【ep87】甲状腺機能低下症【見た目では分かりにくい病気の悩み】

この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。

もくじ

甲状腺機能低下症とは

甲状腺機能低下症とは、血液中の甲状腺ホルモンが低下した状態をいいます。

周りに「どんな病気?」と聞かれて甲状腺ホルモンの話をすると、「あぁバセドウ病?」と言われますが、バセドウ病とは逆の症状が現れます
バセドウ病は甲状腺ホルモンが過剰な状態です。

甲状腺ホルモンが低下すると新陳代謝が低下し、主に下記の症状が現れます。
無気力疲労感むくみ低体温寒がり体重増加便秘月経異常意欲低下物忘れ

甲状腺機能低下症は女性に多くみられます。

原因は様々ですが一番多いのが慢性甲状腺炎橋本病です。
また、甲状腺の手術の後や、脳下垂体の病気、薬剤の副作用によっても引き起こされます。

私の場合は、後で詳しくお話ししますが、無痛性甲状腺炎の後遺症で甲状腺機能低下症になりました。

病気の時の様子

私の症状として『無気力意欲低下疲労感が強く何をやるにも億劫になる』がありました。

それが病気によるものなのか、単純に自分が怠けているだけなのか、そのことに今でも悩んでいます。
また、35歳になってから診断されたのですが、その頃から急に体重も増え始めました。

自分の生活習慣が悪いのか、加齢による代謝低下なのか、病気による代謝低下なのか分からず、どこまで自分でコントロールできるものなのかと悩みました。

周囲からはとくに何も言われませんが、見た目に分かりづらい病気なだけに、自己管理ができていないと思われていないかと不安に思いました。

発症から診断されるまで

私は一般的に多いとされている慢性甲状腺炎ではなく、無痛性甲状腺炎にかかった後、甲状腺機能低下症を発症しました。

まず、無痛性甲状腺炎と診断されるまでが時間がかかりました。

最初の症状は夜間のみの発熱頭痛でした。
市販の解熱鎮痛剤を内服しても効果はなく、その状態が2週間続きました。

不思議なことに、朝になると解熱し、日中は平熱で経過していましたが、また夜になると39度台まで上昇しました。

寝汗も酷く食欲もなくなり、しまいには脱水状態になり、2週間で体重も7kg減少しました。

病院にも2ヶ所行きましたが、どちらとも咽頭炎と診断されていました。
しかし熱は下がらず、そのうち動悸が出現し、トイレに行くだけで息切れする状態になりました。

「これは絶対咽頭炎じゃない!」と思い、3ヶ所目の総合病院を受診しました。

受診時にはかなり体力も落ちていたので、入院し脱水に対して点滴治療を行いました。
しかし、入院しても症状は変わらず、原因もわからなかったので、3日間で退院しました。

最終的に、退院後の初回外来の時、甲状腺のエコー検査血液検査の結果、無痛性甲状腺炎と診断されました。
無痛性甲状腺炎の治療はとくになく、3週間ほど経過して自然軽快しました。

甲状腺機能の状態は『甲状腺が炎症を起こし甲状腺機能が亢進した影響で、一過性に甲状腺機能が低下し、その後2〜3ヶ月で正常に戻る。』というのが一般的な経過とのことでした。

しかし、私の場合は現在もまだ正常には回復せず、甲状腺機能低下症の状態が続いています。

治療と経過

甲状腺機能低下症に対し、甲状腺ホルモン薬を内服しています。
不足している甲状腺ホルモンを内服により補充しているのです。

少しずつ内服量を調整していますが、発症から4年、まだ正常には戻らず通院(3ヶ月に1回)と内服を継続しています。

また、診断後から意欲低下が顕著になり、仕事も休んでしまうことが増え、心療内科も受診しました。
その結果、自律神経失調症と診断されました。

現在は心療内科にも通院し仕事は休職しています。

まとめ

以上が私の発症から現在までの体験談です。

私の場合は、少し特殊なパターンかもしれません。

また、もともと仕事で役割が増え、ストレスがかかっていた時期でもあったので、自律神経失調症の方が先だったかもしれません。

今は休職していますが、甲状腺機能低下症が理由というよりは、自律神経失調症が悪化したからです。

復職した時期もありましたが、勤務時間を増やしていくと、再び体調が悪くなり休職するというパターンを繰り返しています。

幸い、職場には恵まれ、周囲の理解もあり、退職という形は取らずに、自分の体調に無理のないペースで療養生活を送れています。

甲状腺機能低下症で悩んでいる方へ

甲状腺機能低下症は女性に多いので、家事・育児・仕事と負担がかかりやすいと思います。

見た目ではわからない病気なだけに、周囲に「少し休ませて」と言いづらく、無理をしてしまうかもしれません。

また、私のように「自分が怠けているだけではないか」と考えてしまう方もいるでしょう。

しかし、自分の体は自分にしかわからないのです。

疲労やストレスを感じたら、「無理せず休む!それでいい!」そう自分に言い聞かせて、遠慮せず堂々と休みましょう!

お互いに自分の体も大事にしながら無理のないよう生活していきましょう。



カテゴリー:体験談

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