取り除くことで、改善することもあります。例えば、ストレスを強く感じ、考え事が多く寝付けなかったり、生理前になかなか寝付けない、など様々です。なので、他に気になる症状がある場合は、それに添ったお薬をご提案させていただきます。
なるほど。そうなると私は冷え性が強いので、それを担ったお薬がいいんでしょうか?
そうですね。お薬の成分によって飲み方も変わりますので、総合的にご自分に合ったお薬を選んでいただければと思います。

ホスノールSですね。植物生薬って書いてあります!効くんでしょうか?
はい、こちらはご指摘の通り、生薬を主成分にしているお薬です。
漢方薬でいう睡眠導入剤として、処方薬でもご利用いただいているお薬です。
漢方薬の特徴は、全体的な体調改善を目的にしておりますので、冷え性であったり、体の疲れなどの症状を改善してくれる成分が入っています。
一石二鳥ですね!
そうですね。
ですが、こちらのお薬は、顆粒タイプである事と、1日3回内服していただくお薬になります。ですので、飲む回数が多いと辛かったり顆粒が苦手という方にはおすすめできません。
なるほど。それ以外におすすめはありますか?
1日1回寝るタイミングで飲むだけのタイプですと、こちらです。

ドリエルなら聞いた事あります!
一般的に、言われるOTCの睡眠薬代わりというと、こちらのお薬になります。
他にも、リポスミンやアンミナイトなども同じ成分です。
処方される睡眠薬と何が違うんですか?
処方される睡眠薬は直接脳に作用して眠りを誘います。今回ご紹介した「ドリエル」のようなお薬は、もともとは抗アレルギー薬として内服しているお薬で「抗ヒスタミン薬」といいます。このヒスタミンはアレルギー症状を引き起こす他に、脳内で覚醒や興奮をもたらす働きをしています。そのヒスタミンを抑えるお薬です。ですので、直接脳に作用するわけではなく、効果はあくまでも緩やかで、個人差もあります。
そうなんですね。私、いつも寝る前に他の抗アレルギー薬飲んでるしなー。。。
そうですね、成分は異なりますが、基本併用はできないため、花粉症でアレルギー薬を内服している間は避けてください。
分かりました、気をつけます。
ドリエルは3日分で1100円前後、ホスロールSは4日分で1870円前後です。
結構のお値段ですね。ずっとは飲めないわね。
そうですね、とりあえず、試しに飲んでいただいて、今後も飲んでいきたいようであれば、保険が効くように受診されることを強くおすすめ致します。
分かりました。とりあえず、冷え性で疲れもあるから、最初におすすめしてくれたホスロールSを飲んでみます。
いかがでしたでしょうか?
睡眠障害と言っても、人それぞれ違います。
他に気になる症状がある場合は、必ず、そのことも伝えましょう。睡眠導入剤はありますか?と聞いてしまうと、ドリエルのような抗ヒスタミン薬のお薬を勧められることが多いです。
また、抗アレルギー薬をすでに内服している方も注意が必要です。
不眠以外で、他に不調がないか、原因がないか、ご自分の体調を一度見直してみましょう。そして、その症状も伝えた上でご相談ください。
と言っても、OTC薬品で根本的に不眠を改善する事は、なかなか難しいかもしれません。
価格も決して安くないので、数日飲んでも改善しない、ぶり返してしまう、なかなか良くならないなどあれば、内科や精神内科へ早めに受診しましょう。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

カテゴリー:セルフメディケーション, 睡眠薬
グリシンの扱いを教えていただけると幸いです。
「商品名 グリナ」は機能性表示食品ですが、深い睡眠を得ることが可能であるとされています。
どちらかといえば漢方薬に近いものかもしれません。
二重盲検比較試験を統計勉強会で何年か模擬試験として行っていましたが、症例数が20例ぐらいのものを一つにまとめるという、統計を勉強するにはいい教材だと思いました。結果は秘密です。
機能性食品を薬剤師の方はどのように考えておられるか興味がありましたので。
追記:マウスの睡眠誘導試験でスクリーニングしたときにはグリシンよりもウリジンの方が優れていました。癌患者における睡眠の質の増加する化合物の探索に少しかかわっていたときの記憶です。当然動物実験で止まっているので、文献にはしていません。
あと、不眠症とうつ病に関しては不眠症は直接効果を示す睡眠導入剤がありますが、うつ病に関しては抑うつ作用に対して即効性を持つ医薬品が存在しますが、うつ病に効能はありません。
不眠症を治せば、うつ病は軽快するのでしょうか?