【ep85】網膜はく離【自覚ないまま重症化】

この記事を読むのに必要な時間は約 9 分です。

網膜はく離は、眼球の内側を覆っている網膜が何かの原因で裂けたり剥がれることで起こります。
ボクシングや相撲をやっている人は、たまに目に衝撃を受けて発症することがありますね。

私は28歳のとき、普通の生活をしているだけで網膜はく離を煩いました。

生まれつき先天性の病気で右目の視力がほとんどなかったのですが、ある時、運悪く左目に網膜はく離をわずらい、自分の世界から光が消えました。

幸い現在では左目の視力が回復し、元通りの生活が送れています。

ここでは、自覚症状に気づいてから、回復するまでの体験を紹介したいと思います。

自覚症状から発覚まで

目のかすみと視界の違和感

網膜はく離と言えば、スポーツや日常生活で顔に物がぶつかった、などの原因をイメージする人が多いかも知れません。
しかし、私はそういった覚えが全くなく過ごしていたので、発覚までに時間がかかってしまいました。

ある時、妙に左目がかすむ感じの違和感を覚えました。

仕事が繁忙期で毎日忙しくしていたこともあり、目のかすみが「睡眠不足と身体の疲れからくるものだろう」とあまり深く考えていませんでした。
目の疲れ用の目薬を使いながら、治ったような治っていないような、はっきりした感覚がないまま1週間ほどが経過しました。

ところが……

週末に十分寝た後でも目のかすみが取れませんでした。
そのうち、何となく視界の端が欠けているような違和感を感じはじめました。

あくまで『違和感』程度でしたが、視野の端が『黒く陰る』感じです。

最初は飛蚊症かと思い、気にしていませんでしたね……

そのまま更に2,3日過ごしていると、黒い影がだんだんと大きくなってきている気がしたので、念のために眼科へ行くことにしました。

(下図のような感じで視野が欠けて見えます)

私の場合、生まれつきほとんど右目の視力がなく左目を大事にする必要があったので、違和感程度でも検査に行くようにしました。

右目が普通に見えていたら、そのまま放置して更に発覚が遅れていたかも知れません。

検査と手術

検査

視野の一部に影を感じるようになってから数日後、念のため会社を休んで眼科へ行きました。

基本的な視力・眼圧検査眼底検査を受け、混んでいたこともあり検査結果が出るまで、ほとんど1日がかりでしたね。

最後の先生の診察で、「必ず明日、大きな病院で精密検査を受けて下さい」と言われました。

更に「恐らく緊急手術を受けることになると思うので、準備をしておくように」とも……

眼底検査の結果、網膜はく離とのことで、症状や手術の簡単な内容などを丁寧に説明されました。

自覚症状が大してなかったのですが、医師からは「はく離が進んでいて、すでに重度の可能性が高い」と言われて、絶望的な気分になったのを覚えています。
なんせ私は生まれつき右目が見えず、左目が唯一の目ですから……

精密検査と入院

翌日、会社を休み、紹介された眼科へ精密検査を受けにいきました。

混んでいましたが、紹介だったこともあり半日で眼底検査を中心とした一通りの検査が終わりました。

その後の診察で、眼科の先生から正式に網膜はく離を告げられ、2~3週間の緊急入院が決まりました。

先生いわく「はく離の範囲が広く、完全に網膜が剥がれてしまうリスクがある」とのことで、その日の夕方に緊急手術を受けるようにと言い渡されました。

そこまで緊急性が高い状態だと言う認識が全くなく、入院の準備が全くできていなかったため「明日ではダメですか?」と尋ねたところ、渋い表情で「できるだけ身体を動かさないように」という条件つきで翌日の手術をその場で予約しました。

それから、医療事務の方に説明を受けながら入院・手術の申し込み手続きをし、夕方までかかりました。
これまでにも書いた通り、こんなに急な話になるとは全く考えておらず、地に足がついていない状態でバタバタの一日でした。

