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久しぶりに会った親が、
☆同じ会話を繰り返す。
☆家の中が散らかっている。
☆得意だった料理を料理を作らなくなっていた。
こんなことありませんか?
それらはもしかしたら認知症の初期症状かもしれません。
残念なことに現在の医療では、認知症を治す治療は見つかっていません。
しかし、早期に起きている問題を解決することで、症状の進行を緩やかにすることが期待できると言われています。
この記事では、認知症の初期症状4つと家族が出来る生活で起こる問題への対策3選をご紹介します。
1 認知症の初期症状4つ
2 予防のために情報収集
3 生活で起こる問題と対策3選
順を追って見ていきましょう。
もくじ
1 認知症の4つの初期症状
それぞれの症状と具体的な生活のエピソードをあげていきます。
1)物忘れ
・同じ話を繰り返す。
・約束を忘れてしまう。
・ゴミの回収日を守れなくなる。
・必要ないのに同じものを何度も買ってしまう。
・鍵や財布を無くしてしまう。
・料理の味付けがうまく出来ない。

2)計画を実行することができない
・今まで使っていた家電が使えなくない。
・料理の工程の順序がおかしくなったり、計画していたものを作れない。

3)注意力や集中力の低下
・趣味だった読書をしなくなる。
・テレビドラマ等あらすじを理解できなくなり、途中でやめてしまう。
・趣味が継続できなくなる。
・料理などの家事を途中で放棄してしまう。

4)無気力
・趣味が継続できなくなる。
・人付き合いを避けるようになり、やる気がなくなる。

2.情報を集める
対策をする前に重要な事は、生活状況を観察をし、情報を得ることです。
ただ観察しても問題を発見しにくいため、生じやすい問題を念頭に入れながら観察を行うことが重要です。
例えば、
・家の中が以前より汚れていないか?
・飲んでいる薬が溜まっていないか?
・料理を作らなくなっているか?
などを念頭に入れておくと良いです。
ご本人の認識を確認することも重要ですが、自覚がない場合や取り繕ってしまう可能性もあるためご近所の方からの情報や自分以外の家族の認識を確認していくことから始めましょう。
3.生活で起こる問題と対策3選
重要なポイントは、些細な失敗体験から、出来ている部分を取り上げない事です。
問題が起きた
↓
問題が起きたことを取り上げる
↓
役割や生きがいを失う
↓
無気力で何もしなくなる
と言うのが、認知症の進行を早めてしまう負のループです。
例えば、
・火の管理が危ないから料理をやめさせる
といったことが挙げられます。
ちょっとした工夫で、自宅での役割や活動を継続をしていくことが、大切なポイントとなります。
具体的な問題と対応策を挙げていきます。
1)火の管理
火の不始末が、一番避けたいリスクの代表例です。
具体的な対応策として
・IHに変更する。
・ガスでも時間経過と共に消えるようなものに変更する。
・火を使用しない電子レンジや電気鍋等を利用する。
・家族やヘルパーさんが来た時のみに料理をするようにする
2)部屋を片付けられない
部屋が散らかってしまい、ものをよくなくすなどがよく起こる問題です。
具体的な対策として、
・こまめに一緒に掃除をする。
・本人の大切にしているものは出来る限り自分でしてもらう。
・家族の介入が難しければ、ヘルパーさんを利用する。
・地方自治体が実施しているゴミ出し支援などを利用する。
3)薬の管理
薬の飲み忘れ・飲み間違いは、認知症の方の初期に見られることです。
薬を自立して飲んでもらうための工夫を挙げます。
・一包化する。
・服薬カレンダーを利用する。
自立して飲むことが難しくなってきた場合
・さりげなく薬をセットしてあげる。
・服薬のタイミングで家族から連絡をする。
・訪問看護・デイサービスなどに使用する
こちらだけで判断せず、ご本人と相談しながら、スムーズに移行していくことがポイントとなります。
4.まとめ
認知症の初期症状4つと、家族が出来る生活で起こる問題への対策3選をご紹介しました。
そこで重要なポイントは2つ
・生活状況を観察し、起きている症状や問題を把握すること
・起きている問題に対して、ご本人の役割や自尊心を失わず、解決してあげること
です。
それでも家族だけ解決しない場合や、介護負担でストレスが積み重なってしまった場合は、速やかに担当の介護支援専門員や地域包括支援センターに相談しましょう。
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