【作業療法士監修】ユマニチュードによる認知症ケア【介護が楽になる】

この記事を読むのに必要な時間は約 7 分です。

認知症症状が強く、うまく介護ができない。

認知症の方に対して、否定的な態度をとってしまう。

看護師や介護士、親を介護する方、こんな経験はありませんか?

現在、ユマニチュードという介護技術が話題になっています。

ユマニチュード は、フランスで生まれた認知症のケアです。

双方が楽になる介護技術で、誰でも学べ、実践が可能と言われています。

この記事では、ユマニチュードの概要・基本的な技術についてお伝えします。

ユマニチュードとは

認知症ケアの一つで、言葉や身振りなどの5感を活用したコミュニケーション技術です。

フランスのイブジネスト氏とロゼット・マレスコッティ氏により開発され、35年もの歴史を持ちます。

日本に導入されたのは、イブジネスト氏らが2012年に国立病院機構東京医療センターを訪問したのがきっかけです。

2014年には、NHKの番組で放送され、より名前が知られるようになり、ユマニチュードのメソッドを取り入れている病院、介護施設が増えてきました。

発祥の地フランスだけではなく、スイス、ポルトガル、ベルギー、ドイツ、カナダ世界中の医療業界で、ユマニチュードのケアが導入されてきています。

ユマニチュードの効果

看護師などの介護側のケア満足度が上昇した

また介護をしている人の負担感介護を受けている側の認知症症状の双方が軽減したという報告も聞かれています。

基本の4つの柱

ユマニチュードのケア実践は、4つの技法でなっています。

1 見る

見ることは「自分はあなたに関心がある」という意思表示を意味しています。

ポイントは、正面から水平に、顔を近づけ、長く見つめること

正面の位置は「正直・信頼

水平な高さは「平等

近い距離は「親密さ

時間の長さは「友情・愛情

というメッセージを与えてくれます

2 話す

①ゆっくり前向きな言葉を用いる

ゆっくり話すことが相手に安心感を与えることができます。
常に前向きな言葉を選択しましょう。

②ケアの内容を実況中継する

オートフィードバックとは、自分の行っているケア内容を実況中継することです。

たとえば、

これから腕を洗いますね」

「温かいタオルを持ってきました」

「肩から洗いますね」

「あったかくなりましたね」

「気持ちいいですか?」

などの前向きな言葉をかけ続けます。

3 触れる

①触れる前に声をかける

認知症の方にとって何の前触れなく、身体に触れることは相手にとって、不信感や不快感に繋がることが多いです。

触れる前に声をかけることが、これから始まるケアの理解につながり、ケアを受け入れてくれるようになります

②掌から触れるようにする

介護場面で、つい相手を掴んでしまうことが無自覚で行われています。

掴む行為は、相手の自由を奪うことを意味し、認知症症状を強めてしまうと言われています。

4 立つ

①1日20分立つ

高齢者は、約3日間立つ機会がないと寝たきりになってしまうと言われています。

ジネスト氏は、1日20分立つ時間を確保することが、筋力低下、骨粗鬆症、肺機能低下を予防すると提唱しています。

②立った状態でケアを行う

トイレや歯磨き、シャワー等ケアの一部で立つ機会を設けましょう。

ケアの中で立つ時間を設けると1日20分を確保することができます。

安全確保のため、近くに椅子を設けながら行いましょう。

5つのステップ

ユマニチュードの全てのケアは、物語のように以下の5つの手順で行います。

1 出会いの準備

2 ケアの準備

3 知覚の連結

4 感情の固定

5 再会の約束

順番に説明をしていきます。

1 出会いの準備

出会いの準備とは、自分の来訪を伝えることです。
誰かが来たことを伝え、それを受け入れてもらうか選択をしてもらいます。

具体的な方法

中の人に聞こえるように3回大きな音でノックをする

3秒待ち、再び3回ノックをする

それでも反応がなければ、1回ノックして室内に入ります。

「待つ」ことは、本人の脳が活性化する水準を少しずつ高める効果が期待できると言われています。

2 ケアの準備

ケアの準備とは、ケアの合意を得るということです。

4つの柱のうちの、見る、話すなどの技術を使いながら合意を得ていきます。

この段階を踏むことで、認知症の方の攻撃的な行動が減少し、ケアに協力的になることが知られています。

3 知覚の連結

合意が得られたら、ケアを開始していきます。

4つの柱の少なくとも2つ以上の技法を同時に使いながら、


あなたを大切に思っているというメッセージを継続的に届ける

ことが重要です。

4 感情の固定

ケアが終わったら、受けたケアを素敵な経験として振り返り感情記憶に残します。

『気持ちがよかったですね』

『協力してくれてありがとうございます』


などの声をかけ、お互い気持ちよくケアが行えたことを確認することが
次のケアにつながります。

5 再会の約束

重要なポイントは、
再開の約束を言葉だけなく、5つの手順を通して感情記憶に働きかけることです。

『自分に優しくしてくれた人がまた会いに来てくれる」
という期待感や喜びは、感情記憶として残ります。

まとめ

今回は、ユマニチュードの概要とその技術について説明をしました。

ユマニチュードを通して、ケアをする側・受ける側双方にとって楽なケアを心がけていきましょう

より詳しく学びたいという方は、オンラインで研修が受けることもできます。



カテゴリー:認知症, 作業療法士【認知症】

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