病院からの帰りに会社へ立ち寄り、上司に状況説明と2~3週間会社を休むことを伝え、安静にするために帰宅しました。

翌朝、2週間分の着替えなどの入院準備をし、病院へ向かいました。

夕方の手術まで2回ほど検査と問診を受け、リラックスしながら過ごしました。

手術

手術の2時間前に最後の診察を受け、手術の詳細な内容が先生から説明されました。

施術方法や術後の影響など、いま思い出してもゾッとする内容で、そのときは男の私でも泣き出しそうになりました。

下に施術方法と術後の影響を簡単に記載しますね。

バックリング手術

剥離した網膜と眼球壁を密着させるため、眼球の外側からシリコンスポンジを縫着し、眼球をくぼませることで眼球壁を網膜裂孔に押しつけます。
そうして破けた網膜を塞ぎ、復位させる方法です。

白眼に繋がれている外眼筋を切断・縫合するので、手術後数日は結構な激痛です。

手術直前に先生から言われたことは「眼の手術で一番痛みを伴う手術なので、覚悟しておいてください」でしたが、まさにその通りでしたね。

レーザー手術

バックリング手術の翌日に補助的な目的で行われました。
手術した網膜の復位部分をレーザーで焼いて破孔が再発しないように補強する手術です。
バックリング手術後に行うと結構な痛みと苦痛があります。

術後の副作用について

はく離の状態によりますが、近視老眼飛蚊症充血複視などの後遺症が残ります。
※だいたいの場合はそれほど気にならない程度まで回復しますが、ケースによって違うので、詳しく知りたい方は調べてみてください。

術後から回復まで

手術後は感染症を防ぐため1日間ほど眼帯をしたまま生活し、状態が安定するまで数日~2週間ほどの入院で退院できます。

私の場合、麻酔が身体に合わず術後から嘔吐が続き、食事も摂れず点滴が外せなかったため、回復するまで3週間ほど入院しました。

2週間経てば網膜が密着し、安静が必要な期間が終了します。

また、視力が安定するまでは数週間~3ヶ月と言われています。
眼の充血が激しい期間も3ヶ月くらいです。

術後1ヶ月は黒眼と白眼の区別がつかないほど、眼球全体がどす黒く染まり、グロテスクな見た目でした。
2か月ほどは眼の周囲も充血し、眼の周りがアザで覆われたようにパンダみたいな見た目の状態が続きました。

普通の人は、手術した眼の視力が回復していない状態でも、2週間後は眼帯をして普通に会社や学校に行くことができるでしょう。
※ランニングなど運動は~1ヶ月程ひかえるように言われます。

私の場合はもともと片目が見えないため、手術した眼の視力が戻るまで3ヶ月間、会社を休職し、自宅で寝たきりの生活が続きました。
視力の回復は非常にゆっくりで、3ヶ月経つまでほとんど眼が見えない状態が続きました。

ピントを調整する眼の機能が失われているので、メガネ・コンタクトなどの矯正も効きかず、回復するまで待つしかありません。

3ヶ月経ってようやく矯正視力で0.4くらいまで回復し、仕事と普通の生活に復帰しました。
まだまだ状態が不安定でしたが、生活費も稼がないといけないですしね……

手術後、半年ほどでほぼ完治し、手術前より少し視力が落ちた程度に治まりました。

まとめ

私の場合、軽い違和感を感じた段階で検査を受けましたが、それでも進行が進んでいて完全に網膜がはく離する1歩手前でした。

完全にはく離するのとしないのとでは大違いだそうで、紙一重で人生が救われたのだと思うとゾッとします。

手術後は相当な痛みと状態の悪さに、心身ともにかなり不安定な生活を送りました。

いまの医療技術だとある程度は元通りに近い状態まで回復することが圧倒的に多いですが、目の病気は日常生活、その後の人生に大きく影響する可能性があります。

「なんか変だな」と思ったときには、すぐに診察を受けることを強くお勧めします。



カテゴリー:体験談

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