「地誌的見当識障害」って知ってます?家族ができる支援3選をご紹介!【作業療法士監修】

この記事を読むのに必要な時間は約 6 分です。

「脳出血や脳梗塞を発症し、元々熟知していた道に迷ってしまう。」

「新しい道順を覚えることができなくなった 。」

「あれ?、どっちだっけ??」

それらの症状は、地誌的見当識障害かもしれません。

地誌的見当識障害は、職場や買い物など目的地へ1人で行くことが難しいため、日常生活や社会参加に支障をきたします。

当事者だけでの解決は難しいと言われており、家族の支援が重要視されています。

今回は、地誌的見当識障害の症状と家族ができる支援を3つご紹介します。

地誌的見当識障害とは

地誌的見当識障害とは、脳卒中(脳梗塞や脳出血)により、元々熟知していた道に迷ってしまう、新しい道順を覚えられない状態を指します。

下記の状態の場合は、除外とされています。

・意識障害(ぼんやりしている状態)

・認知症に伴う地誌的見当識障害

・半側空間無視(視力は問題ないが、空間を認識できない状態で道に迷う)


地誌的見当識障害の種類

地誌的見当識障害は大きく分けて2つの種類があります。

街並失認

街並失認とは、熟知しているはずの街並(建物・風景)を見ても、何の建物か、どこの風景かわからない状態のことを指します。

そのため熟知しているはずの街並が、目的地を辿る目印とならないため、道に迷ってしまいます。

自宅の見取り図が書けなかったり、近所の建物の写真などを見せてもわからないことで明らかになるケースが多いです。

街並失認の病巣は、側頭葉と呼ばれる視覚・聴覚的記憶に関連する部位の障害により起きると言われています。

道順障害

道順障害とは、熟知している街並や建物、風景は認識できるが、それらを基準に自分の位置や向いている方角、目的地への距離がわからず道に迷ってしまう状態のことを指します。



道順障害は、脳梁(左右の脳の連絡通路)や頭頂葉(感覚を司る部位)が障害されることで起きると言われています。

地誌的見当識障害の予後

脳卒中の重症度により、予後が大きく変わってきます。
軽症例は、数か月以内に改善すると言われ、左右の脳が障害された場合は、症状が持続的で後遺症が残る可能性があります。

家族ができる支援

今回は、家族ができる支援を3つ紹介します。

外出に付き添いをする

外出初期は、家族が付き添うことが必要です。

地誌的見当識障害を患った方は、1人でいきなり外出することが困難と言われています。

理由として、自身に症状が起きている自覚がないことが多いため、いきなりの外出は迷子や事故につながる可能性があるからです。

外出に付き添う時は、後ろから正しい道を辿れているか確認しながら、どこでどのような間違いをしているかを確認していきましょう。

繰り返し付き添い、安心して外出に行けるようになった段階で、1人での外出へ切り替えると良いでしょう。

ルート表を活用する

ルート表とは、具体的に道順を示すものです。

目的地までの目印となる看板や建物を文章化することや図で細く記したものになります。

ルート表が必要な理由として、一般的な地図では、道順を正確に覚えることが難しいからです。

また言語的な手がかりが有効という報告があるため、Google マップなどスマートフォンのナビアプリも有効な手段の一つです。

地誌的見当識障害の方は、時間帯や天気による変化により、昨日付き添いした時に問題なかった道順が急にわからなくなることがあります。

そのような時の対処法として、ルート表やスマートフォンを常に身につけておくことがよいでしょう。

迷子になった時の対応を決めておく

困ったときの対処法として、お助けカードというものを作成しておきます。

お助けカードとは、不測の事態に備えて名前や住所、連絡先を書いたカー ドのことです。

お助けカードが必要な理由として、万が一迷子になった時の保険になるからです。

また困った時に他者に助けを求めることも、社会生活を行う上で重要です。

道に迷った時には、交番、駅なら駅員、近くになければ、そばにいる歩行者やお店の人などに尋ねるようにしておきましょう。

他の手段としては、携帯電話で身近な人に道を確認することも有効です。

外出は付き添うことが推奨されていますが、道が分からなくなってしまう自覚がない人は、一人で外出をしてしまう可能性もあります。

その場合は、外的な補助用具として外出を知らせる福祉用具スマートフォンの位置情報サービスの活用も一つの手段です。

まとめ

この記事では、地誌的見当識障害の種類と家族ができる支援3選をお伝えしました。

地誌的見当識障害に対する家族支援として、外出に付き添うこと、ルート表の活用・迷子になった時の対応といった方法があります。

また解決の手段として、スマートフォンによるナビゲーションも有効であるため、活用をしてみてはいかがでしょうか。

一人一人に合った支援方法を理解し、日常生活や社会生活へ復帰できるよう根気強く支援を継続していきましょう。



カテゴリー:高次脳機能障害, 地誌的見当識障害【作業療法士】

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