【ep92】二度の男性更年期【働きづめからくる不調】

この記事を読むのに必要な時間は約 11 分です。

私は古希間近の元銀行員で、これまで2度更年期障害を発症しています。
最初は40歳代後半、2度目は60歳頃でしたが、1度目は男性更年期についての知識は世間一般に無い時代でした。

受診をしたのも内科であり、正式な病名は不明なままです。
2度目は心療内科を受診し、はじめは更年期との診断でしたが最後には隠れ鬱病とのことでした。

今回は、私の体験をお話ししたいと思います。

もくじ

男性の更年期障害とは

1度目の経験の後、【漫画家 故はら たいらさんの著書『じたばた男の更年期』】で男性にも更年期がある事が世間一般にも広く知られるようになりました。
はらさんの更年期障害発症原因は、オーバーワークによるストレス老化酒の飲みすぎ等いわば不摂生でしょう。
はらさんは短編の時事漫画を得意としていましたが、短編でも長編でも生みの苦しみは同じようです。
日中は懸命にネタを考え神経をすり減らし、夜はその酷使した神経を休めるために毎晩遅くまで飲み歩き、テレビでもその博学ぶりが受けると苦手なトーク番組等にもお呼びがかかる、そんな毎日で心と体のバランスを崩していったようです。

私ははらさんとは同郷ですが、花見のテレビ取材やある番組の打ち上げ時の居酒屋で偶然お目にかかり、話をする機会がありました。
テレビで受ける『博学でお育ちの良い紳士』というイメージとは異なり、『シャイで静かな人』という印象を受けました。
子供の頃から酒に親しみ数々の武勇伝もあるはらさんですが、そのような豪快な印象はありませんでした。

結局、はらさんは更年期症状を若い頃のままに走り続けようとする自分への注意と受け止め老いを受け入れるための一段階と考えるようになり、それが病の克服に繋がったと言われています。

更年期障害の発症と経過

1度目の更年期障害

最初の発症は40歳代後半でした。
まだはらさんの著書が出る前であり、世間にも自分にも知識はありませんでした。

私が地方銀行の小規模店舗でNO.2として勤務していた時のこと、人員配置の関係で3人前位の仕事量が続いていた時期がありました。
体力にも自信があり何とかこなしていたのですが、その後貸出金の有効性である貸出先と裁判沙汰になり、それがきっかけで心身のバランスを崩しリタイアしました。

心が崩れる時はあっけないもので、事件後定例異動で遠方への転勤命令があり、その文書を見たとたんに心が崩れていました。
それ以降気分は落ち込み、眠れず、退職するわけにもいかず、どうすれば良いかも分からない状態でした。

心の不調を本部人事に打ち明けた時の事です、当時はまだ会社にも従業員の心の病に関するケアの発想は無く、第一声が「それをしたら支店長の芽は無くなるぞ」でした。

その時自分の状態に素直に従いリタイアしたのが正解だったと今でも思います。
取り合えず単身赴任をし、妻の助けも借りて6ケ月間我慢し、その後本部勤務に変えてもらいました。

正式な病名については不明でしたが、こちらの知識も乏しく受診した先も人間ドッグ等専門でしたので、今思えば病状の診断がつかなかったのも納得です。

家から通え、仕事も顧客対応の無い本部部署に変えてもらった事で急激に心が楽になり、スポーツジムやヨガ等でのんびりしていたら半年間ほどで完治したように記憶しています。
本部勤務になってからは受診も服薬もしていません。
今考えてみると素人判断ですが『更年期』か『オーバーワークによる鬱病』だったと感じています。
転勤の辞令を見たとたんに落ちこんだ時は、張りつめていた弓の弦が少しの刺激で急に切れてしまったような感じでした。

この記事では「鬱病」「隠れ鬱病」「更年期」の言葉を使っていますが、正確な知識は持ち合わせていません。

ただ、無理をせず受け入れることじっくりと自分の症状を観察して医院(更年期障害を扱っている泌尿器科か心療内科)を受診することです。
鬱は心の風邪とも言われますが、本人にとっては耐えられない『大嵐』のケ―スが多く、家族はその点配慮が必要です。

2度目の更年期障害

この後、54歳で関連会社に移り、そして後60歳の時に今度は『男性更年期』と診断されました。

現役時代は多くのストレスがあり、仕事量の多さや業績目標の達成、部下の指導、本部や上司とのやり取り等で、はらさんのように神経をすり減らし、その解消のために夜な夜な飲みに行くことも多い毎日でした。

ところが、関連会社では殆どストレスはありませんでした。
業務はATM管理等であり、障害時の出動や電話相談がメインで気を遣うことは殆どありません。
勿論給与は半減しましたが、有給休暇の消化は原則いつでもできるし、給与以外はホワイト企業でした。

