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頻尿と聞くと『高齢者がお手洗いに行く回数が多いこと』『夜間頻尿』などのイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。
しかし、私はまだ小さい小学生の頃から頻尿に悩み始めました。
ひどいときは1日に何十回もお手洗いに行くこともあり、生活に支障が出るほどでした。
30代になった現在は、治療の甲斐あって問題なく日常生活を送ることができています。
今回は、私の子どもの頃から現在に至るまでの頻尿経験をご紹介します。
もくじ
頻尿の種類
頻尿の定義とは一般的に、朝から晩までの排尿の回数が8回以上と言われています。
しかし、生活スタイルなどによって排尿回数は個人差が大きいため、8回以上の人が必ずしも頻尿で治療が必要などと言うことではありません。
むしろ、8回以下でも自身で回数が多いと感じ困っている場合は、頻尿と位置付けることができるようです。

頻尿の種類は主に、
●過活動膀胱
●残尿
●多尿
●感染
●腫瘍
●心因性
などがあります。
私の場合は主に心因性でしたが、場合によっては他の重大な病気に関わるものもあるため、自分で決めつけずに泌尿器科を受診することをお勧めします。
心因性頻尿とは
心因性の頻尿とは、膀胱や尿路などに関して特に病気がなく尿量も問題ないのにも関わらず、トイレのことが気になる状態です。

トイレのことが気になって仕方ない、トイレに何度も行ってしまうなど、生活に支障をきたす場合が多いと言われています。
特に若年層は授業や試験など、トイレに行くことができない状況に置かれることによって更に症状が進行してしまうことも多いようです。
発症から治療までの様子
頻尿になったきっかけ
私が頻尿だと気づいたのは、小学校低学年のときです。
普段からピアノを習っており、その日は年に一度の発表会のことでした。
自分の出番の前にトイレに行ったのですが、極度の緊張で更に何度もトイレに行きました。
しかし、短時間では膀胱に尿が溜まっていないので、排尿はほとんどありません。
この発表会をきっかけに、緊張すると何度もトイレに行く癖がついてしまいました。

緊張する場面以外でも、自由にトイレに行くことができない環境などで一度トイレのことを考えると、トイレに行かないと気が済まなくなりました。
外出中など、トイレを見かけたらとりあえず行っておくなどして対策しました。
また、水分を取るとトイレに行きたくなるため、場合によっては水分を我慢することもありました。
一番気になったのは映画館です。
2時間前後の映画でも1〜2度はトイレに立つことが殆どでしたので、周りの観客の邪魔にならないよう、端の出やすい席を指定することが多かったです。
しかし、大人になるにつれて精神的にも落ち着いてきたのか、頻尿があまり気にならなくなりました。
それに、普段から水分を取ることが多かったので、少しくらい頻尿でもしっかり水分を取ることができている証拠だと思いました。
受診のきっかけ
社会人になり広告業界で働いていました。
普段はオフィス勤務でしたが、外回りや会議の時間などトイレに行くことができない機会が増えてきました。
それと同時に、子どもの頃のように異常な尿意を感じることが増えてきました。
会議時間が長く2〜3時間の長丁場になったり、席を立てない雰囲気の場面も多くあり、思ったタイミングでトイレに行けないことが増えました。
そのせいか、尿意を我慢することを繰り返すことにより、子どもの頃のように何度もトイレに行くようになってしまいました。
仕事の大変さと尿意のダブルパンチで精神的に疲れていたときに、友人に勧められ泌尿器科を受診しました。
泌尿器科は初めてで、少し抵抗感がありましたが、勧めてくれた友人もまた頻尿で、泌尿器科に通って改善したとのことでした。
診察の結果

診てくれた先生は若い女医さんで、安心して困っていることを話すことができました。
基本的には問診で、頻尿と一言で言っても様々な種類があることを初めて知りました。
そして、私の場合は心因性の頻尿だと診察の結果分かりました。
元々の性格から不安に感じる気持ちが大きいので、「トイレに行けなかったらどうしよう」と一度思うとその気持ちがより増幅し、負のスパイラルに陥ってしまうそうです。
先生には「あまり神経質にならないで」とのアドバイスをいただきました。
そして、抗不安薬のクロチアゼパムを処方されました。
頓服として処方されたので、不安になりそうなときに予防的に飲むものとしていただきました。
先生曰く、「お守り代わりに持っておくと気持ち的にも安定する」とのことでした。
治療の経過
処方された、抗不安薬のクロチアゼパムですが、抗不安薬を飲むのは初めてで少し抵抗感がありました。

しかし、薬剤師の先生から「我慢せずに、気軽に飲んでね」とアドバイスを受けたこともあり、会議が長引きそうな時や大勢の前で話すような不安感を感じるときに服用していました。
飲むと気持ちが落ち着き、焦りや不安な気持ちが、いつの間にか少なくなっていきました。
小さい錠剤なので、お守り代わりにいつも持ち歩いて、いつでも飲むことができるようにしていました。
初診から半年くらいの間は、月一回ペースで受診しました。
受診時は仕事が特に忙しかったためか、毎日のように薬を飲んでいました。
しかし、仕事が落ち着くにつれ症状も改善し、3ヶ月ほどである程度まで落ち着きました。
継続して受診し、半年後には殆ど症状は見られなくなりました。
きっちりしている性格で不安に駆られることが原因で頻尿になったと自覚していたため、あえてラフな気持ちで治療しました。
トイレはあまり気にせず、水分補給は普段通りに行いました。
不安に感じたら躊躇なく服薬し、神経質にならないようと心がけました。
まとめ
幼少期からトイレが近かったこともあり、大きな問題とは捉えていませんでした。
しかし、大人になって仕事や様々なストレスと重なったことで、幼い頃よりも大きな問題となって表れたのには驚きました。

私は性格的に少し神経質な部分があり、おそらく気持ちの問題だと思っていましたが、受診してみるとやはり心因性の頻尿でした。
薬を上手に使うことで、心身の負担が軽くなりました。
薬に依存してしまうのではないかと不安もありましたが、先生が親身になって話を聞いてくださり、安心して治療することができました。
もっと早く相談していれば良かった、と思うほどです。
あまり神経質になる必要はないと思いますが、トイレが気になりすぎで仕事や生活に支障をきたす場合、受診をお勧めします。
メッセージ

頻尿と一言で言っても、腫瘍や炎症など病気が隠れていることもあるそうなので、気になったら受診してみるのが良いと思います。
泌尿器科は恥ずかしい、入りにくいイメージもあるかも知れませんが、患者さんは意外と若い男女も多かったので、気にせず受診してみてください。
若いのに頻尿なんて、と周りから言われることもありました。
特に家族からは「神経質。気にしすぎ」など言われ、受診をためらったこともありましたが、自分自身が困っているなら受診する理由になると思います。
トイレを気にしすぎて水分を取るのを我慢するのは、健康を害する場合もあるので、気をつけて欲しいです。
気持ちの問題が大きいため、「完全に治る、絶対良くなる」などと極端なことは考えず、「少し楽になったら良いな、マシになるかな」とラフな気持ちで取り組むと良いのではないでしょうか。
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