残った貴重な時間を無駄にすまいと、現役時代にやり残した事、親に会いに行く事や現役時代にはしたくてもできなかった趣味のギター等を楽しんでいました。

そんな毎日の中、60歳の時に体がだるく力が入らない、睡眠は充分とれているはずなのに疲れが取れない、まるでナマケモノになったような気がする、という症状が出てきました。
そしてそれが段々酷くなってきました。

最終的には心療内科を受診しましたが、最初にだるさを感じてから3~4ケ月経っていたと思います。

症状としては、全身の倦怠感が酷く、とにかく体がだるい、重いというもので、心の不調はありませんでした。
ただ段々と内臓の不快感や背中のハリや鈍い痛みを感じるようになりました。
また、ネット等で更年期の特徴として挙げられている性欲の低下はありましが、これは60歳ということで老化も関係があったかと思います。

私の現役時代、銀行はブラック企業の最たるものでしたからストレスで内臓の病気は一通り経験があり、その経験から肝臓の異常を疑い掛りつけの胃腸科を受診しました。
一通り話を聴いてくれた後「還暦でもあり、この際徹底的に調べましょう」ということになり、CTも使用して念入りに検査をしたのですが内臓は『異常無し』でした。

先生の回答は「現在内臓に異常はないので2ケ月位様子を見ましょう。内臓が悪ければ必ず悪いところが表面化しますし、それが無ければ心療内科を受診しましょう」でした。

このアドバイスが無ければ不調なまま無駄な時間を過ごしさらに悪化していたと思います。

今改めてネットを覗いてみると、男性更年期はまず泌尿器科の受診を挙げています。
男性更年期の主原因が男性ホルモンの分泌量の減少にあることが理由のようです。私の住む地区では、当時も今も男性更年期を扱っている泌尿器科は殆ど無いようで、受診時は確認が必要です。

この後、症状は変わらず体のだるさが酷くなり、心療内科を受診しました。

受診のタイミングが少し遅れたのか、受診時の待ち時間1時間が非常につらかったです。
じっと座っているのが無理な状態で、心療内科なのにそんな患者の状態が分からないのかと思った事でした。

診察は問診と血液検査でした。
更年期障害は一般的にストレスや環境の変化による男性ホルモン、テストステロンの分泌量の不足が主因と言われます。
私の場合、男性ホルモンの量は正常でしたし、ストレスも環境の変化もありませんでした。
でも更年期にはそういうケースもあると言われました。

治療法は抗うつ薬の服用がメインでした。
その他気をつける事として『運動すること』と『お日様に当たる事』とアドバイスを頂きました。

服薬については良く効き、最初は効きすぎて昨日までナマケモノの様にぐったりしていたのが飲んだとたん階段を走り上がれるということがありました。
ただ、夜に興奮して眠れないこともあったので、薬を変更してもらい安定するようになりました。

仕事をしている間は服用を続けましょうという方針でしたが、ある時私が受診期限を間違えてすっぽかしてしまいました。

その時点では好調であり、自己判断で通院服薬を止めてしまいました。
すると3週間位した頃だったと記憶していますが、症状がぶり返してきて酷い目にあいました。
そして改めて仕事をしている間は服薬を続けることを申し渡され、さらに生活習慣面の注意もありました。

まとめ

生活習慣の注意点は、最近盛んに言われている自律神経の大切さと同様であったと思います。

多くの医師の見方らしいですが、病気の大半は生活習慣病だということでしょう。

日光を浴びる他、ストレスを貯めない、無理をしない、社会と関わる、運動をする、食事に気をつける、早寝早起き、できるだけ喜んで通る、等が肝要でしょう。
またはらさんのように、病気もあるがままに受け入れるのも大切な事でしょう。

それでも「わかっちゃいるけどできない」のが人間の特質でもあります。
特に現役時代はそうでしょう。

古希間近の今になって気づくのはライフプラン、人生の指針の大切さです。
人生100年時代も視野に入って来ましたが、今は長寿と言っても寝たきりとセットの状態です。
今の若い人は今後の長い人生をどう生きるのか、どう働くのかは大きな課題です。

同じような症状で悩んでいる人へ

私達の時代はまだ成長期にあり、とにかく夢中に働いていました。
親の時代は『百姓の子は百姓、百姓と女に学問は要らん』という世の中でしたが、今やっと本来の姿『自分で自分の人生を選択できる時代』が来たということだと思います。

長くても後から見れば「あっという間」です。
ぜひ人生の指針を持ち悔いのない選択をして下さい。
病気の大半は生活習慣病』『生き生きと働き生涯現役』が長生きで健康の秘訣だろうと、今頃になって感じています。



カテゴリー:未分類, 体験談

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